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【医師監修】妊娠初期の下腹部痛:注意すべき場合や対処法について

【医師監修】妊娠初期の下腹部痛:注意すべき場合や対処法について

妊娠初期は妊娠を喜ぶ反面、ママの体に色々な変化が起こります。下腹部にチクチクするような痛みや張りを感じるという人も多く、心配になってしまいますよね。この記事では妊娠初期に起こる下腹部痛にはどのような痛みがあるのか、また原因と対処法についても紹介していきます。
妊娠初期は妊娠を喜ぶ反面、ママの体に色々な変化が起こります。下腹部にチクチクするような痛みや張りを感じるという人も多く、心配になってしまいますよね。この記事では妊娠初期に起こる下腹部痛にはどのような痛みがあるのか、また原因と対処法についても紹介していきます。

妊娠初期の下腹部痛はよくあること?

妊娠初期に感じる下腹部の痛みは、妊娠による体の変化が原因となって起こるものが多く、決してめずらしい症状ではありません。

しかし、痛みに伴って出血がある場合など、中には注意が必要な下腹部痛もあります。強い痛みや出血を伴うケース、また不安を感じるときは、早めに医師に相談することも大切です。

妊娠初期に起こりやすい症状はこちらの記事をチェック

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妊娠すると体にさまざまな変化が起こりますが、その症状は人それぞれで自分で判断が難しいものです。今回は、妊娠したかもと思ったときに判断の目安となる症状や月経(生理)との違いなどを紹介します。

痛みの度合いや場所は人それぞれ

妊娠初期の下腹部の痛みの感じ方には個人差があります。また、痛みを感じる期間も人によって異なります。

下腹部のチクチクするような痛みや下腹部や脚の付け根がひっぱられるような痛み、同じ痛みでも、全体的に感じるときもあれば、右の下腹部、左の下腹部と部分的に感じることもあります。

ほかにも、生理痛に似たようなギューッと押されるような鈍い痛みを感じる人もいれば、便秘のときのお腹が張るような痛みを感じる人もいます。

このような痛みは、一般的に妊娠4ヶ月くらいでいったん治まることが多いようです。ただし、痛みの感じ方が人によって異なるように、痛みが続く期間にも個人差があります。

注意が必要な下腹部痛

妊娠初期の下腹部痛は、ママや赤ちゃんにとって心配のないケースもありますが、中には流産や切迫流産、子宮外妊娠(異所性妊娠)などの可能性がある場合もあります。また、妊娠とは関係ない原因の腹痛である可能性も十分にあります。

痛みの感じ方は個人差が大きいもので、どのような場合が医師に見せるべきケースなのか、判断するのは難しいですが、痛みがあること自体が、体のSOSであると考えられるため、無理をしたり、我慢したりせず、痛い場合は医師に相談しましょう。

安易な市販薬の使用には注意

妊娠を診断されたあとや妊娠を疑っているときの体に、市販薬を用いるのは危険な場合があります。市販薬を使用したいと思うほど痛みが気になるのであれば、痛みの相談と一緒に妊娠の検査を受け、医師から処方された薬を使用することをおすすめします。

受診が必要なケース

  • 激痛を感じる
  • 安静にしていてもおさまらない
  • 妊娠してから初めて感じる痛みがある
  • 痛みは弱くても出血を伴っている
  • 妊娠をしたかは不明だが、生理(月経)が始まるでもなく痛みが続いている
  • 痛み以外にも症状がある(熱や吐き気、冷や汗など異常がある)

なんとなくチクチクするという程度なら様子を見ていいのですが、上記のような症状がある場合であれば、すぐに医師の指示を仰ぎましょう。

下腹部痛に加え出血が伴うケースでは、対処法も異なります。詳しくはこちらをご覧ください。

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そんなときに出血があると不安になってしまいますよね。心配のない出血もありますが、量が多いなど心配なときはすぐに医師に相談することが大切です。出血が続くときにどのように対処すればいいか順を追って説明します。

考えられる原因は?

妊娠初期は、赤ちゃんの成長に伴い、ママの体も大きく変化する時期です。そのため、腹痛もさまざまな原因が考えられます。

下腹部に痛みがある場合には、子宮が変化する過程でその周囲の体の組織が影響を受け、痛みを引き起こす原因となっていることや、ホルモンバランスの変化による原因なども挙げられ、妊娠に関係しない下腹部痛のことも含めると、実にさまざまな原因が考えられます。

妊娠初期の腹痛についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

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妊娠初期は妊娠してうれしい時期であると同時に、少しの変化や体調不良でも大丈夫かどうか心配になる時期でもあります。今回は妊娠初期に感じる腹痛について紹介します。

ただし、妊娠を診断される前の段階や、妊娠中であっても、妊娠とは関係のない原因で起こる下腹部痛もあります。下腹部は子宮や卵巣、腸、膀胱(ぼうこう)など多くの臓器があるためです。痛みが強ければ強いほど、速やかに医師に相談するようにしましょう。相談するときには、妊娠中であることや、妊娠しているかもしれないことなどを合わせて伝えるとよいでしょう。

痛みを和らげるには? 対処法をチェック

妊娠初期、また妊娠の可能性があるときは、下腹部痛を感じても自己判断で薬に頼ることは控えましょう。すべてがダメではありませんが中には赤ちゃんの成長に影響を与えるものもあるため、飲む前に確認が必要です。

妊娠による体の変化が原因で起こる下腹部痛の場合、いくつか対処法があります。

  • 安静にする

まず、妊娠中はママの体に負担がかかっているため、できるだけ安静にし、横になる、座るなど、楽な姿勢をとるようにしましょう。

  • 体を温める

体を温めることも大切です。温かい食事や飲み物を摂取したり、カイロや靴下、腹巻、レッグウォーマーなどを活用して、冷やさないように気をつけましょう。

  • ストレスや緊張をほぐす

ストレスや緊張によって起こる腹痛もあるので、リラックスする時間を作り、ストレスをため過ぎないように工夫してみてください。

  • 食事に食物繊維をとる

便秘が気になるときは、食事内容も意識してみましょう。食物繊維や発酵食品など、腸内環境を整える食材を取り入れることや、こまめな水分補給も大切です。

これらの対処法でも痛みが気になる場合や、長引いてるなど、気になったら、医療機関を受診するか、かかりつけ医に電話で相談するなどして、無理をしすぎたり、不安なまま過ごさないようにしてくださいね。

妊娠初期の下腹部痛について紹介しました。痛みの感じ方は個人差が大きいため、不安があれば医師に相談しましょう。妊娠初期はさまざまな症状が現れる時期なので、体の異変を見逃さないように気をつけてくださいね。

参考

・『プリンシプル産科婦人科学 2 産科編 第3版』p204、メヂカルビュー社、2014年

・医療情報科学研究所(編)、『病気がみえる vol.10 産科 第4版』、株式会社メディックメディア、2018年

・杉本充弘/木戸道子、『最新版 はじめての妊娠・出産 安心百科』p131、主婦と生活社、2014年

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写真提供:ゲッティイメージズ

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