離乳食用の椅子、どうして必要?
離乳食を始める際、まず最初に離乳食用の椅子を検討するママ・パパもいるのではないでしょうか。腰がすわっていない初めのうちは、椅子を使わず大人の膝の上で食べさせてあげると、子どもが少し後ろに傾いた姿勢になるため食べやすいでしょう。離乳食を与えるのと同時にスキンシップが取れるというメリットも考えられます。
しかし一人で座れるようになったら、子ども用に椅子を用意して安定した姿勢をとれるようにすることが必要です。
大人用の椅子や膝の上では安全ベルトもありません。活発な月齢になると特に、落下などの事故の危険性もあります。
また、大人用の椅子では高さが合わない可能性も高いです。
離乳食用の椅子なら安全ベルトなどがついているものも多く、しっかり座った状態で食事に集中しやすいと言えるでしょう。
椅子に座って食べる、という行動を繰り返す中で、食事の間は座る習慣が身についたらうれしいですよね。
どんな特徴があるの?
離乳食用の椅子にも様々な種類がありますが、子どもでも安定して座れるよう、形状やベルトに工夫が凝らされているものが多くあります。
またテーブルがついているタイプの場合は、テーブルを外してベタベタ汚れを丸洗いできるタイプなども。
子どもが食べ物をこぼさないかヒヤヒヤしなくてすむので、より楽しい食事の時間になるかもしれませんね。
いつからいつまで使えるの?
赤ちゃん用の椅子は多種多様であるため、使用できる時期も様々です。新生児の時から寝た状態で使用し、離乳食が始まったら起こして使えるタイプなどもあります。
しかし実際に食べさせる際に使えるのは、早くても離乳食を始める5・6か月前後からと考えてよいでしょう。
いつまで使えるか、というのも当然椅子のタイプや子どもの成長度合いによって違いますが、足などを固定する場合はきつくなって離乳食終了前に卒業することもあるようです。
安全ベルト等のついた商品を選ぶのは大前提ですが、ほかの部分の固定具合は使用できる月齢に関わるため、しっかり把握しておきたいですね。
また約7・8か月以降は、足底が床や椅子の補助板につく姿勢で離乳食を摂ることが厚生労働省でも推奨されています。
椅子を選ぶ際は、床に足のつくものか補助板のあるものを選び、安定した姿勢を取れるようにしましょう。自分で食べられるようになったら、テーブルにしっかり手や肘が届くくらいの距離に椅子を設置するのがポイントです。
参考:財団法人母子衛生研究会編集、2008年、「授乳離乳の支援ガイド 実践の手引き」、母子保健事業団
離乳食用の椅子の種類は?

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ハイチェアタイプ
大人と一緒にテーブルで食事をする際、手軽に使えるのがハイチェアタイプです。
椅子とテーブルが一緒になったタイプと、椅子部分のみでテーブルは大人と同じものを一緒に使うタイプがあります。
足を置く場所が付いているものも多く、高さを調整して長く使うことができる商品もあります。
ローチェアタイプ(座卓用)
座卓の場合に便利なのがローチェアタイプ。おすわりをし始めた子どもでも、目線を変えずに座れるのでチャレンジしやすいかもしれません。
また、音がなるクッション付きのものもある「豆椅子」や、掃除がしやすく人気も高いポリウレタン製の椅子などもこの中の一つです。
腰がすわっていなくても利用できるタイプもあるので、その場合は離乳食開始時期から使うこともできそうですね。
バウンサー・ハイローチェアタイプ
月齢が低いうちは、一時的なベッドの代わりとして使用できることも多いのがメリット。
多くのハイローチェアでは、離乳食を食べる際に背もたれ部分の角度を変えて座ることができます。角度のついたバウンサーの場合は、月齢が上がったときには傾き過ぎている可能性もあるので注意しましょう。
新生児のうちから親しんでいたチェアなら、赤ちゃんも安心して離乳食を進めることができるかもしれませんね。
テーブルに固定するタイプ
キャンピングホルダー、テーブルチェアなどと呼ばれるタイプです。
テーブルに直接固定するので、テーブルと椅子の高さが合わないのでは?といった心配もありません。
慣れない離乳食で床に食べ物がこぼれても、掃除がしやすいのもメリットです。
ただし、テーブルの厚みによってはうまく使用できない場合も。購入前にしっかりと確認しておきましょう。
選び方や注意点は?
時期による選び方
先にご紹介した通り、商品によって使える時期は大きく異なります。
安定感が特徴のハイチェアタイプの場合は、乳児用の装置をつけることで6・7か月〜6歳くらいまで使えるものや、なんと大人になるまで使えるタイプも。
ローチェアタイプは、腰がすわる前から使えるものなら3・4か月頃から、椅子タイプのものなら腰がすわる6・7か月頃から使える商品も多いです。卒業の時期は、椅子や身体の大きさによっては1歳前後の場合も。3歳を過ぎるくらいまで使える商品もあります。
バウンサータイプは新生児から使えるものが多いです。3〜4歳まで使えるものもあります。
テーブルに固定するタイプは5か月頃から3歳頃まで使えるものなどがあります。月齢や年齢が大きくなる前に使うのが良さそうですね。
用途や場所による選び方
ハイチェアタイプは、ダイニングテーブルなどの近くで使うのが一般的です。一回一回金具などの取り付けをしなくてよいので、テーブルに座る人数などに合わせて柔軟に場所を移動することができます。
ローチェアタイプは、座敷の部屋やカーペットの部屋などにおすすめです。お遊び用の椅子として使った際も、ものを落としたときなどに拾いやすく快適かもしれません。
バウンサータイプはややスペースを取ることが多いので、テーブルまわりに余裕があるとよいですね。
その分、一時的なベビーベッドがわりに使えるので、ママ・パパが家事などをしている時に近くに座っておいてもらうのに便利です。
テーブルに固定するタイプは、椅子を新たに置くスペースがない時や帰省などの際の持ち運びにも便利ですね。購入する前に、テーブルの凹凸の有無や厚さなどを確認しておきましょう。
注意したいポイント
消費者庁では、椅子などからの転落事故を防ぐために注意喚起をしています。
確認しておきたいポイントをまとめました。
1.肩ベルトや股・腰ベルトなどの安全ベルトは必ず締める
2.椅子で遊ばせない
3.手を挟みそうな隙間や顔をつく可能性のある突起物がないか注意する。
4.子どもが椅子の上で立ち上がったり、座ってテーブルを蹴ったりしないようにする
5.テーブルに固定するタイプのチェアの場合は、子どもの足の届く範囲に大人の椅子などがないか確認する。(足をかけて立ち上がったり蹴ったりしてしまう可能性があるため)
たとえ耐荷重をクリアしていても、正しい使い方をしないと転落や転倒の恐れがあります。
使用している間も、子どもの様子をしっかりと見てあげてくださいね。
参考:独立行政法人国民生活センター「乳幼児用チェアの安全性」http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20060706_1.html
(2019年10月30日閲覧)
参考:消費者庁「子どもを事故から守る!!事故防止ハンドブック」
(2019年11月8日閲覧)
おすすめの離乳食用の椅子
ここからは、種類ごとにおすすめの椅子をご紹介していきます。
ハイチェアタイプ
①長く使いたい、アイデア商品を探している方に!
「スクロールチェア プラス」(ファルスカ)
離乳食の前から使いたい!という方におすすめの、新生児から大人まで長く使える椅子です。
なんと新生児の時はロッキングチェアとして使用でき、離乳食期になったら、くるっと縦に向きを変えてハイチェアとして使用できます。
重量7kgの軽量設計なので、家の中での移動もしやすいですね。
②デザイン性にもこだわりたい方に!
「トリップトラップ」(ストッケ)
ノルウェー生まれで洗練されたデザインが人気の、STOKKE(ストッケ)のトリップトラップ。
こちらも「ニューボーンセット」をつけると新生児から使用可能で、さらに耐荷重110kgなので大人になっても使えます。
人間工学に基づいた設計をされていたり、カラーバリエーションも豊富だったりと、見た目も機能性も満足できるのがうれしいですね。
ローチェアタイプ
③離乳食開始から安定したおすわりをして欲しいときに!
「バンボ ベビーソファ+専用プレートレイ」(ティーレックス)
首がすわる頃から使用できるので、離乳食開始当初から使用することもできるバンボ。
普段はベビーソファとして、食事のときは便利なトレーをつけて使うことができます。
汚れてもサッとお掃除しやすい樹脂製なのもうれしいポイントですね。
バウンサー・ハイローチェアタイプ
④布製だから掃除が大変…と思っている方に!
「ネムリラFF」(コンビ)
シートは布製ですが、取り外して丸洗いができるので、汚れてしまっても安心です。
リクライニングが5段階もあり、ベッド代わりの使用から離乳食まで幅広く活用できるバウンサータイプ。さらに高さも5段階で調節可能なので、大人のテーブルに合わせるのも楽々です。
テーブルに固定するタイプ
⑤反り返ってしまう赤ちゃんにも!
「テーブルチェア イージーフィット」(カトージ)
赤ちゃんが反り返ってもしっかりガードしてくれる、高めの背もたれがポイント。
設置も簡単にできる上に、2〜9cmの厚みのあるテーブルにも使用できます。
汚れてしまった場合は、シートを取り外して洗うことができます。
ほかにも、様々な離乳食の椅子があります。店舗に足を運んで選んでもよいかもしれませんね。
また、一時期しか使わない場合はレンタルサービスを利用するのもよいでしょう。
コラム
赤ちゃんにとって初めての経験となる離乳食。初めからうまくはいかず、お悩みの方も少なくないかもしれません。
それぞれのお悩みに対して、考えられる対処法はどんなものがあるのでしょうか?
①抜け出す
せっかく赤ちゃんを椅子に座らせても、すぐに抜け出してしまって困っている、という方も少なくないようです。
抜け出してしまう原因は、お腹が空いていない、おもちゃやテレビなどほかに気になるものがある、椅子の座り心地が悪いなど様々に考えられます。
無理に座らせようとせず、時間を置いてチャレンジしてみるのもよいかもしれませんね。
また、離乳食以外の時間にも座らせてみて椅子に慣れ親しんでもらうのも有効な場合も。
②泣く
こちらも同じく原因は様々です。離乳食の味付けや食感自体を嫌がる場合もありますが、椅子が合わなくて泣く場合も。
椅子を選ぶ際は、サイズがきつすぎないか、座った感触が固くないかなどを確認しておきましょう。以前から使っている椅子の場合は、小さくなってしまっていないか見直したいですね。
③汚れる
手づかみ食べが始まる時期などは特に、椅子やテーブルの汚れが気になるもの。でも、それを気にしていたら大人も赤ちゃんも離乳食に集中できなくなってしまいます。
椅子を選ぶ際は、拭き取りやすいポリウレタン製やカバーの洗えるものを選ぶとよいでしょう。もともとカバーなどがついていない場合は、汎用性のあるカバーを購入してもよいですね。
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今回は、離乳食を快適に進めるために使いたい椅子や、選ぶ際のポイントをご紹介しました。
家族のライフスタイルに合わせて、大人も子どもも笑顔で食事を摂れるような椅子が見つかるとうれしいですね。ぜひ参考にしてみてください。
写真提供:ゲッティイメージズ
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