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妊娠後期のおりもの|色や水っぽさなどが気になる

【医師監修】妊娠後期のおりもの|色や水っぽさなどが気になる

妊娠後期になると、おりものの量が増えてきます。おりものの量や状態の変化に戸惑い、不安な気持ちになってしまうことがあるかもしれません。この時期のおりものの特徴と、注意すべきおりものについて紹介します。
妊娠後期になると、おりものの量が増えてきます。おりものの量や状態の変化に戸惑い、不安な気持ちになってしまうことがあるかもしれません。この時期のおりものの特徴と、注意すべきおりものについて紹介します。

妊娠後期に起こるおりものの変化

妊娠するとホルモンの影響でおりもの(帯下・たいげ)が増えてきます。おりものの量に関係しているのは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンです。妊娠中は徐々にエストロゲンの分泌量が増え出産直前で最大となります。そのため、妊娠後期にはおりものの量も増えるので心配する必要はありません。

ただし、病気のサインとしておりものが変化することがあります。妊娠中のママの体は、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなっています。おりものの色やにおいの変化には、注意しましょう。

妊娠後期のおりものの特徴

正常なおりものは、少し酸っぱいようなにおいがします。これは、子宮の中に雑菌を入れないよう、乳酸菌が乳酸を作り出して腟の中を酸性に保っているためです。色は白から黄白色で、粘り気があります。

妊娠後期、特に妊娠10ヶ月頃になると、ホルモンの影響でおりものが増えますが、色やにおいに変化がなく、かゆみもないのであれば、心配することはありません。

通気性のよい下着をつける、おりものシートを使用するなどして、心地よく過ごしましょう。

こんなおりものに注意

おりものの色やにおいに変化がみられる場合には、注意が必要です。

血が混じっている

おりものに血が混じって、赤やピンクの色がついている場合は「おしるし」の可能性があります。おしるしとは、出産がはじまる頃にみられる血の混じったおりもののことです。これは、子宮下部が開いて卵膜(赤ちゃんを包む膜)の一部が子宮壁からはがれ、その出血が粘液とともに排出されるもので、分娩が始まる合図のひとつです。胎盤の位置異常などがあってあらかじめ医師から注意を促されているようなことがなければ、あわてる必要はありません。陣痛を伴う場合や、出血が多い、おなかが張る、おりものの量が増えるなど、ほかの症状も併せて病院に状況を連絡しましょう。

おしるしについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

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黄色や茶色のおりものが出て、下腹部に痛みがある

妊娠37週未満で、黄色や茶色のおりものが出る、おりものが急に増える、水っぽいおりものが出る、そして下腹部に痛みがある、という場合は「切迫早産」「前期破水」といった可能性があります。早めに受診することで早産を予防につとめましょう。

水っぽいおりものが続く

水っぽいおりものが続けて出ている場合には、「前期破水」の可能性があります。前期破水とは、陣痛開始より先に卵膜が破れてしまい、羊水が流れ出た状態です。破水か、おりものや尿か判断がつかない場合は、すぐに病院に連絡しましょう。

特に、妊娠34週以前の前期破水は赤ちゃんに合併症が起こりやすくなりますので、早めに受診することが大切です。

前期破水について、詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。

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尿やおりものとの区別がつかない時はすぐに受診を。

においや悪臭がする

おりものに普段と違う不快なにおいがあるときは、感染症の可能性が考えられます。

腟内に乳酸菌以外の細菌が増えた「細菌性腟症」になると、おりものの量が増加し、魚のように生臭く不快なにおいがします。進行すると、切迫早産や前期破水の原因になる場合があるため、においに変化を感じたら早めに医師に相談しましょう。

黄緑色できついにおいがする

寄生虫の一種であるトリコモナスの感染による「トリコモナス腟炎」では、おりものが黄緑色や黄色になることがあります。泡立ってにおいのきついおりものが増え、性器に強いかゆみを感じます。

白く濁っている

おりものが白く濁ってポロポロとしている場合は「カンジダ外陰腟炎」の可能性があります。カンジダ外陰腟炎とは、腟内に常在するカンジダという細菌が異常増殖しておこる炎症です。

妊娠中はホルモン量の変化のために普段よりもカンジダが増殖しやすくなっています。性病ではなく、ストレスや疲労などで免疫力がおちても起こる、女性にとってポピュラーな病気です。カンジダが異常増殖すると、酒かすや粥、カッテージチーズ、ヨーグルトなどに似た、白く濁ったおりものになり、また外陰部に強いかゆみを感じます。ママが感染していると出産時に赤ちゃんに感染し、口腔カンジダ症を引き起こすことがあります。

おりものの状態に不安があれば、検査を

妊娠中は特に、免疫が低下して感染症にかかりやすくなっています。おりものの状態が普段と違うと感じたら、早めにかかりつけの産婦人科を受診して検査を受けましょう。

性行為を介して感染する性感染症(トリコモナス腟炎・クラミジア感染症など)は、誰でもかかる可能性があります。感染しても無症状な場合も多く、広がりをみせています。もし、性感染症に感染している場合には妊婦だけが治療してもパートナーからまたうつされてしまうため、パートナーと一緒に治療することが大切です。

参考:

・「日本性感染症学会誌 性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016 」(一般社団法人日本性感染症学会)

・医療情報科学研究所(編)、『病気がみえる vol.10 産科 第4版』、株式会社メディックメディア、2018年

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写真提供:ゲッティイメージズ

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