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【医師監修】排卵日付近での出血。原因は?

【医師監修】排卵日付近での出血。原因は?

月経の時期ではないのに、性器からの出血があると、なんだか不安になってしまいますね。排卵日付近で出血があった場合、どんな原因が考えられるのでしょうか。
月経の時期ではないのに、性器からの出血があると、なんだか不安になってしまいますね。排卵日付近で出血があった場合、どんな原因が考えられるのでしょうか。

「不正出血」とは?

月経の前後や排卵する時期など、月経以外に起こる性器からの出血を不正出血といいます。不正出血は女性によくみられる症状であり、出血が起こる場所や原因はさまざまです。
血の色は鮮血のほかに茶色っぽいおりものや、血が混じったおりものなども不正出血に該当します。
出血量については、生理用ナプキンが必要なくらいの出血が数日間続くこともあり、少量とは限りません。

大きな問題のない不正出血もありますが、病気が隠れている場合もあります。
少しの出血だからといって自己判断せず、婦人科または産婦人科を受診することが大切です。

不正出血の種類

不正出血には、次のような種類があります。

機能性出血

子宮に病気や炎症、外傷などがなく、妊娠もしていない場合に認められる不正出血のことを「機能性出血」といいます。
機能性出血は感情的な興奮(怒り、恐怖など)やストレスなどが影響し、ホルモンのバランスが崩れることが原因で起こる出血です。
不正出血の約30%を占め、ホルモン分泌のバランスが変化しやすい思春期や更年期の女性は、特にストレスがない場合でも起こりやすくなります。

中間期出血(排卵期出血)

「中間期出血」は「排卵期出血」ともいわれ、排卵の時期に起こる出血です。

月経と月経の間の排卵日頃に、少量の出血が1~3日みられる場合があります。これは子宮内膜に影響を与える卵胞ホルモンが、排卵にともない一時的に低下することで起こります。

排卵期出血は病的なものではなく生理的に起こるもので、よくみられる機能性出血のひとつです。
通常、排卵は次回月経開始日の14日前頃に起こるといわれています。基礎体温を測っていれば排卵期と一致するので、排卵期出血であるということが判断しやすいです。

排卵期出血は特に問題のないものとされていますが、2~3回続く場合は念のため婦人科や、産婦人科を受診しましょう。

器質性出血

子宮や腟などの病気が原因で生じる出血を、「器質性出血」といいます。悪性腫瘍や良性腫瘍(子宮筋腫、ポリープなど)、炎症、外傷などが考えられ、それぞれの病気に対応する治療が必要です。

そのほかの出血

不正出血には流産や子宮外妊娠といった妊娠に関連して起こる出血や、まれですが、血液の病気による出血などもあります。
また、ホルモン補充療法を受けていたり、低用量ピルを服用していたりする場合に、少量の出血がみられることもあります。

特にホルモン補充療法開始後間もなくや、ピルを飲み始めた頃に出血することが多いです。
そのほか、月経日数が極端に短かったり長かったりする場合や、月経周期が安定しない場合も、不正出血の可能性があります。なお、個人差はありますが、正常な月経の範囲は次の通りです。

  • 月経周期:25~38日の間
  • 月経日数:3~7日の間
  • 出血量:20~140ml

不正出血、妊娠している可能性あり?自分で見分けられる?

閉経前の女性で不正出血があった場合、まずは妊娠の可能性を考えましょう。
排卵後に受精すると、約1週間で受精卵が子宮内膜に着床し、その際に出血が起こる場合があります(着床出血といいます)。出血は月経よりも少なく、おりものが茶色っぽくなる程度の方もいます。

また、妊娠すると、ホルモンの作用で少しの刺激でも出血しやすくなります。しかし、妊娠の可能性が高くても、出血が妊娠によるものなのかを自分で見分けるのは難しいです。
不正出血があった場合は妊娠の可能性を視野に入れつつ、一度産婦人科や婦人科を受診しましょう。

こんな出血に注意

少量の不正出血があった場合でも、少しの出血だから大丈夫だろうと自己判断するのは避けましょう。

特に、痛みをともなう出血や性交後に出血がある場合などは、病気や妊娠に関係している可能性があるので注意が必要です。

_______

不正出血がみられたときは、まず落ち着いて出血の量や状態を観察しましょう。また、月経周期や期間なども確認しておくと診察がスムーズに行えます。
不正出血の原因を特定するためにも、自己判断は避け異常を感じたら早めに受診しましょう。

参考:

・医療情報科学研究所(編)、『病気がみえる vol.10 産科 第4版』、株式会社メディックメディア、2018年

・「不正出血 なぜ?どうするの」(社団法人 日本産婦人科医会)、2020年10月閲覧

・「不正出血」(女性の健康推進室 ヘルスケアラボ)

・「連載 臨床医学の現在(プライマリ・ケア レビュー)性器出血」(日本プライマリ・ケア連合学会誌 2013,vol.36,no.3,p.237-241)

・「妊娠したいと思ったら」(公益社団法人 日本産科婦人科学会 HUMAN+)、2020年10月閲覧

・「妊娠・出産の基礎知識」(千葉県健康福祉部児童家庭課 にんしんSOSちば)、2020年10月閲覧

・「出産に際して知っておきたいこと」(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター)、2020年10月閲覧

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写真提供:ゲッティイメージズ

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