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鼻水が出ていても予防接種はできる?

【小児科医監修】鼻水が出ていても予防接種はできる?

鼻水が出ているときに予防接種は受けられるのでしょうか。鼻水が出ているときや、薬を飲ませたあとの予防接種についてご紹介します。
鼻水が出ているときに予防接種は受けられるのでしょうか。鼻水が出ているときや、薬を飲ませたあとの予防接種についてご紹介します。

Q.鼻水が出ていてもインフルエンザなどの予防接種はできるの?

A.鼻水が出ているだけなら、予防接種を受けることは可能です。

赤ちゃんの鼻や喉の粘膜は敏感で、ほこりや冷たい風を吸い込んだだけでも鼻水が出ることがあります。風邪で鼻水が出ていても、元気で遊んでいるようなら大丈夫なことが多いです。

熱がなければ少々の鼻水の場合は健康状態に支障はありません。

ただ、予防接種はできる限り子どもの体調がいいときに受けることが望ましいです。 子どもの体調で気になる点があれば予防接種をする前に、医師に相談をするといいでしょう。

予防接種ができない場合の症状

鼻水に関係なく、以下の症状がある場合は予防接種が受けられません。

  • 37.5度以上の発熱がある (赤ちゃんの平熱が高い場合は、医師と相談しましょう。)
  • 咳が激しい
  • 息苦しそうにしている
  • 元気がなく、いつもと様子が違う
  • 下痢が続いている
  • ほかに何か病気にかかっている
  • 特定の病気が治ってから、一定の時間がたっていない

前回までの予防接種で下記のような症状がある場合や、予防接種の種類によっては受けられない場合もあるため、医師に確認が必要です。

  • 接種液の成分でアナフィラキシーを起こした
  • 予防接種後発熱や発疹などアレルギーを疑う症状があった

予防接種前の体調管理が大切

発熱している場合、なんらかの感染症である可能性があります。

咳は、体に入ったウイルスや細菌を外に出そうとし異物が体内に侵入するのを防ぐ「防御機構」です。そのため咳が激しい場合は感染力のある病気の徴候である可能性があります。

赤ちゃんは体内に侵入した異物を排除するしくみである「免疫」が、大人よりも低いため感染症にかかりやすいという特徴があります。

赤ちゃんは自分で体調不良を訴えることができません。何となく元気がない、食欲がないなどの鼻水以外の症状も慎重に観察しましょう。もし体調不良で予防接種が受けられなくても、病院を受診した上で別の日に予防接種の予約を入れ、子どもの体調管理をしてあげましょう。

予防接種はなるべく体調のいいときに

予防接種を受けるときは、できるだけ体調に注意しましょう。

なぜなら予防接種の種類のなかには、予防する病原体を弱毒化して作られたワクチンを接種することで、軽く病気にかからせて体内に抵抗力(免疫力)を作り、その病気にかからないようなしくみを作っているものもあるからです。弱毒化しているとはいえ、体調が悪いときに接種すると、弱毒化した病原体に体が負けてしまい、強い副反応※を起こすことがあります。

そのため、予防接種はなるべく体調のいいときに行うことが望ましいのです。

※副反応とは

ワクチンを受けたことが原因とみられる症状のこと

鼻水が出ているときに考えられる症状

子どもが鼻水を出す原因はさまざまです。

鼻水が出ているときに考えられる病気はこちらの記事で紹介しています。鼻水以外の症状と照らし合わせて参考にしてみてくださいね。

関連記事
赤ちゃんと子どもに鼻水や鼻詰まりがあるときに考えられる病気を一覧にまとめました。

Q.鼻水が止まるように薬を飲ませてから予防接種を受けても大丈夫?

A.予防接種の直前には薬を飲ませないでください。

すでに薬を飲ませてしまった場合は、予防接種を受ける前に必ず内服させた薬について医師に伝えましょう。抗生剤を飲んでいるような状況では、予防接種が受けられないこともあります。

症状が鼻水だけで元気そうであれば、無理に鼻水を止めるように薬を服用する必要はありません。もし予防接種前に鼻水以外に気になる症状があれば、予防接種を受けられるかどうかを含め事前に医師に相談しましょう。

予約した日に予防接種が受けられなかった場合

再度予防接種の予約を忘れずに

どうしても予約をしていた日に予防接種が受けられないときは、忘れないように再度予約をしておきましょう。

子どもの体調が万全になりそうな目処を立てて、予約をしておくといいでしょう。

子どもの予防接種はスケジュールを組んでいても計画どおりに進まないこともあります。その場合は、医師に相談して再度予防接種のスケジュールを見直して、予定を組み直しましょう。

予防接種には、厚生労働省が指定している期間があり、適切な接種時期がワクチンごとに定められています。できる限り推奨期間での接種が望ましいです。定められた年齢以外で接種する場合は任意接種※として受けることになるため注意しましょう。

※任意接種:国が認めているものの、予防接種法では規定されていない予防接種になります。接種費用は原則全額自己負担で、お住まいの地域によっては地方自治体が全額や一部助成してくれます。

予防接種のスケジュールはこちらを参考にしてください。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/component/content/article/320-infectious-diseases/vaccine/2525-v-schedule.html

出典:「予防接種スケジュール」国立感染症研究所ホームページ(2021年3月3日閲覧)

予防接種を受けた後は

予防接種を受けたら、異変があった場合に連絡がとれるよう約30分間は予防接種を受けた医療機関の近くにいるようにしましょう。

接種後になにかいつもと違う様子が見られたら、再受診をしましょう。

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予防接種を受けたあとに子どもの体調が変わらないか、心配になりますよね。この記事では、乳幼児が受ける予防接種による影響はないのかなど「副反応」について解説します。

予防接種はなるべく体調のいいときに

予防接種前に「咳や鼻水が出ている」「機嫌が悪い」など、子どもの微妙な変化に気づいたらまずは様子を観察しましょう。

鼻水が出ていても、熱がなければ予防接種を受けられることが多いです。もし子どもが鼻水だけでなく体調不良のときは、再度予約を取った上で、体調のいいときに予防接種を受けるよう心がけましょう。

予防接種がスケジュールどおりに進まなくて心配な場合は、医師や看護師と相談しながら進めてみてくださいね。

参考

・原 寿郎、高橋孝雄・細井 創(編集)、『標準小児科学 第8版』医学書院、2013年

・株式会社学研パブリッシング(Gakken)、はじめての育児、2013年

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