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【小児科医監修】赤ちゃんのハンドリガードとは?しない場合はどうする?

【小児科医監修】赤ちゃんのハンドリガードとは?しない場合はどうする?

ハンドリガードとは、赤ちゃんが自分の手をじっと見つめる仕草のこと。あまり聞きなれない言葉ですが、どのような仕草なのでしょうか。今回は、パパ小児科医(ぱぱしょー)こと加納友環先生に教えてもらいました。
ハンドリガードとは、赤ちゃんが自分の手をじっと見つめる仕草のこと。あまり聞きなれない言葉ですが、どのような仕草なのでしょうか。今回は、パパ小児科医(ぱぱしょー)こと加納友環先生に教えてもらいました。

ハンドリガードとは?

リガード(regard)は英和辞書で調べると「じっと見つめる」という意味です。

ハンドリガードは赤ちゃんが自分の目の前で、自分の手をじっと見つめることを指し、個人差がありますが、生後3〜5ヶ月くらいに見られる仕草です。

グーで握った手を目の前で不思議そうに眺め、しばらくすると手を舐めたり、噛んだりするようにもなります。これはこの時期特有に見られるもので、とてもかわいらしいですよね。

なぜ赤ちゃんはハンドリガードをするの?

なぜ赤ちゃんはこのような仕草をするのでしょうか。

オギャーと生まれてから赤ちゃんは外の世界を見たり、聞いたり、触ったりして、色んな刺激を感じながら成長していきます。

個人差がありますが、生後2ヶ月くらいになると、目でものを追う「追視」が始まります。顔の前でおもちゃを動かしたりすると目が動きます。

同時に、だんだんと手足も活発に動かすようになってきます。

追視ができるようになり、手足を動かしているうちに、あるとき赤ちゃんは目の前で動く手を「発見」します。

「この動くものはなんだろう?」そんな気持ちで見つめているのかもしれません。

赤ちゃんは好奇心旺盛で、見つけた手を舌で舐めたり、かぶりついたりして、目の前のものが何かを知ろうとします。

発見した「手」を舐めたり、かぶりついたりすることで、自分が舐められている感覚が伝わり、やがてそれは自分の体の一部と認識するようになります。

自分の体についている「手」という便利なものの存在に気づき、やがておもちゃを持ったり、食べ物をつかんだりといったことができるようになっていくのです。

そういう意味では、ハンドリガードは道具を使うための第一歩かもしれません。

このように赤ちゃんは、自分の周りで起こるたくさんのことに触れたり、見つめたり、舐めたり色んなことを試しながら理解していきます。

これは発達の上でとても重要なことです。色んな感覚をフルに使って、どんどん成長していきます。

ハンドリガードは成長の過程で見られる仕草であると同時に、そのものが成長を促す仕草と言えるでしょう。

ハンドリガードをしない場合は?

逆にこのハンドリガードが見られない場合、「何か成長発達の問題があるのでは?」と不安に感じるかもしれません。

しかし、必ずしも問題があるわけではありません。成長発達の過程で見られる仕草には個人差があり、一つの仕草のみで何かを診断することはできません。

また、赤ちゃんがハンドリガードをする頻度が少なかったり、時間が短い場合には、大人が見過ごしている可能性もあります。

成長発達になんらかの遅れがあるかどうかはハンドリガードだけではなく、体の成長、筋肉の緊張や、体の姿勢はどうかなどで総合的に判断をしていきます。

発達の過程で周囲の子どもには見られるのに自分の子どもにはない仕草があると、「自分の子どもに異常があるのではないか」とどうしても不安になるときもあるでしょう。そのようなときは、かかりつけの小児科や乳児健診の医師に総合的に診てもらってください。

私自身も二人の子どもの親なので、我が子が周囲に比べて何かできていないことがあると不安を感じる気持ちはとてもよくわかります。

でも成長発達は人それぞれで、駆け足の子もいれば、ゆっくりの子もいます。

遅い早い、よい悪いではなく、「今この子に必要なことは何だろう?」と考えて、その子どものペースにあったサポートをしていくとよいと思います。

例えば、おすわりが安定しなければ少し支えながら手助けをしたり、ハイハイを促すために目の前におもちゃを置くなどです。

手首に音のなるおもちゃをつけてあげたりすると、自分の手に関心が寄せられ、発達を促すことにつながるかもしれません。

ある時期にしか見られない赤ちゃんの仕草

赤ちゃんはそのうち首が座り、おすわりやハイハイしたりします。

おもちゃを手に持って遊んだり、ハイハイしたりしてほかのことに手を使うようになると、手をただじっと見つめるだけという仕草はしなくなります。

ハンドリガードはある時期にだけ見られる……と思うと、なんとも尊いもののように思えてきますね。

ほかにも、赤ちゃんにはその時期にしか見られない、特有の仕草があります。

例えば、生まれてすぐの頃は「吸啜(きゅうてつ)反射」といって、指を口元にツンツンとすると、吸おうとする仕草が見られます。

生後1〜2ヶ月頃にはクーイングといって特に意味なく「あー」「うー」などと声をあげたりします。

中にはハイハイの前段階で、前に進もうとして後ずさりしたり、つかまり立ちを始めた頃には、どこかにつかまりながら上下に屈伸運動を繰り返すなどをする子もいたりして、それぞれある時期に見られる仕草は違うこともあります。

このように発達段階で、そのときにしか見られない貴重な仕草がありますので、写真や動画で記録に残しておくのがおすすめです。

「今しかない」と思うと、手を見つめる赤ちゃんを親の方がじっと見つめてしまうかもしれませんね。

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写真提供:ゲッティイメージズ

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