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【医師監修】子どもが頭を打った!受診の目安とチェックしておきたいポイントは?

子どもが頭を打った!受診の目安とチェックしておきたいポイントは?【医師監修】

「子どもをソファに寝かせていたら落ちてしまった」「ベビーベッドの柵を乗り越えて、頭を打った」など子どもが頭を打って戸惑ったことはないでしょうか。子どもが頭を打ったときの対応を具体的なケースをもとにパパ小児科医(ぱぱしょー)こと加納友環先生に教えてもらいました。
「子どもをソファに寝かせていたら落ちてしまった」「ベビーベッドの柵を乗り越えて、頭を打った」など子どもが頭を打って戸惑ったことはないでしょうか。子どもが頭を打ったときの対応を具体的なケースをもとにパパ小児科医(ぱぱしょー)こと加納友環先生に教えてもらいました。

寝返りを打ってソファから落ちた生後4ヶ月の赤ちゃんのケース

生後4ヶ月の赤ちゃんが頭を打って受診しました。

加納「今日はどうされましたか?」

ママ「ソファに寝かせていたら、急に寝返りして落ちて頭を打ったんです!」

加納「頭のどのあたりを打ちましたか?」

ママ「右の横あたりだと思います」

加納「なるほど。打ったあとはすぐに泣きましたか?」

ママ「はい、そのあとギャン泣きして抱っこしたらしばらくして泣き止みました」

加納「嘔吐したりしていませんか?」

ママ「そのあとミルクを飲んでいますけど、戻してはいないです」

加納「うとうとしたり、いつもと様子が違うところはありますか」

ママ「泣き止んでからはいつもどおりかと思います」

加納「ソファの高さはどのくらいですか?」

ママ「……おそらく40cmくらいだと思います」

加納「床はフローリングですか?」

ママ「フローリングの上にカーペットがひいてあります」

加納「手足の動きで気になるところはありますか?」

ママ「う〜ん……手足をバタバタしていて、いつもどおりに見えます」

加納「わかりました。少し診察しますね」

・・・

加納「そうですね。意識もはっきりしていますし、頭も腫れていません。手足の動きも問題ないですね。骨折や脳出血の可能性は低いと思います」

ママ「あの、CT検査はしてもらえますか?」

加納「今日の症状であればCT検査はしなくてよいと思います。子どもは放射線への感受性が高いので、もちろん必要なときには撮影をしますが、今回に関しては検査するデメリットのほうが大きいでしょう」

ママ「そうなんですね。じゃあ、家で普段どおり過ごしていて大丈夫ですか?」

加納「はい、いつもどおりに過ごしていただいて大丈夫です。ただし、あとから具合が悪くなることもときにはあります。繰り返し嘔吐する、うとうとして元気がない、ミルクを飲まない、けいれんするといった症状が見られたら、必ず受診してください」

子どもが頭を打ったときの受診のポイント

まず受診のポイントとしては、医師にけがしたときの状況を詳しく伝えることが大切です。どこから落ちたのか、高さはどのくらいか、どこを打ったのか、落ちたあとにすぐに泣いたかなどを伝えます。

落ちたときの状況を伝えることで、どのくらいの強さのエネルギーが子どもの体に加わっているかが推測できます。

たとえば、高さが40cmくらいで落ちた場所がコンクリートなら、ダメージは大きそうですが、高さが60cmあっても落ちた場所がフカフカのクッションであればダメージは少なさそうですよね。

また、上の問診例のようにソファから落ちたとして、頭部のみを打撲しているとは限りません。

手や足から着地することで手足をけがすることもあります。

目を離した隙に落下していて、状況がよくわからないこともあると思います。その場合も見つけたとき、どのような体勢だったか、泣いていたか、意識ははっきりしていたかなどわかる範囲で伝えると診断の助けになります。

頭を打ったとき、泣いたかどうかは重要

子どもが頭を打ったとき、すぐに泣くかは意識の状態の判断に重要です。

すぐには泣かない場合、脳しんとうや脳出血が考えられるためです。

頭をぶつけたあとすぐに泣かず、そのあとうとうとしてよく眠る、なんとなくいつもと様子が違うといった状態は、意識障害が疑われますので必ず受診が必要です。

CT検査は必要性を医師が慎重に判断

大人に比べて子どもは放射線に対する影響を受けやすいため、CT検査は脳出血の疑いが強い場合に確認のために行われます。

頭を打ったものの意識ははっきりしていて元気で問題ない場合には、様子見になることが多いでしょう。

そもそも元気な赤ちゃんや子どもはじっとしていないので、撮影自体も困難です。診断治療のためにどうしても必要な際にCT検査は行われます。

頭を打った日は激しい活動を避けて

頭を打ったときには、脳出血を起こしていないかが一番心配なところです。脳出血を起こしている場合には、前述のような意識障害や、繰り返す嘔吐、けいれんといった症状が見られます。

ぶつけた直後にはこれらの症状がない場合でも、あとから症状が出ることがあります。頭を打った日は、激しい活動は避けて症状の変化がないか様子をみてください。

転落事故を未然に防ぐ工夫を

今回の例は生後4ヶ月の赤ちゃんがソファの上で寝ていて、寝返りをうって落下しました。生後4ヶ月だと赤ちゃんによっては寝返りができるため、例のような転落が起こりえます。子どもは日々成長するため、急に何かができるようになるかもしれないという認識を持った上での対策が必要です。

四六時中見張っておくことはできないので、一瞬目を離しても大丈夫なように対策するのがよいでしょう。

今回の例であれば、ソファから降ろしておけば転落することはありません。

そのほかの例を挙げると、生後8ヶ月くらいでハイハイができるようになると、段差に登って落ちることが多くなります。階段をハイハイで登っていかないようにベビーガードをつけるとよいかもしれません。

そういう私も、子どもから一瞬注意がそれたときに、子どもがベッドから床にどーんと落下したことがあります。

幸い大事には至らなかったのですが、専門知識のある私でもこのような事故を経験しています。

けがをさせてしまったときは落ち込みますが、失敗から学んで次の事故を予防していきましょう。

消費者庁ののホームページには、月齢別に起こしやすい事故についての資料(「子どもを事故から守る!!事故防止ハンドブック」(消費者庁) )が掲載されています。

これらを参考に、重大な事故にならないよう対策をしてくださいね。

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