【医師監修】新生児の便秘:見分け方や対処法について | MAMADAYS(ママデイズ)
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新生児の便秘:見分け方や対処法について

【医師監修】新生児の便秘:見分け方や対処法について

新生児でも、便秘になる場合があります。この記事では、新生児が便秘になったときの対処法や受診の目安、原因などについて紹介します。
新生児でも、便秘になる場合があります。この記事では、新生児が便秘になったときの対処法や受診の目安、原因などについて紹介します。

新生児の便秘ってどんな状態?

新生児の便秘は何日くらい出ないものなの?

  • 新生児に3日以上排便が見られない場合、便秘かもしれません。

    便の頻度は赤ちゃんによって様々ですが、通常、生後28日未満の新生児は1日に2~5回の排便があります。毎日排便があったのに、急に3日以上の排便がない場合は便秘の可能性があります。

なかなか便が出ないと思ったら?

便の回数については毎日排便がある場合もあれば、1日おきに排便がある場合もあります。大切なのは「いつもとの違い」です。いつもなら出ているはずの便が何日も出ない場合は便秘を疑っていいでしょう。個人差があることなので、新生児の様子を注意深く見ることが重要です。

便秘のときの便の状態はどうなりますか?

  • 便秘のときの便は、表面にひびが入るようなものや、コロコロしたウサギのうんちのようなものになります。

    通常であれば、軟便などの水分が多く含まれている出しやすい便ですが、便秘の場合、便の水分が少なく乾いたような便になります。また、便が硬いために途中で泣いたり、おなかに力を入れるのをやめてたりしてしまい、便を確認できないこともあります。

便秘のときの新生児の状態はどうなりますか?

  • 機嫌が悪くなり、母乳やミルクを飲まなくなります。

    時には、嘔吐やおなかの張りが強く出ることもあります。あまりに硬い便である場合は、肛門が切れて血がにじんでしまうことがあります。

受診が必要な状態は?

何日か排便がない場合やいつもと違う便の状態になったときは、ほかの症状はないか総合的に観察することが大切です。

・機嫌が悪い、顔色が悪い

・嘔吐が続いている

・便に血液が混じっている

・肌にハリがない、目がくぼんでいる

・腹部がいつもより張っている

・38℃以上の発熱がある

・出生後24時間以内に排便がなかった赤ちゃんで、それ以降も自力での排便がない

これらは、危険な状態である可能性のある徴候です。

どれか一つでも当てはまれば、すぐに医師に診てもらいましょう。

新生児は脱水になると肌にシワやたるみが見られることがあります。他にも肛門からの出血やおなかがパンパンに張り、ぐったりする様子が見られるなど、いつもと違う様子があれば、病院で受診することが大切です。

便秘の原因は?

新生児の便秘の原因は、いくつか考えられます。

母乳がきちんと飲めていないことによる水分不足

新生児の水分を母乳や育児用ミルクから得ています。よって、母乳や育児用ミルクの授乳量が少ない場合は、水分や腸内環境を整える成分が足らずに便秘になりやすくなるといわれています。

このように授乳量が少ない場合は、新生児の体重も増えません。体重増加が順調でない場合は、便秘にもなりやすいので積極的に母乳や育児用ミルクを与えるようにしましょう。

母乳を増やしたいと感じたとき、まずは本当に母乳の出が少ないか知ることが必要です。この記事では、「母乳を増やしたい」と感じたときにどうしたらいいのか、とるべき行動をまとめています。

汗を多くかいたことによる脱水

季節や室温によって、汗をよくかいている場合、新生児の体は脱水状態になりがちです。その脱水により体内の水分が十分でなくなることで便秘になることがあります。

適切な室温(夏期 26~28℃・冬期 20~23℃)、湿度(約 60%)の保持と換気が必要です。何枚も服を着せている場合も汗をかいている可能性があります。

抱っこしたときなどに、背部の服が汗で湿っていないかチェックしましょう。

赤ちゃんの下痢についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

赤ちゃんのおむつ交換のときに見逃してはいけない便の状態があります。その中でもこの記事では「下痢」について、どのようなことに注意しどう対処すべきか解説します。

便の状態から赤ちゃんの健康をチェック

赤ちゃんの体調を見るときに一つの目安になるのがうんちの色です。
母子手帳にもうんちの色のスケールがついていますが、今回は動画でおさらいしてみましょう!

便秘のときの対処法

母乳または育児用ミルクで水分補給する

便秘のときに大切なのは水分を補給することです。また、腸内環境を整える面でも、母乳や育児用ミルクを与えることは有効です。

「の」の字におなかをマッサージする

新生児が便秘のときは仰向けに寝かせて、「の」の字を書くように優しくマッサージすることも効果的です。腸の流れに沿っての刺激となり、排便が促されます。

綿棒浣腸をしてみる

【注意事項】浣腸を行う前に

・機嫌が悪い、顔色が悪い

・嘔吐が続いている

・便に血液が混じっている

・肌にハリがない、目がくぼんでいる

・腹部がいつもより張っている

・38℃以上の発熱がある

などの症状がないか確認しましょう。

このような症状がある場合は、自分で対処しようとせず速やかに医師に診せる必要があります。

【綿棒浣腸とは】

綿棒浣腸とは、赤ちゃんの体に負担をかけずに肛門の刺激で排便を促すものです。

【方法】

①綿棒の綿がついている部分に、ワセリンや赤ちゃん用のオイルをつける。

②肛門に綿棒の先を1~2cmほど入れて、優しくゆっくり回す。

※注意事項

・赤ちゃんの肛門の粘膜は非常に繊細です。綿棒を挿入するときはゆっくりと入れることと、入れる際は赤ちゃん用のオイルをしっかりつけて行いましょう。一番大切なのは、赤ちゃんが動かないようにしっかりおさえることです。おくるみを使用するなどもよいでしょう。

・挿入に抵抗を感じられた場合は無理をせず中止しましょう

・必要以上の挿入は、腸穿孔の可能性があるため2cm以上は挿入しないようにしましょう

・これらを守って肛門をいためないようにやさしくやれば、毎日しても大丈夫です。

便秘のときの授乳について

便秘のときに母乳や育児用ミルクはいつもどおり与えても大丈夫ですか?

  • 欲しがるのであれば、欲しがるだけ飲ませてあげましょう。

    母乳と育児用ミルクは全く同じ成分ではありませんが、共に赤ちゃんの腸内環境を整える成分が含まれています。水分補給と腸内環境を整える面で、十分に与えるのがよいでしょう。もし、排便がなく赤ちゃんが嘔吐したり、機嫌が悪く飲まなかったりする場合は病院で受診しましょう。

育児用ミルクを薄めて与えたほうがいいですか?

  • 育児用ミルクは、表示どおりに調乳しましょう。

    薄めることで水分が取れるのではと考えるかもしれませんが、その必要はありません。育児用ミルクの表示通り調乳をし、授乳を行いましょう。

便秘のときに水や白湯を飲ませたりしたほうがいいですか?

  • 母乳または育児用ミルク以外の水分は必要ありません。

    医学的に必要とされない限りは、新生児には母乳・ミルク以外の栄養や水分は与える必要はありません。水や白湯をあまり与えると悪影響になることがあります。母乳や育児用ミルク以外を飲ませることは避けましょう。

まとめ

新生児の便秘には、個人差があるためいつもの状態との比較をしましょう。

また、便の性状も重要です。

新生児の便は通常、大人の便のようなしっかりとした形はなく、水っぽい軟便です。便秘になって水分が少なくなった便の場合、形のある便が排出されます。

便秘の状態でも新生児が元気であれば、水分を補うために母乳や育児用ミルクを十分に与えることが大切です。

ただし機嫌が悪く、嘔吐が続く場合や出血・発熱などが伴うときは速やかに医師に診てもらうようにしましょう。

参考

・大阪小児科医会、「赤ちゃんの便秘」、2021年2月閲覧

・日本小児栄養消化器肝臓学会 日本小児消化管機能研究会、「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」、2021年2月閲覧

・ミルクサイエンス、「乳児腸内フローラの形成に影響するビフィズス菌鍵因子の解明」、2021年2月閲覧

・日本新生児成育医学会、「下痢になったら?」、2021年2月閲覧

直腸検温の体温計挿入深度に関する検討

・医学書院、『《系統看護学講座 専門分野Ⅱ》小児看護学[1]小児看護学概論小児臨床看護総論』、2014年

写真提供:ゲッティイメージズ

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