トモニテ
赤ちゃんとミルク

【管理栄養士パパに聞く】Q. 母乳(粉ミルク)だけでいいのは、いつまで?

A. 生後5〜6か月頃からは離乳食を始め、 足りない栄養素を補いましょう

 母乳の栄養は産後1年が経ってもほぼ変わらないことがわかっていますが、子どもに必要な 栄養の量は成長にしたがって増えていくもの。そのため、厚生労働省の指針通り、生後5〜6か月以降は母乳や粉ミルクだけでなく、離乳食も与えるべきです。特にたんぱく質、カルシウムのほか、次の栄養素が不足しないよう気をつけましょう。

 母乳に含まれる鉄は吸収率が高いとされていますが、母乳100mに含まれている鉄の量は 0.04mgほどと少量です。それでも生後6か月くらいまでは、お母さんの胎内で蓄えていた鉄を消費することで足りています。ただし、出生時の体重が2500g未満の『低出生体重児』 では貯蓄量が少なく、4〜5か月頃から不足する心配があるので要注意(※1)。

  一方、粉ミルクに含まれる鉄の吸収率は悪いという説がありますが、日本で市販されているものは吸収率も考慮し、母乳よりも多くの鉄(約20倍)が摂れるよう配合されているため、鉄欠乏が起こりにくいといえます。

亜鉛

 身体の成長に必要なたんぱく質をつくるために不可欠な栄養素で、不足すると皮膚炎や貧血、 発育不全、免疫機能の低下などが起こります。鉄と同様に、特に低出生体重児で不足するリスクが高いので、亜鉛欠乏で現れる皮膚炎や発育不全、貧血などの症状に注意し、心配なときには小児科医に相談するなど、見逃さないようにしたいものです。

 亜鉛は、卵黄や牛の赤身肉を始めとする動物性食品などに多く含まれているので、授乳中のお母さんは積極的に摂りましょう。また、卵は比較的早くから食べられる食材なので、アレルギーさえなければ、離乳食に取り入れてくださいね。

ビタミンD

 母乳中のビタミンD濃度が低いために、赤ちゃんに骨の変形などが起きる『くる病』が発生したという報告があります(※2)。くる病の予防には、妊娠中も授乳中も1日30分程度は日光に当たること、赤ちゃんにも日光浴をさせてあげることが大切です。特に日光照射量が少なくなる冬は(北海道や東北では一年中)、食事で積極的にビタミンDを摂りましょう。ビタミンDは、魚やきのこ類などに多く含まれています。

 ちなみに一定のビタミンDが配合されている粉ミルクの場合、母乳に比べて不足しにくいといえるでしょう。

 近年では、母乳は赤ちゃんにとって理想の栄養源であることなどから、「なるべく長く母乳だけで赤ちゃんを育てたい」という希望を持つ人も多いようです。さらには「アレルギー予防のために2歳までは母乳以外を与えないほうがよい」という説も出まわっています。しかし、 栄養が不足すると子どもが成長できませんし、2歳まで母乳だけで育てればアレルギーを防げるということはありません。そして、赤ちゃんの消化機能の発達、食習慣をつけることなどを考え合わせても、適切な時期に離乳食を開始することは重要です。

 反対に「離乳食は早く始めたほうがいい」という説もありますが、 これも間違いです。生後5〜6か月頃までは食事はもちろん、果汁やお風呂上がりの白湯も不要。適切な時期に離乳食を開始してくださいね。

※1 Dewey KG, Cohen RJ, Rivera LL, Brown KH. Effects of age of introduction of complementary foods on iron status of breast-fed infants in Honduras. Am J Clin Nutr. 1998 May;67(5):878-84.

※2 Matsuo K, Mukai T, Suzuki S, Fujieda K. Prevalence and risk factors of vitamin D deficiency rickets in Hokkaido, Japan. Pediatr ics International. 2009 Aug;51(4):559-62.

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