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【専門家監修】出産費用が払えないとき、どうしたらいい?

【専門家監修】出産費用が払えないとき、どうしたらいい?

出産費用は平均すると約500,000円かかります。「出産費用がない」と困ったときにさまざまな支援制度があります。
もちろん、制度に100%頼り切ることはできませんが、上手く活用していきましょう。
今回は出産にまつわる金銭的な支援について解説します。
出産費用は平均すると約500,000円かかります。「出産費用がない」と困ったときにさまざまな支援制度があります。
もちろん、制度に100%頼り切ることはできませんが、上手く活用していきましょう。
今回は出産にまつわる金銭的な支援について解説します。

出産費用の全国平均は約500,000円

公益社団法人国民健康保険中央会によると、2016年度の全国の出産費用の平均は約50万円でした。

出産費用とは、分娩料、入院料、検査・薬剤料、処置・手当料などの支出のことです。

ただ、都道府県によって額はまちまちで、47都道府県中最も高額なのは東京都の約620,000円で、最も安い鳥取県の約400,000円の約1.6倍になります。

出産費用を払えないときは?

「そんな大金、すぐに払えない」と考えている方は少なくはないと思います。そんなときは国の制度を活用することで、お金を工面していきましょう。

出産育児一時金

健康保険に加入していると、妊娠4ヶ月以上の人が出産したとき、出産育児一時金が支給されます。支給額は、子ども1人につき420,000円です。

産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は、支給額は404,000円になります。

420,000円を受給できれば、出産費用の全国平均の約500,000円の約84%をカバーできます。

直接支払制度に対応している医療機関の場合、出産育児一時金は、直接、出産をする医療機関に支払われるので、医療機関に支払う額はかなり少なくなります。

そして、医療機関が請求する出産費用の額が、出産育児一時金の額より少なければその差額はママ、またはパパ(被保険者、健康保険の加入者)に支払われます。

出産育児一時金については、下記のサイトでも詳しく説明しています。

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今回は「出産育児一時金」についてご紹介します。

出産費貸付制度

健康保険には、出産費貸付という制度もあります。

これは、出産育児一時金が支給されるまでの間、出産に要するお金を工面できない場合に、お金を貸してくれる仕組みです。

無利子、無担保で、貸付額は出産育児一時金支給見込額の8割になります。

出産費貸付制度を利用できるのは、出産予定日まで1ヶ月以内の方、もしくは、妊娠4ヶ月以上で医療機関に一時的な支払いが必要な方です。

出産手当金

出産手当金は、健康保険の加入者(被保険者)が出産のために会社を休み、その間、無給になった場合、給与の一部を補填(ほてん)する仕組みです。

出産手当金の内容は次のとおりです。

出産費用 ない

© every, Inc.

入院助産制度

各地方自治体は「入院助産」という制度を設けています。

これは、出産に当たって保健上、病院や助産所などに入院する必要があるにもかかわらず、経済的な理由で入院できない妊産婦に費用を助成する仕組みです。

たとえば東京都の場合、入院助産制度を使える対象者は次のとおりです。

・生活保護世帯

・中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等および特定配偶者の自立の支援に関する法律による支援給付受給世帯

・住民税非課税世帯

・特別区民税または市町村民税所得割の額が19,000円以下の世帯

医療費控除で税金が安くなる

医療費控除という、税金が安くなる仕組みもあります。この医療費には、出産費用も含まれます。

所得税や住民税の額は「所得」に「税率」を掛けて算出しますが、医療費を一定額以上支払った人は、計算に使う「所得」の額を少なくすることができます。その結果、所得税や住民税が安くなります。

「子どもにかかるお金」は支援も一緒に計算しましょう

出産には多くのお金が必要ですが、さまざまな支援制度を使うことで、減額できます。ここで紹介した以外にも、子どもが産まれたあとに育児休業を取る人には、育児休業給付金があります。

「子どもにかかるお金」を計算するときは、このような支援も一緒に計算しましょう。そうすることでお金に関わる不安な気持ちが少し解消されるかもしれません。

出典

出産費用 平成28年度 』(公益社団法人 国民健康保険中央会)

出産育児一時金について 』(全国健康保険協会)

出産費貸付制度 』(全国健康保険協会)

出産で会社を休んだとき 』(全国健康保険協会)

入院助産(出産費用の助成) 』(東京都福祉保健局)

写真提供:ゲッティイメージズ

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