トモニテ
産婦人科医が答える!悩み・疑問Q&A 生理編【2】

© every, Inc.

産婦人科医が答える!悩み・疑問Q&A 生理編【2】【産婦人科医監修】

女性の生理的機能である「生理(月経)」。生理に関して、意外と知らないことも沢山……。MAMADAYSユーザーの生理のときの悩みや疑問点を、産婦人科医の吉村泰典先生に答えていただく「悩み・疑問Q&A 生理編」2回目です。
女性の生理的機能である「生理(月経)」。生理に関して、意外と知らないことも沢山……。MAMADAYSユーザーの生理のときの悩みや疑問点を、産婦人科医の吉村泰典先生に答えていただく「悩み・疑問Q&A 生理編」2回目です。

生理(月経)についてユーザーから先生に質問!

38歳・17歳、16歳、14歳、11歳児ママ
生理痛で受診する基準(どの程度、どのような症状があるか)等があれば教えていただきたいです。
  • 症状・痛みなどは人それぞれ。生理痛で薬を飲むくらいなら必ず病院へ行きましょう。

    生理痛で受診をする基準は、いろいろな人がいると思うんですけど生理痛で自制が不可で、薬を飲まなくちゃいけないような人は病院へ必ず行ったほうがいいと思いますね。

吉村泰典先生
吉村泰典先生
産婦人科
33歳・4歳、8ヶ月児ママ
生理痛で仕事は休めるものなのか(医師からの診断は出せるもの?)
  • 法律で決まっているので生理休暇を取ることはできます。

    生理痛のときに仕事は休めるのか、ということですが、これは労働基準法の第68条※でも定められていまして、生理休暇ってのは法律的に取れることになっています。

    有給か無給かということについては企業の就業規則によって違うかもしれません。
    なかなか「生理痛だから休みます」と言い辛い状況の会社は多いかもしれませんが、生理のときに休むということは一般法で定められてますから取ることはできますね。


    ※労働基準法第68条:使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。

吉村泰典先生
吉村泰典先生
産婦人科
26歳・6歳、4歳、7ヵ月児ママ
月経困難症は治す方法がありますか?
  • 原因によって治療法が変わるため、まずは受診を。

    生理のときに月経困難症※1 がある場合は、鎮痛剤を飲まれていることが多いと思いますが、鎮痛剤は月経困難症の痛みを一時的に和らげはしますけど、ピルのような効果はありません。

    月経困難症を治す方法っていうのは、まずはピルを服用することですね。
    ピルの飲み方には「周期投与」と「連続投与」があります。
    周期投与を選択している場合、月経困難症が非常に強い人は、生理が起こるとピルを飲んでいても痛みを訴えることがあります。連続投与を選択している場合は生理がないわけですから、月経痛はありません。
    しかし、ピルを飲んで痛みは和らげることができますけれど、根治治療にはならないことがあるので注意が必要です。

    月経困難症の原因が何かによって、治す方法というのは違います。

    もし子宮内膜症※2 があって、その子宮内膜症によって起こる月経困難症であったり、内膜症とは違う子宮腺筋症※3 で子宮の筋層が厚くなることが原因で症状が起こっているならば、ピルで治すということはできないですよね。

    なので、どういった病気がバックグラウンドにあって月経困難症が起こっているかということは、病院でちゃんと診てもらわないといけないです。

    ※1
    月経困難症:生理中に起こる病的な症状のことで、下腹部痛と腰痛が起こります。このほかには腹部が膨れる・吐き気・頭痛・疲労感・脱力感・食欲不振・イライラ・下痢・憂鬱の順に多くなっています。

    ※2
    子宮内膜症:子宮の内側にある子宮内膜とよく似た組織(子宮内膜様組織)が、子宮の内側以外の場所にできる病気です。

    ※3
    子宮腺筋症:本来子宮の内側に存在している子宮内膜様組織が子宮の壁である子宮筋層内に侵入する病気です。

吉村泰典先生
吉村泰典先生
産婦人科
34歳・5歳児ママ
PMSの受診目安
  • PMSの症状かな?と思ったら、受診をおすすめします。

    PMS(月経前症候群)※の受診目安ということですけど、PMSというのは生理が起こる前に、イライラしたり落ち込んだりと、明確な原因がないのに体の不調を感じる「不定愁訴(ふていしゅうそ)」が起こります。ほかにもおなかが痛くなったり胸がはったり、いろんな症状を起こします。月経が起こると症状は治まるのが特徴です。

    PMSの人って意外と多いんです。
    昔はこういった病気は病気として認められなくて、さぼり病だとかいろいろなこと言われたんですけど、そうではありません。最近はPMSという病気があることが理解されるようになり、PMSに対しての関心が出てきています。

    PMSの症状が少しでもあったり疑いがあったりする場合は、すぐ病院に行って受診したほうがいいと思いますね。

    ※PMS(月経前症候群):症状に個人差はありますが、生理前に3〜10日程度続く精神的・身体的症状で生理が始まると軽くなったり消失したりするものをいいます。

吉村泰典先生
吉村泰典先生
産婦人科

【注意事項】

本記事は子育て中のママ・パパ、月経に悩む女性に役立つ情報の提供を目的とし、診療を目的としておりません。

本サイトでは正確かつ最新の情報を提供できるよう最善を尽くしておりますが、掲載された情報に基づく判断につきましては、ユーザーの責任のもと行うこととし、ご自身の判断により適切な医療機関やかかりつけの病院などに相談・受診してください。

本サイトのご利用により万が一何らかの損害が発生したとしても、一切責任を負いかねますのでご了承ください。

連載の目次