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【専門家監修】育休中に副業してもいい?給付の条件や副業の注意点は?

【専門家監修】育休中に副業してもいい?給付の条件や副業の注意点は?

「育休中に副業したい!」と思っているママ・パパのなかには、どうやって始めればよいのか・どんな仕事があるのかわからない方も多いのではないでしょうか?この記事では、育休中に副業を始めるメリットや方法を解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
「育休中に副業したい!」と思っているママ・パパのなかには、どうやって始めればよいのか・どんな仕事があるのかわからない方も多いのではないでしょうか?この記事では、育休中に副業を始めるメリットや方法を解説します。ぜひ参考にしてくださいね。

育休中に副業してもいいの?

まず、そもそも育休中に副業をしてもいいのか説明します。結論から言うと、育休中に副業をするのは違法ではありません。しかし、いくつか注意しておきたい点があるのでチェックしましょう。

育休中でも副業できる

本来、育休とは育児に専念するための休暇です。しかし、様々な事情があって育休中に副業を希望するママ・パパも増えてきました。例えば「少しでも家計にゆとりがほしいから、家でできる副業がしたい」「育児だけに集中するのではなく、自分のペースで社会とのつながりをもっていたい」など、その理由は様々です。

勤務先の許可が得られて、なおかつ体調や育児に大きな負担がかからないのであれば、無理のない範囲で副業をするのもよいでしょう。

育休中に副業するメリット

育休中に副業するメリットは、主に4つあります。

・自分のペースで仕事ができる

在宅で行なう副業の場合、自分のペースで作業ができるものが多いです。育児中はどうしても子どものことを優先せざるを得ず、決まった時間に決まった場所で働くのは難しいですよね。しかし、在宅で行なえる副業であれば、育児の合間に自分のペースで仕事ができます。

・収入が得られる

育児の合間に行う副業で得られる収入はそれほど多くはありませんが、「少しでも家計にゆとりを持たせたい」「将来のために貯蓄したい」のであれば、その助けになります。

・社会とのつながりをキープできる

育休中はどうしても赤ちゃんと家にいることが多くなります。副業をすることで、家族以外の人や社会とのつながりをキープできるのもメリットの1つです。

・復帰後のスキルアップに役立つ

副業を通じて新しいスキルの取得を目指すママ・パパもいます。育休中に取得したスキルが、復職後のキャリアアップにつながるケースも珍しくありません。

副業しても育児休業給付金がもらえる条件は?

副業をするにあたって、注意したいことが1つあります。それは、副業の収入額によっては育児休業給付金の額が減ったり、もらえなくなったりすることです。そこで、改めて育児休業給付金の支給条件をチェックしてみましょう。

育児休業給付金をもらえる条件

育休中は給与がもらえない代わりに「育児休業給付金」が支給されます。育児休業給付金は、出産後の一定期間、子どもを育てるために会社を休んでも生活していけるように、これまで納めた雇用保険から支給されるお金です。

副業をしても基本的に給付金は受給できますが、副業収入の金額によっては減額もしくは支給の対象外になってしまうこともあるので注意しましょう。

育児休業給付金を受け取れるのは、次の条件に当てはまる人です。

・1歳未満の子どもがいる母親または父親

・育児休業を取得後、会社に復帰する意思のある者

・雇用保険に加入していた者(※育児休業を取得する直近2年間で、11日以上働いた月が12ヶ月以上あることが必要)

これらの条件に当てはまっていたとしても、次の場合は減額もしくは支給が停止されます。

・育休中に支払われる給料の13%以上の場合

・育休中の労働は月10日(80時間)以上になる場合

以上のことから、育休中に育児休業給付金をもらいながら副業をするのであれば以下の2点が重要になります。

・副業収入も含めた1ヶ月の収入が育児休業給付金額の80%以上にならないようにする

・1ヶ月の作業日数が10日(80時間)以上にならないようにする

育休中の副業はどれくらいして大丈夫か

「育休中でも仕事はしたい。でも、副業の収入によって給付金の金額が減るのではないか」と、気になりますよね。育休中の就業の決まりを確認していきましょう。

育休中にどれだけ働いていいか

育休中で副業をしながら育児休業給付金を満額受け取るには、次の条件を満たすことが必要です。

・育休中の就労時間が、10日(80時間)以下であること

・育休中の就労が臨時的・一時的であること(平日2時間働く・毎週水曜日に働くなど、労働日時が決められている場合は、恒常的・定期的な就労とみなされるため育児休業給付金が支給されません。)

・育休中の賃金額が、育児休業給付金の13%以下であること

育児休業給付金は休業中の収入減を補うためのものなので、これらの条件を満たさない場合、減額または支給停止となります。

育児休業給付金が「減額」・「支給停止」になる条件

育児休業給付金が減額・支給停止になる条件は次のとおりです。

~減額になる条件~

・育休中の賃金が休業中に支払われる給与額(月額)の13%超80%未満であること

この場合、育休中に支払われる給与額の80%相当額と賃金の差額が支給されます。

具体的には、育休前の給与が30万円で、育休中に勤務先から6万円の給与が支払われている場合、賃金月額30万円×80%-6万円=18万円が支給されます。

副業を行う場合、育児休業給付金と副業収入の合計が育休前の月給の80%を超えると、超えた分の金額が減額されます。

~支給停止になる条件~

・1ヶ月の就業日数が10日を超えて、かつ就業している時間が80時間を超える

・育休中の賃金が休業中に支払われる給与額(月額)の80%超である

例えば、1ヶ月に11日、88時間働いて勤務先から月に24万円の給与が支払われている場合、育児休業給付金は支給されません。

育休中に副業する時の注意点

育休中に副業する場合、いくつか注意しなければならないことがあるのでチェックしておきましょう。

減額や支給停止になるケースがある

育休中の副業で次の条件を満たすと、育児休業給付金が減額もしくは支給停止になってしまうので注意しましょう。

・賃金と育児休業給付金を合わせた金額が、作業開始時賃金日額×支給日数の80%以下(80%を超えていない場合は、段階的に減額される場合がある)

たとえば作業開始時賃金日額が1日1万円だった場合、育児休業給付率が67%であれば3万9,000円、50%であれば9万円まで副業で収入を得ることができます。

ただし、育児休業給付は非課税である一方、副業収入には税金が課される点は注意しましょう。副業収入の金額によっては納税額が大きくなり、最終的な手取りが減ってしまうおそれがあります。

勤務先がそもそも副業禁止である

副業をする場合は、勤務先が副業を許可しているかを必ず確認しましょう。「どうせバレない」「バレなければいい」とこっそりやることはタブーです。

副業はこっそりやったとしても、住民税の金額でやっていることが判明できます。基本的に毎月給与収入を得ている人の税金は給与から天引きされており、住民税は給与と副業収入の合計額で算出されます。

市町村から企業に通知される住民税額が、企業が支払った給与に対してやけに高かったりすると「副業をしているのでは?」と疑いをもたれるおそれがあるので、絶対に隠れて副業をすることはやめましょう。

働き方によっては社会保険料免除の対象外に

育休中は健康保険や厚生年金といった「社会保険料」の支払いが免除されます。副業をしたとしても、勤務先が育休中であると認めた場合は社会保険料の免除が適用されるので、副業をする際は必ず勤め先に相談してから始めるようにしましょう。

ただし、働き方によっては社会保険料免除の対象外となるおそれもあります。詳しくは勤務先の担当部署に確認しましょう。

育休中に副業するならどんな仕事?

育休中におすすめの副業をご紹介します。自分に合った働き方で、無理なく収入を増やしましょう。

クラウドソーシング

育休中に在宅で副業をしたいのであれば、クラウドソーシングを利用するというのも1つの手です。クラウドソーシングとは企業の外注を個人で請け負う働き方ができるサービスで、ライティングやWebデザイン、プログラミングなど様々な仕事を受注できます。

特に初心者に人気があるのが、企業や個人から依頼を受けて文章を執筆する「ライティング」の仕事です。ライティングといっても報酬額やジャンルは様々で、短時間で数万円の収入が得られることもある一方で、書いても書いても収入が増えない案件も珍しくなく、得られる収入額には個人差があります。

クラウドソーシングのお仕事は、自宅で手の空いた時間に作業ができる点はとても魅力的ですが

・締め切りをきちんと守る

・報連相を欠かさず行う

・自分自身でスケジュール管理を行なう

ことが、コンスタントに収入を得るためには必要です。

育児中は、どうしても赤ちゃんのことが優先になるので、ある程度落ち着いてからチャレンジしてみるとよいかもしれませんね。

アンケートモニター

在宅でできる副業には、アンケートモニターの仕事もあります。アンケートモニターとは、アンケートサイトに登録して、企業からのアンケートに答えるお仕事です。スマートフォンから回答できるアンケートも多いので、育児の合間にサクッとできる副業を探している人に向いています。

ただし、アンケートモニターで得られる収入は決して多くありません。そもそも、貯めたポイントは商品や他のポイント、オンラインギフトカードなどと交換しかできないサイトもあります。

アンケートモニターで収入を得るには、

・送られてきたアンケートにはすべて答える

・根気強く、長く続ける

ことが重要です。

ハンドメイド商品などのネット販売

ハンドメイドが得意な人であれば、育休中に作った自分の作品をインターネットで販売するという副業もよいでしょう。ハンドメイドの商品を扱うサイトでは、洋服や服飾雑貨、アクセサリーなど様々な商品が売られています。制作に手間はかかりますが、趣味が仕事につながる・自分が思う適正価格で販売できるのが魅力です。

一方で、商品が作れなければ販売できないため、育児から手が離せない・自分の時間が持てない人の場合、いつまで経っても商品が作れず、販売が始められないということもあるでしょう。

育休中に副業で20万円を超えたら確定申告を

副業を行う場合は、確定申告の要・不要も確認しておきましょう。

クラウドソーシングやハンドメイド商品の販売などの副業は、必要な道具や機材の費用を「経費」として収入から差し引くことができます。収入から経費を差し引いた金額が「所得」です。この所得金額が20万円以下であれば、原則確定申告をする必要はありません。

具体的には、育休中にクラウドソーシングで副業を行って、19万円の所得を得た場合、確定申告は不要です。20万円以上の所得を得た場合は、確定申告をしなければなりません。

確定申告には青色申告と白色申告があります。おすすめは「青色申告」です。白色申告に比べて少し複雑な帳簿の付け方をしなければなりませんが、特別控除が受けられるなどメリットがたくさんあります。

確定申告が必要になるようであれば、会計ソフトなどの導入も検討しましょう。

育休中の副業はルールを守って計画的に!

育休中であっても、勤務先の許可がある場合は副業をして構いません。しかし、副業収入の額によっては育児休業給付金が減額・支給停止になることがあるので注意しましょう。

育休中は収入が減って不安な気持ちもあるかもしれませんが、まずは育児と自分の体調を優先しましょう。余裕がでてきて、「副業をしてみようかな」と思ったときにこの記事が役立てば幸いです。

  • 育休中でも副業は可能。行う場合は勤務先に許可を得てから
  • 育児休業給付金が減額・支給停止になる可能性もある
  • クラウドソーシングなど家でできる副業もたくさんある
  • 副業収入が20万円を超えたら確定申告を忘れずに

写真提供:ゲッティイメージズ

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