【助産師監修】産後に涙もろくなってしまうのはなぜ?いつまで続くの?原因や対応法

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産後の悩み・トラブル

【助産師監修】産後に涙もろくなってしまうのはなぜ?いつまで続くの?原因や対応法

「出産後、なぜか涙もろくなった……」と感じたママもいるのではないでしょうか。今回はその原因と対応法について、助産師のやまがた先生に教えてもらいました。
「出産後、なぜか涙もろくなった……」と感じたママもいるのではないでしょうか。今回はその原因と対応法について、助産師のやまがた先生に教えてもらいました。

産後の涙もろさはいつまで続く?#

経腟分娩・帝王切開など分娩方法に関わらず出産を終えると、女性のホルモンバランスは急降下し、分娩直後にはほとんど0のような状態になります。

人間は精神的・身体的に大きな変化を感じて緊張状態となるとき、「ストレス」を感じます。そのため、嬉しい・悲しいなどの感情に関わらずストレスとなることがあります。

その結果、赤ちゃんが生まれたなどの喜ばしいできごとも、大きな変化が生じるため、実は「ストレス」を感じることが多いです。その解消法として、「涙を流す」ことが挙げられます。

泣くほかにもイライラしたり、落ち込みやすくなったりすることもあるでしょう。

個人差がありますが、産後の不安定な気持ちの原因は、おもに以下の2つに分類されます。

マタニティブルーズ

出産後3日以降から1〜2週間、長くて1か月健診くらいまでの間に、何が起こるわけもなくイライラしたり、涙もろくなることがあります。

人によって感情の波の強弱はありますが、不慣れな育児や睡眠不足も大きく影響して、国内では10〜25%の女性が経験するものとも言われています。しかしその多くは時間が経つにつれ徐々に回復していきます。

産後うつ

出産直後から症状がでることもあれば、わずかな割合ですがマタニティブルーズから産後うつへと移行するケースもあります。

涙もろさろだけではなく、食欲不振や不眠などが見られる可能性も。このような症状が2週間以上続き、日常生活にも影響が出るケースもあります。

周囲のサポートを増やしたり、セルフケアを取り入れることで、3〜6か月で回復することもありますが、日常生活に支障をきたしたり、育児に対しても辛さが増していくようなら早めに心療内科に受診しましょう。

産後うつの指標のチェック(エジンバラ産後うつ質問票)をしてみることも状況を知るための一つになります。質問表は、インターネット上で簡単に調べることができます。

ホルモンバランスだけでなく、毎日の育児や家事、そして睡眠不足も大きく影響して涙もろさや心が不安定な状態が続くことがあります。

いつ回復するかは個人差はありますが、安定した睡眠時間の確保や、育児や家事をサポートしてくれる人との繋がりを増やしてみることをおすすめします。

対応法について#

ホルモンバランスについては時間が解決してくれる場合も多くありますが、日常生活に支障がある場合は一度かかりつけの医師に相談し、休息を積極的に取るようにしましょう。

ただ、それは一人では難しいかもしれません。核家族化が進む社会の現状を踏まえると、パートナーに頼ることができない人も多いでしょう。

その場合は、まずは「自分を大切にしよう!」と思うことに意識を集中することが大切です。地域の産後ケアを積極的に活用する、週末はゆっくり睡眠を取れるように周りに協力を得る、自分自身が気持ちよいと思える簡単な体操やヨガを行う、深呼吸を意識的にするなど、小さなアクションからでもよいので、できる範囲で取り組んでみましょう。

また簡単に始められることとして、育児日記ではなく、自分自身の気持ち日記をつけるようにするとよいでしょう。

また体調を整えることが気持ちの安定を生むこともあります。温かいハーブティーを飲んだり、アロマを使った入浴剤をいれてゆっくり一人でお風呂に入ったり、好きな映画をみたりなど、自分の心が元気になるアクションを少しでも良いのでしてみてくださいね。

「泣いてはだめ」と自分を否定せず、「涙を流すことでストレスを軽くしてくれる」と思うだけでも気持ちが楽になるかもしれません。

周囲に協力を得て、ぜひ自分に優しく出来る時間を増やしてみてくださいね。

参考:

・池下 育子 (監修),宗田 聡 (監修),原田 優子 (監修),吉岡 マコ (監修)「出産した女性が本当にしておきたい 産後ママの心と体をケアする本」、日東書院本社、2012年

・やまがたてるえ、「産後つらくなったら読む本」、合同出版、2014年 

・対馬ルリ子(監修、「NHKすくすく子育て 産後ママの体と心 トラブル解消BOOK」、NHK出版、2010年

・大草尚、「「産後ケア」から始まる幸せ育児」、アートデイズ、2015年

・岡井 崇・綾部 琢哉(編)、「標準産科婦人科学」、医学書院、2011年

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