
出産直後の赤ちゃんの処置
点眼

細菌感染の予防のため、誕生後30分以内に、抗菌薬の入った目薬を点眼します。
おへその処置

へその緒を切った直後に臍帯クリップをつけ、細菌感染が起きないように消毒して乾燥させ、減菌ガーゼで包んでからばんそうこうを。じくじくするときは抗菌薬を投与することも。
呼吸数

呼吸する力が強いか弱いか、泣き方が強いか弱いかは、赤ちゃんの元気度を測るバロメーターになります。呼吸が安定しないときは、酸素投与など呼吸を助ける処置をすることも。
検温

おしりの穴に肛門計を入れて体温を測ります。同時に直腸や肛門の異常も調べます。誕生直後の体温は、37℃後半から38℃前半と少し高めです。
そのほかの処置と検査
体重と身長
赤ちゃんを裸のまま身長体重計にのせて計測します。
また、赤ちゃんは生まれた直後から、足をがに股に開いています。脱関節脱臼の心配があるため、身長を測る時に足を伸ばすのは少しの間です。
頭囲と胸囲
眉毛の上あたりを頭囲といいます。生まれたばかりの赤ちゃんの頭囲は、肩の周囲と同じくらいです。胸囲より頭囲のほうが大きいのです。
胸囲はお乳のあたりをメジャーで測ります。
酸素飽和度モニタ
誕生後、赤ちゃんは肺で呼吸をするようになるので、皮膚の酸素飽和度をモニタリングし、呼吸循環の状態を観察します。
心拍数
脈拍数を測って、1分間に100以上なら元気で心配ありません。
心臓に異常があるかどうかを調べるには、誕生直後に測る心拍数は大事な目安になります。
足指と手指
足指と手指の数や形、関節の異常を調べます。
鎖骨
産道を通る時に圧迫されるため、まれに鎖骨を骨折することがあります。
出産時にケガをしていないかどうか、からだの各部分をさわりながら確かめます。
外性器、股関節
男の子、女の子ともに、外性器の形に異常がないかどうかを調べます。
股関節を開いて、先天性股関節脱臼の有無も調べます。
処置や計測のあとはさらに詳しい検査を
聴診

心臓と肺に異常がないかを調べるために、胸、おなか、背中に聴診器をあてて、心雑音、心拍、呼吸などを調べます。
触診

おなかをさわって、しこりがないか、はれていないかを調べるために行います。
口の中

口の中をのぞいて、口唇裂や口蓋裂がないか、上唇やあごの異常がないか、舌のつけ根が短くないかを調べます。
反射

口に何かがふれると吸いつく反射など、赤ちゃんが生まれつきもっている原始反射を調べて、中枢神経の異常がないかチェックします。
ママは無理をしないで休んで
出産後は、無理をしないでお産の疲れをとることが大事です。興奮して眠れないときや後陣痛が強くて眠れないときは、遠慮なく言いましょう。
入院する部屋は個室、大部屋と病院によっていろいろあるはずです。希望どおりにならないときは、空き待ちになることもあります。
また、産後も定期的に、血圧、脈拍、体温を再チェックします。血圧は、お産の時は多少高くなりますが、産後は正常範囲に戻っていきます。熱があれば、感染などが考えられます。
産後も後陣痛というのがあるそうですが、どんな痛みなの?
軽い陣痛や生理痛のような痛みです
子宮がもとの大きさに戻っていくための軽い陣痛や生理痛のような痛みです。出産当日~翌日でおさまる人もいれば、数日痛みが続く人もいます。
母子同室ですが、赤ちゃんの世話ができるか不安です
スタッフが教えてくれるので心配しないで
赤ちゃんの抱き方、授乳の仕方などは、スタッフが教えてくれるのですぐにできなくても心配無用です。少しずつ慣れていきましょう。
パパへ 出産後のママをやさしくねぎらってあげましょう
出産室でわが子を抱っこしたり、新生児室でわが子をのぞきこんだりと、小さな命の誕生にふれたときは感動もひとしお。
出産後のママには、手を握って「よくがんばったね」「ありがとう」と言葉でしっかりとねぎらってあげましょう。妊娠中はいろいろなからだの不調や不自由さをがまんし、出産では大きな痛みに耐えてきたママです。思い切りほめてあげてください。
さて、赤ちゃんの誕生を双方の両親や親しい人たちに知らせるのは、パパの大切な役目です。誰に知らせてほしいかを前もってママに確認して、電話番号やメールアドレスをまとめておきましょう。そして病院からすぐに知らせたほうがいい人、帰宅してからゆっくり知らせてもいい人を分けておきます。
お見舞にきてくれそうな人へは病院の面会可能時間も知らせると親切です。
写真提供:ゲッティイメージズ
※当ページクレジット情報のない写真該当