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お産ってどう進むの?子宮口の開き方と分娩の流れとは【助産師監修】

お産ってどう進むの?子宮口の開き方と分娩の流れとは【助産師監修】

お産(分娩)とは、陣痛が始まることで子宮の出口である子宮口がだんだんと開いていき、赤ちゃんが産まれ胎盤が出てくるまでのことをいいます。この子宮口の開き方とともに、お産がどのように進むのかを助産師のさきさんに教えていただきました。
お産(分娩)とは、陣痛が始まることで子宮の出口である子宮口がだんだんと開いていき、赤ちゃんが産まれ胎盤が出てくるまでのことをいいます。この子宮口の開き方とともに、お産がどのように進むのかを助産師のさきさんに教えていただきました。

陣痛の始まりとは?

臨月になると「おしるし」と呼ばれる少量の出血がでたり、「前駆陣痛(ぜんくじんつう)」という不規則なお腹の張りや痛みが現れることがあります。これはまだお産の始まりではありません。陣痛の始まりとは「規則的な痛みを伴うお腹の張りが、1時間に6回以上(約10分間隔)になった時」をスタートとします。

分娩第1期

お産には第1期から第3期までの3つのステップがあります。

まず1つ目のステップは、陣痛が始まってから子宮の出口(子宮口)が10㎝になるまでの段階です。なぜ10㎝かというと、赤ちゃんが子宮から出ることができる大きさが10㎝だからです。医師や助産師が「内診させてくださいね」といって診るのは、この子宮口が何㎝開いているかを診ているのです。

陣痛によって子宮口が少しずつ開いていくのですが、10㎝開くまでの時間は初めて出産される初産婦(しょさんぷ)さんで教科書的には10~12時間、経腟分娩で出産されたことがある経産婦(けいさんぷ)さんで4~6時間です。

経産婦さんは出産経験があることによって子宮口が開きやすくなっているため、初めての出産に比べて約半分の時間になります。「1人目の時はすごく時間がかかったから、陣痛がかなり痛いけどまだ家で我慢しようかな……」なんて思っていたら、自宅で産まれちゃった!!という方もいらっしゃいますので、経産婦さんは「1人目の出産より早く産まれることが多い」と覚えておいてくださいね。

そして陣痛は、時間が経つにつれて間隔が短く、痛みが強くなってきます。しかしどんなに痛みが強くなっても、痛みと痛みの間にはお休みの時間があります。たとえば陣痛が3分間隔の場合、1分間痛みがあったとしたら、そのあと2分間は痛みがなくお休み。お休みが終わったらまた1分間痛みがくる、というようなイメージです。

この時大切なのは、お休みの時間には体中の力を抜いてリラックスすること。痛い時に力が入ると、お休みの時間にも手をぎゅっと握って眉間にシワを寄せて力が入ったままの方がいます。これでは緊張がずっと続き、心も体も疲れてしまうので「お休みの時はリラックス」を心がけてくださいね。

分娩第2期

さぁ!子宮口が10㎝開きました!

ここから赤ちゃんが産まれるまでが2つ目のステップである分娩第2期です。破水はこの時期におこることが多いです。破水とは、赤ちゃんと羊水を包んでいる膜が破れることで、羊水が出てくること。「温かいお水が流れ出てきた」と感じます。膜が破れるときに痛みは感じないので安心してくださいね。

陣痛によって子宮から押し出された赤ちゃんは、膣の中を通り少しずつ体の外に出ようとします。ママは陣痛に合わせていきむことで、赤ちゃんが産まれるのを助けます。この子宮口が10㎝開いてから赤ちゃんが産まれるまでの時間は、初産婦さんで2~3時間、経産婦さんで1~1.5時間です。

ママも一番大変な時ですが、狭いところを通ってくる赤ちゃんにとっても1番大変なのがこの時期です。「赤ちゃんにやっと会える!元気に産もう!」と前向きな気持ちで産まれてくる赤ちゃんを迎えましょう!

赤ちゃんの頭が大きくてなかなか出ない。そんな時は会陰切開(えいんせっかい)といって、膣の出口を少し切ることもあります。切るところには麻酔をするため痛みを感じる方は少なく「いつ切ったのか気づかなかった!」という方もいるくらいなので心配しないでくださいね。

最初に赤ちゃんの頭がでてくると、続いて体もするっとでてきます。おめでとうございます!赤ちゃんの誕生です。赤ちゃんが産まれると同時に、陣痛はなくなります。

分娩第3期

最後のステップは、赤ちゃんが産まれてから胎盤が出るまでの時間です。この時間は初産婦さんで15~30分、経産婦さんで10~20分です。胎盤が出る時は少し変な感じがするかもしれませんが、痛みを感じることはあまりありません。

お腹の中にいる間、赤ちゃんに栄養や酸素を届けてくれていた胎盤が出て、お産は終わりになります。

お産のかたちは人それぞれ

これが一般的なお産の流れとなりますが、お産というのは十人十色。同じママでも「産むたびに違う!」というくらい色んなパターンがあります。所要時間もあくまで目安なので、もっと短い場合もあれば長い場合もあります。

かく言う私の出産は、破水から始まりました。早朝に「お水がでてきた」という感覚で目が覚めて産院へ行ったものの陣痛は来ず、結局お産が始まったのは夕方。しかし陣痛が弱く一晩頑張った末に、陣痛を強める点滴をして翌朝やっと産まれたと、いう徹夜での出産でした。

こんな感じでどんな出産になるかは人それぞれですが、目指すところはひとつ!元気な赤ちゃんを産んでこの胸に抱くことです!どんな出産が待ってるのかな?どんな子に会えるのかな?と、楽しみにされてくださいね。

写真提供:ゲッティイメージズ

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