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【医師監修】双子の妊娠はいつわかる? 検査薬の反応は?

初回の健診では赤ちゃんが1人だと思っていたのに、2回目以降に双子とわかることもあります。
思いもよらぬ健診結果に驚くママも少なくありません。

さらに双子の妊娠にはいくつか種類があります。適切な時期に超音波検査により種類を確認し、妊娠の管理が必要です。
初回の健診では赤ちゃんが1人だと思っていたのに、2回目以降に双子とわかることもあります。
思いもよらぬ健診結果に驚くママも少なくありません。

さらに双子の妊娠にはいくつか種類があります。適切な時期に超音波検査により種類を確認し、妊娠の管理が必要です。

双子の妊娠とは

一度に2人以上の赤ちゃんを妊娠する「多胎妊娠」

一度に2人以上の赤ちゃんを妊娠することを「多胎妊娠」といいます。

2人の妊娠を「双胎(そうたい)妊娠」、3人の妊娠を「品胎(ひんたい)妊娠」、4人の妊娠を「要胎(ようたい)妊娠」と呼ぶこともあります。

「多胎妊娠」は、「一卵性」、「二卵性」、その他「膜性(まくせい)」の違いがあります。

「一卵性」と「二卵性」の違い

一卵性は、もとは1つの受精卵が早い段階で2つに分かれて育った双子です。

ほぼ同じ遺伝子の情報を持ち、性別、血液型は同じです。

二卵性は排卵が2つあり、それぞれに別の精子が入り、受精した卵が育った双子です。

ヒトは通常一度の月経周期で1つ排卵する仕組みですが、何らかの原因でママが2つ排卵した場合に起こります。

排卵の仕組みや双子を妊娠する確率などについては以下の記事も参考にしてください。

「自分も双子を妊娠する可能性はあるのかな」と考えたことはありませんか。
双子を妊娠する仕組みや、妊娠する確率などの詳しい情報はあまり知られていません。今回は双子を妊娠する確率や遺伝との関係についてお伝えします。

「膜性(まくせい)」とは

双子の妊娠で必ず確認することの一つに「膜性診断」があります。

膜性診断とは、※絨毛膜(じゅうもうまく)と羊膜の数で分類する方法です。

※絨毛膜:卵膜の一部。赤ちゃんのいる部屋の壁のような部分。

双子の妊娠、出産は、通常よりママにも赤ちゃんにもリスクが高いものですが、この膜性の違いによっても大きく異なります。

双子には一卵性、二卵性のほか、以下の3種類があります。

一絨毛膜一羊膜双胎(いちじゅうもうまくいちようまくそうたい)

一卵性で胎盤が1つ、羊膜の隔たりがなく1つの部屋で育つ。

一絨毛膜二羊膜双胎(いちじゅうもうまくにようまくそうたい)

一卵性で胎盤が1つ、羊膜が2つあり別々の部屋で育つ。

二絨毛膜二羊膜双胎(にじゅうもうまくにようまくそうたい)

二卵性で胎盤と羊膜がそれぞれ2つある。胎盤が分離しているケースと、見かけ上1つになっているケースがある。

「一絨毛膜性」のおなかの赤ちゃんのリスク

「一絨毛膜性」の妊娠では、2人の赤ちゃんに対して胎盤が1つです。胎盤からおなかの赤ちゃんへの栄養供給のバランスが均等でない「双胎間(そうたいかん)輸血症候群」が生じる可能性があり治療が必要となります。

羊膜の隔たりがない「一絨毛膜一羊膜双胎」では、おなかの赤ちゃん同士のへその緒が絡み、血流が悪くなってしまうことがあります。より慎重な経過観察が必要です。

膜性についてイラストで紹介した記事もあります。以下の記事も参考にしてください。

一度に二人以上を妊娠することは、喜びも倍以上ですが、気を付けるべきことも多くなります。多胎の仕組みを知り、早めの対処でトラブルを回避しましょう。

ママに起こりうるリスクについては以下の記事も参考にしてください。

双子(多胎)妊娠はママや赤ちゃんへの負担が単胎妊娠よりも大きく、出産できる施設も限られます。
また、予定よりも早く入院が必要となることも。
多胎妊娠がわかったママが気になる妊娠中の過ごし方のポイントや、知っておきたい合併症についてご紹介します。

双子の妊娠検査薬の反応は?

妊娠検査薬では双子かどうかわからない

通常の妊娠検査薬は、だいたい妊娠4週目にあたる生理予定日〜生理予定日1週間後あたりで反応が出ます。

尿の中に含まれる「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」が、一定量以上になると反応し、陽性の判定になる仕組みです。

「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」は、妊娠すると絨毛という胎盤の元となる部分から出るホルモンです。

多胎妊娠では、「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」が単胎妊娠より多く分泌されますが、妊娠検査薬で双子かどうかを判定することはできません。

妊娠検査薬を使うタイミングや、受診などについては以下の記事も参考にしてください。

妊娠したかも?と思ったら、多くの人がまず手にするのが妊娠検査薬です。

いつから妊娠の可能性を検査できるのか、もし妊娠検査薬で陽性の判定が出た場合にはいつ病院に行けばいいのかなどを知っておきましょう。
「もしかして妊娠?」と思ったとき、簡易的に自分で確認できる妊娠検査薬。便利なツールですが、正しい知識を持ち、適切なタイミングで使用することが大切です。妊娠検査薬がいつから使えるのかや、判定の仕組みなどを解説します。

双子の妊娠はいつわかる?

二卵性の双子はだいたい妊娠5〜6週でわかる

多胎妊娠しているかどうかは超音波(エコー)検査でわかります。

月経周期は人それぞれで個人差がありますが、妊娠5〜6週あたりで「胎嚢(たいのう)」という赤ちゃんが入っている袋を見ることができます。胎嚢の数が2つあれば「二卵性の双子の妊娠」ということがわかります。

妊娠6〜8週頃におなかの赤ちゃんの心拍確認(心臓が動いているかどうかの確認)をして確定診断となります。

一卵性の双子がわかるのはだいたい妊娠7週以降

一卵性は胎嚢が1つのため、二卵性より双子だとわかるのが少し遅くなります。

妊娠7週目に入ると胎芽(たいが/妊娠10週目以前の胎児)が確認できるようになります。1つの胎嚢に胎芽が2つ確認できれば「一卵性の双子の妊娠」ということがわかります。

双子の妊娠で大切な「膜性診断」は妊娠14週ごろまでに

「膜性診断」は妊娠10週くらいまでに行うことが望ましいとされています。それまでに行えなかったケースでも12〜14週ぐらいまでには行います。

以降は、胎嚢や羊膜同士がくっついて膜性が判断しにくくなります。

もし受診が遅くなったりして膜性が確認できなかったケースでは、一番リスクの高い「一絨毛膜性」として慎重に妊娠中の管理を行なっていくことになります。

性別がわかると「膜性」の手がかりとなる

妊娠20週あたりになるとおなかの赤ちゃんの性別がわかるようになります。

もし妊娠の初期に膜性が確認できなかった場合でも、おなかの赤ちゃんが男の子と女の子だったケースでは「二卵性」ということがわかります。

ただしエコー(超音波)検査で、100%性別が判定できるというわけではないことや、特殊なケースもあります。主治医とよく相談し、妊娠の管理をしていくことになります。

双子の疑問、Q&A

双子の第一子、第二子はいつ決まるの?

妊娠したときからどちらが兄、姉、など決まっているのでしょうか?

  • おなかの中では決まっていません。産まれた順番によって決まります。

    双子はおなかの中にいる間は、どちらが第一子、第二子かは決まっていません。先に生まれた方が1番目、あとから生まれたほうが2番目ということになります。

    そのため妊娠の初期ではまだわかりません。

    妊娠後期になると、おなかの赤ちゃんの位置でどちらが先に出産となるかがわかるので目安はつきます。
    経腟分娩でも帝王切開でも同様に、先に生まれたほうが第一子です。



双子の出産方法については以下の記事も参考にしてください。

双子の妊娠に、喜びと同時に不安を感じたママもいるのではないでしょうか。
双子の妊娠、出産は注意するべき点も多いのが事実です。
今回は双子の出産はなぜ帝王切開が多いのか、経腟分娩ができる条件、費用はどのくらいかかるのか、などについてお伝えします。

まとめ

双子の妊娠は、妊娠初期のエコー(超音波)検査でわかります。

膜性によりリスクに違いがあり、早めに膜性を診断する必要があります。

妊娠の可能性があるママは、双子に限らず早めに婦人科、産婦人科を受診し、診察を欠かさないようにしましょう。

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