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共働き夫婦の家計事情と解決策

共働き夫婦の家計事情と解決策

共働きの夫婦は経済的に余裕ができるはずなのに、その実感が得られていない夫婦は少なくないようです。
今回は共働き夫婦の家計の実情とお金の管理方法についてご紹介します。
共働きの夫婦は経済的に余裕ができるはずなのに、その実感が得られていない夫婦は少なくないようです。
今回は共働き夫婦の家計の実情とお金の管理方法についてご紹介します。

共働き夫婦のお金事情

共働き夫婦は急増しています。共働き世帯は1980年(昭和55年)の614万世帯から2017年(平成29年)には倍近い1,188万世帯に増えています。
一方、全世帯の1世帯当たりの平均所得金額は、1985年(昭和60年)の年493.3万円から1994年(平成6年)の664.2万円にまで34.6%増えましたが、
この年をピークに減り始め、2015年(平成27年)は545.8万円でした。2015年(545.8万円)は、1985年(493.3万円)よりわずか10.6%増えたにすぎません。

共働きの夫婦が「家庭や家事の一部を犠牲にして2人で働いていても、なかなか暮らし向きが楽にならない」と感じていたら、
それは数字のうえでも証明されていることになります。

出典:
男女共同参画白書(概要版) 平成30年版 」(内閣府)、2020年8月閲覧
グラフでみる世帯の状況」(厚生労働省)、2020年8月閲覧

共働き夫婦は、お金をどう管理しているか

お金を増やすには、まずは管理方法を工夫してみてはいかがでしょうか?
共働き夫婦のお金の管理方法には、主に次の4つがあります。

  • 夫婦がそれぞれに自分の収入を管理する
  • 夫婦が共同で管理して、夫婦ともに小遣い制にする
  • 夫または妻のみが管理して、管理していないほうは小遣い制にする
  • 妻または夫が管理して、夫または妻が監査をする

それぞれのメリットとデメリットをみていきましょう。

夫婦ともに自己管理する場合のメリット・デメリット

夫婦がそれぞれに自分の収入を管理する方法は、共通の出費が発生したら2人で支出しあい、それ以外の収入は自己で管理します。
もしくは、共通の出費に加えて、夫婦共通の預貯金をつくり、残りを自己で管理します。

この方法のメリットは、共通の出費や夫婦共通の預貯金でお互いに支え合いながら、お互いに経済的に自立できることです。
資金や資産の自己管理にはリスクが伴いますが、2人同時に金銭面での危険な状態が発生する確率は低いので、
片方に経済的問題が起きてももう一人がカバーすることができます。

夫婦ともに自己管理する方法のデメリットは、管理コストが2倍になるうえに、資金が分散してしまうことです。
さらに、次のようなデメリットもあります。

  • 世帯での収入が不明瞭になる
  • 預貯金が増えにくい

夫婦ともに自己管理するということは、企業で例えるなら1つの会社に経理部が2つあるようなものです。
例えば、夫婦で家事を分担していても、お金の管理作業が2倍のままでは効率化できません。

夫婦共同管理のメリット・デメリット

夫婦共同管理とは、自分たちの収入のすべてを、夫婦共通の銀行口座に入金する方法です。そして夫婦ともに小遣い額を決めておき、それを趣味や交遊に使います。
この方法のメリットは、収入の管理コストが減り、資産運用の相乗効果が生まれやすいことです。
この方法のデメリットは、責任の所在があいまいになることです。
企業で例えると、経理部は1つでも、経理部長が2人いるようなものです。
夫婦がお互いに「相手がしっかり管理してくれているはずだ」と思っていると、適切な管理が難しくなります。

一方が管理する場合のメリット・デメリット

夫または妻が1人で、2人の収入を管理する方法のメリットは、資金の管理コストが減り、責任の所在も明確になります。
ただ、この方法だと、担当する夫または妻の負担が大きくなりすぎて、責任の所在が明確になりすぎてしまいます。
夫婦の収入の管理は、ある程度のあいまいさや柔軟さが必要です。
しかし、夫または妻に資金管理を任せっきりにしてしまうと、何か問題が起きたとき、責任問題で夫婦の仲がぎくしゃくしてしまうかもしれません。

「妻(または夫)管理、夫(または妻)監査」方式

妻または夫が管理して、夫または妻が監査をする方法もあります。
お金は、なるべく多くの額を一元管理したほうが増やしやすいので、妻または夫の一方が管理したほうがよいでしょう。
しかしそれでは管理者の負担と責任が大きくなりすぎるので、普段管理していない夫または妻が、定期的に資産の状況をチェックするのです。
これを「監査」と呼んでみました。
管理と監査をわけることで、効率化と適正化の両方を実現できます。

監査といっても難しく考えることはなく、例えば1年に1回、収入を管理している妻または夫が、夫または妻に1年間の資金の動きを説明するだけでよいのです。
監査担当は、その説明に対し、コメントするだけで構いません。
こうしたお金のミーティングを夫婦で重ねることで、お互いにお金への意識が高まります。

共働き夫婦が効率よくお金を増やすには

共働き夫婦が効率よくお金を増やしていくには、お金の動きを見える化する必要があります。
そのためには、「食費や住居費などの固定費を明確にして、抑制していく」「生活用口座と貯蓄用口座をわける」などの方法があります。

固定費とは、文字通り、毎月固定して支払うお金で、住居費、水道光熱費などがあります。
例えば、高い家賃の家から安い家賃の家に引っ越せば住居費が減ります。
固定費は一度減らすと長期にわたって節約効果を得ることができるという性質があります。つまり、お金が貯まりやすくなります。

生活用口座と貯蓄用口座をわけることで、家計におけるお金の出入りがより鮮明になります。
「生活費が高額すぎる」「貯蓄が遅々として進まない」といったことに気がつけば、節約生活をスタートできますし、貯蓄意欲が高まるでしょう。

夫婦で働いていても、何もしなければ「1+1=2」になるだけです。しかも管理がずさんだと「1+1=1.9」になってしまうかもしれません。
しかし、収入の管理を徹底すれば「1+1=2.01」になるかもしれません。そして投資に取り組めば「1+1=2.1」や「2.2」や「3.0」にできるかもしれません。
世帯収入を増やすには、夫婦の協力は欠かせません。

参考:
男女共同参画白書(概要版) 平成30年版」(内閣府) 、2020年8月閲覧
グラフでみる世帯の状況」(厚生労働省)、2020年8月閲覧

写真提供:ゲッティイメージズ

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