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臍帯血(さいたいけつ)とは?へその緒から採れる血液について

【医師監修】臍帯血(さいたいけつ)とは?へその緒から採れる血液について

ママと赤ちゃんとを結ぶへその緒から採れる血液のことを「臍帯血(さいたいけつ)」といいます(以下、「さい帯血」)。この血液が医療で使われることがあるのです。この記事ではへその緒から採れる「さい帯血」が、どのような医療に使われるのかなどについて紹介します。
ママと赤ちゃんとを結ぶへその緒から採れる血液のことを「臍帯血(さいたいけつ)」といいます(以下、「さい帯血」)。この血液が医療で使われることがあるのです。この記事ではへその緒から採れる「さい帯血」が、どのような医療に使われるのかなどについて紹介します。

へその緒から採れる血液が医療に使われる?

ママと赤ちゃんをつないでいるへその緒には、血管が通っています。この血管を流れている血液のことを「さい帯血(さいたいけつ)」といいます。

赤ちゃんが生まれたあと、へその緒から採れる「さい帯血」には、「造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)」とよばれる血液を造る細胞が豊富に含まれています。造血幹細胞は、白血病などの血液の病気の治療に使うことができるため、さい帯血を採って保存しておくことによって、病気の治療に使用することが可能となります。

しかし、さい帯血は出産のときしか採取することができず、へその緒は出産後すぐに処分されてしまうことが多いため、さい帯血の採取と保存を考えたい場合は、出産前に希望を出す必要があります。また、さい帯血の採取や保存は、どの病院でも行っているわけではないので、事前に確認が必要です。

さい帯血を保存する専用施設のうち、厚生労働大臣の許可を受けた業者は全国に6ヵ所存在しています(北海道さい帯血バンク、関東甲信越さい帯血バンク、近畿さい帯血バンク、九州さい帯血バンク、中部さい帯血バンク、兵庫さい帯血バンク)。こうした公的な施設のほかに民間の施設もあり、それぞれ保存の目的が違うので、保存先や目的など施設に関する情報も、事前に確認することが必要です。

さい帯血の採取・寄付について

さい帯血を採取することができるのは「公的さい帯血バンク」と呼ばれるさい帯血の保管や管理、病院への引き渡しなどを行っている機関と提携している病院である必要があります。

公的さい帯血バンクでは、さい帯血を出産後に無償で採取・提供してもらい、病気でさい帯血の移植が必要な人のために使用されます。つまり、さい帯血は献血のように採取にかかる費用はなく、基本的に寄付するものであるという前提があります。

寄付以外にも民間のさい帯血バンクもありますが、さい帯血の保管方法、契約内容などを確認し、慎重に考えて選択する必要があります。

さい帯血が採取できる条件は?

さい帯血は以下のことが明らかになった場合、採取することができません。

  • 双子以上の妊娠
  • 染色体異常児の妊娠
  • 子宮内感染

など。

また、早産の場合や赤ちゃんや母親に治療が必要な場合などは、治療を優先するため採取を取りやめることがあります。こういった項目に該当せず無事に出産ができた場合に、さい帯血は採取することができます。

自身の出産時にさい帯血の採取が可能かどうかについては、さい帯血の寄付の意向とともにあらかじめ医師に確認しましょう。

さい帯血を採取するときのリスクは?

さい帯血を採ることによるママと赤ちゃんへのリスクはありません。

さい帯血採取は、赤ちゃんとママの安全と健康を第一に考えて行われています。実際の採血時間は、2〜5分程度です。

へその緒といっても、出産後、赤ちゃんとママの体から切り離された状態で採血するため、ママも赤ちゃんも痛いと感じることはなく、採血することによって赤ちゃんとママに負担をかけることもありません。

さい帯血の採取可能な産院は事前に確認を

さい帯血は、出産のときに採取できる血液で、血液の病気の治療に使用することができます。公的さい帯血バンクでは、無償提供してもらったさい帯血を病気の人の治療に役立てることになります。

しかし、さい帯血の採取は、どの病院でもできるわけではありません。指定された病院があり、基本的には公的さい帯血バンクと提携している産科医療機関となります。さい帯血の寄付や採取などに関して気になることがあれば、事前に確認しましょう。

参考

・日本赤十字社「造血幹細胞移植情報サービス 」、「さい帯血バンクについて」 2021年3月2日最終閲覧

・厚生労働省、赤ちゃんを出産予定のお母さんへ(臍帯血関連情報) 、2021年3月2日最終閲覧

・厚生労働省、「移植に用いる臍帯血の品質の確保のための基準に関する省令の運用に関する指針(ガイドライン) 」、2021年3月2日最終閲覧

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