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 授乳中のママが刺身を食べても大丈夫?

【管理栄養士監修】授乳中のママが刺身を食べても大丈夫?

生魚である「刺身」を妊娠中は控えていたけれど、そろそろ食べたいな、と思っている産後のママもいるかもしれません。授乳中は食べても大丈夫なのでしょうか?結論から言うと、授乳中は刺身を食べても大丈夫です。この記事では、その理由と食べる場合の注意点について紹介します。
生魚である「刺身」を妊娠中は控えていたけれど、そろそろ食べたいな、と思っている産後のママもいるかもしれません。授乳中は食べても大丈夫なのでしょうか?結論から言うと、授乳中は刺身を食べても大丈夫です。この記事では、その理由と食べる場合の注意点について紹介します。

授乳中のママは刺身などの生食用の魚を食べてもOK

授乳中のママは刺身などの生食用の魚を食べても大丈夫です。

魚には良質なたんぱく質や、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といわれる血流をよくする脂質(不飽和脂肪酸)が含まれています。

たんぱく質は、母乳の成分にもなるため授乳中は非妊娠時より必要な量が増えます。

DHAやEPAはアレルギーの抑制・脳の発達・中枢神経や網膜などの細胞を構成する成分として必要な脂質です。これらは必須脂肪酸といわれ、体の中では作れないため食事からとる必要があります。

授乳中、赤ちゃんはママから与えられる母乳や育児用ミルクが食事の代わりとなっているので、赤ちゃんは母乳や育児用ミルクからDHAやEPAをとります。

これらのことから、刺身などの生食用を含めた魚は、授乳中の食事にぜひ取り入れたい食品です。

妊娠中は刺身などの生食用の魚を控えたほうがよいといわれている理由

妊娠中に刺身などの生食用の魚を食べると、加熱しない食品に付着している可能性があるリステリア菌という細菌が、おなかの中の赤ちゃんに影響を与える可能性があるといわれているためです。

妊娠中のママは抵抗力が落ちるため、通常よりもリステリア菌に感染しやすくなります。リステリア菌に感染すると早産などのリスクが考えられるため、控える必要がありました。

そのほかに、魚に含まれる水銀は、妊娠中は魚の種類によっては食べる量や頻度に気をつける必要がありました。

水銀は自然界の食物連鎖の中で魚の体内の中に蓄積し、それを食べたママの胎盤を通じて赤ちゃんにも取り込まれてしまいます。

おなかの中の赤ちゃんに取り込まれると、赤ちゃんの神経機能の発達に影響を与える可能性があります(たとえば、音を聞いたときの反応が1/1000秒以下のレベルで遅れるといったものです)。

おなかの中の赤ちゃんは取り込んだ水銀を体外に出すことができないため、妊娠中は魚の種類によっては食べる量や頻度に気をつける必要がありました。

産後である授乳中は、リステリア菌や水銀による胎児への影響は問題にならないため、刺身などの生食用の魚を食べても大丈夫です。

魚に含まれる水銀が母乳に移行するのでは?と心配になるママもいるかもしれませんが、母乳に移行する量は低いといわれているため、健康への影響は心配ないとされています(厚生労働省 妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて )。

魚だけを毎日食べるのではなく、肉や大豆製品、乳製品などのほかのたんぱく質源となる食品も交互に取り入れた食生活にするとよいですよ。

授乳中のママが刺身などの生食用の魚を食べるときの注意点

授乳中は刺身などの生食用の魚を食べても問題ありませんが、一般的に加熱をしない食品はリステリア菌やほかの食中毒菌が付着している可能性が高いため、食中毒の予防のためにも衛生面の配慮をしましょう。

特に、リステリア菌は塩分にも強いため、スモークサーモンなどの塩蔵品でも注意する必要があります。

刺身などの生食用の魚やスモークサーモンなどを購入したあとはすぐに冷蔵庫に保管し、なるべく早く食べるようにしましょう。

体調がすぐれないときは、体の抵抗力が落ちている場合もあるため、刺身などの生食用の魚は控えて加熱した魚を食べるようにしましょう。

リステリア菌はママの母乳から赤ちゃんに移ることはありませんが、ママが体調を崩してしまっては大変です。ママ自身の体も大切にしましょう。

参考

・『日本人の食事摂取基準(2020年版) 』(厚生労働省)

・五十嵐隆(監修)、『授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)実践の手引き』、公益財団法人 母子衛生研究会、2020年

・堤ちはる・土井正子(編著)、『子育て・子育ちを支援する子どもの食と栄養』、萌文書林、2018年

妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて (厚生労働省)、2021年3月閲覧

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