
【小児科医監修】紫斑病(しはんびょう)
【主な症状】紫斑・出血
【主な症状】紫斑・出血
【症状】出血しやすくなり、青紫色のあざができる
どこかに体をぶつけたなどの物理的なきっかけがないにもかかわらず、何らかの原因で出血しやすくなる病気です。皮下で出血した場合、青紫色に見えることから紫斑病と呼ばれます。いくつかの種類がありますが、よく見られるのは、血管性紫斑病(アレルギー性紫斑病)と血小板減少性紫斑病です。
血管性紫斑病(アレルギー性紫斑病)
紫斑病の中では最も多く見られます。主に下半身の皮下の血管から血液がもれ出して、紫斑ができ、数週間にわたって数が増えていきます。関節のはれ、痛みを伴うこともあり、消化器に出血があると、腹痛や血便を伴います。
はっきりした原因はわかっていませんが、かぜや溶連菌感染症などのウイルスや細菌感染がきっかけになって、血管の壁がアレルギー反応を起こしたものと考えられています。
血小板減少性紫斑病
体のあちこちに紫斑が出現します。そのほか、鼻粘膜や歯ぐきから出血することもあります。
血液をかためる働きをしている血小板が、何らかの原因でこわされて減少するために、体のさまざまな部分で出血を引き起こします。かぜや風疹などのウイルス感染症の後に見られることがしばしばあります。自分で自分の体を攻撃する免疫異常が起こるのではないかと考えられています。ただ、現代の医学ではくわしいことはよくわかっていません。
数年から数十年にわたって続く慢性型もありますが、ほとんどは急性型です。
【治療】軽症なら自然に治るが、重症の場合は入院治療を
血管性紫斑病の場合、軽症なら安静にしてようすを見ていれば、1か月くらいで快方に向かいます。ただし、再発することもあります。出血傾向が強く、腹痛や血便が見られるときは、入院してステロイド剤の投与で治療します。
血小板減少性紫斑病の場合、症状が軽ければ2〜6か月ほどで自然治癒することも多いので、経過を観察します。血小板が正常に戻るまでは出血しやすいので、完治するまではけがをしないように注意をすることが必要です。
血小板減少性紫斑病で出血傾向が強いときや重症のときは、ステロイド剤やガンマグロブリンを投与して治療を行うこともあります。
写真提供:ゲッティイメージズ
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