トモニテ
目の前にある当たり前に感謝して、毎日を生きたい。

【放送作家・鈴木おさむ】目の前にある当たり前に感謝して、毎日を生きたい

芸人の森三中 大島美幸さんの夫で、放送作家として活躍する鈴木おさむさん。子供が生まれたタイミングで放送作家業をお休みし、育児に向き合ってきました。鈴木さんがつづる父親目線の育児記『ママにはなれないパパ』から、日本全国のパパ・ママへ送るメッセージをご紹介します。
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 バスタオル問題。お風呂に入った後に使うバスタオル。結構洗うの面倒ですよね。お風呂用のバスタオル、家族で何枚使っているか?

 僕と妻と笑福、3人で三枚使うと洗濯も大変。うちは大体、3人で二枚。まず笑福の体を拭く。そしてその濡れた一枚と、もう一枚を使って妻と僕。僕が笑福と一緒にお風呂に入った時には、笑福の体を拭いて、その半分以上濡れたタオルで僕の体を拭く。妻が一緒に入った時には、その逆。

 こないだ、笑福と一緒にお風呂に入った時に、笑福が風呂からなかなか出てこなかったので、僕の体を先に拭いてしまった。たまたま洗濯をしようと風呂の近くにいた妻がそれを見ていて「笑福の体、先に拭いてあげてよー」と注意される。

 ブログでタオル問題のことを書くと、4人家族だけどバスタオルを一枚で済ませている家族もいたりして。多分、お父さんが一番最後になり、かなり濡れているタオルで拭いてるんだろうなーと想像すると泣けてくる。

 僕は夜お風呂に入っても必ず朝、シャワーを浴びる。これをしないと本当に目が覚めないのだ。バスタオルの使用量が増えるので、妻には嫌がられる。

 先日、朝、シャワーを浴びて、バスタオルで体を拭くと、とても臭かった。なので、妻に「これ、臭くなってきたよ」と聞くと、妻は言いました。「それ、臭い用のタオルだよ」と。臭い用のタオルってどういうこと? 〇〇用ってのはわかるけど、「臭い用」ってどういうこと? もうちょっと詳しく話を聞いてみると、妻曰く、バスタオルって何回も使っていると臭くなってきますよね。そのタオルで体を拭くのも正直しんどい。スッキリしない。だからといって臭くなり始めたタオルを捨てるのももったいない。だけど、笑福用に使いたくはない。そうなると、夜と朝、二回バスタオルが必要で手間をかける僕用にすればいいと思ったらしい。つまりは、「朝シャワーを浴びる面倒なやつには臭いやつで十分だ用」ってことらしい。

 それを略して「臭い用」なんだと。

 確かにね。洗うのは僕じゃない。バスタオルは乾かす時に幅も取る。だったら臭いやつを使わせておけばいい的なね。主婦の発想って素晴らしい。それ聞いたらね、臭い用って言われているタオルのことが異常に愛おしくなりました。なんだか自分と被るというか。臭い用のタオルで体を拭きながら、そのタオルをギュっと抱きしめたくなったりしてね。

 笑福が生まれてもうすぐで丸3年。笑福がうちに来てくれてから、このタオルだけじゃなく、家の中の色が随分変わってきました。リビングには笑福のおもちゃが増えて。寝るベッドも、まず笑福の寝やすさを考えて。冷蔵庫を開けると、笑福の食べるものを中心に置かれていて、僕の好きなものは奥にしまわれていたりする。

 子供を育てることを中心に家が回っている。自分のスペースや自分のことは二の次。これって寂しく感じる人もいるかもですが、僕はね、ニヤニヤしてしまう。嬉しくて。

 ありがたいなって。

 妻と交際0日で結婚したのが2002年。15年以上前。その時はね、僕も妻も勢いで結婚してしまったところも大きい。仕事のことしか考えてなかった僕が、妻と結婚して、人を愛することを教わり、愛しいとは何かを教わり、そんな僕らの所に赤ちゃんが来てくれたけど、空に戻っていった。その後、もう一度、赤ちゃんが来てくれたけど空に戻っていった。出来ることなら赤ちゃんが欲しいって強く願い。妻は妊活して、仕事を休んで。僕もそれをきっかけに、赤ちゃんを授かることがどれだけの奇跡かってことが分かったりして。そしてようやく授かった息子。笑うかどには福きたると願い、笑福と名付け。今はその言葉通りに、笑って僕らに福をくれている。

 家の中の色がどんどん変わっていく。今は家に帰ると笑福がいて。でも、生きていると何が起きるかわからない。人生何が起きるかわからない。明日、僕が死んでしまう可能性だって0じゃない。妻が大きな病気にかかる可能性だってある。

 妻と結婚してから、色んなことがありました。だから本当に思います。当たり前なんかない。今目の前にある日常、小さな幸せ、当たり前だと思っていることは一瞬にして壊れることだってある。だから今、目の前の当たり前に感謝をして。毎日、朝起きて元気に「おはよう」って挨拶してご飯を食べて抱きしめあって、夜寝るまで。こうしていられることに感謝して。

 育児は育自だと言う人もいますが。まさに。大人になって自分が育つ機会ってなかなかない。そんな機会を与えてくれてありがとう。

 育児って何かと考えたら。今の僕には。「育児とは命をつなぐこと」って思う自分がいます。生きていれば色んなことがある。きっと。でも、そんなときは家族3人で一緒に泣いて一緒に怒って、そのあと一緒にまた笑って。

 笑福がいつか本気で愛する人と出会い、命をつなぐことが出来ますように。

父の気づき

育児とは、自分を育てること。

そして、命をつなぐこと。

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写真提供:ゲッティイメージズ

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