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【医師監修】妊婦が飛行機に乗れるのはいつから?いつまで乗れる?リスクはある?

【医師監修】妊婦は飛行機に乗っても大丈夫?赤ちゃんへ影響や搭乗時の注意点を解説

妊婦は飛行機に乗れるのか、妊娠時期のいつからいつまで乗ってよいのか解説します。飛行機に乗るときの赤ちゃんへのリスクや、搭乗にあたって制限や必要書類はあるのかなど、飛行機に乗る前に知っておきたい情報を紹介します。
妊婦は飛行機に乗れるのか、妊娠時期のいつからいつまで乗ってよいのか解説します。飛行機に乗るときの赤ちゃんへのリスクや、搭乗にあたって制限や必要書類はあるのかなど、飛行機に乗る前に知っておきたい情報を紹介します。

妊婦はいつから飛行機に乗っても大丈夫?

妊婦はいつから飛行機に乗ってよいのかについて、明確な決まりは定められていません。妊娠中だからといって、飛行機に乗ることが禁止されているわけではないからです。

ただし妊娠中に飛行機に乗る場合は、自身の体調や健康状態を考慮する必要があります。妊娠初期から後期、どのタイミングであっても、飛行機に乗る前に主治医に確認するようにしましょう。

たとえば妊娠初期は、つわりの症状が出ているママも多いですよね。天気の影響で機内が揺れた際に、吐き気やだるさといった症状が悪化してしまう可能性もあります。妊娠前までは乗り物酔いの経験がなかったとしても、つわりなどの影響によって酔うことも考えられるでしょう。

そして妊娠後期になると、おなかが大きい状態で長時間座席に座ることを負担に感じるママも多くなります。

いつ飛行機に乗る場合でも、医師と相談しながら体調を考慮したうえで、飛行機に搭乗する時期を決めるとよいでしょう。

妊婦が飛行機に乗れるのはいつまで?

妊婦がいつまで飛行機に乗れるのかについて、厳密なルールは定められていません。ママや赤ちゃんの状況はそれぞれですので「この時期までなら飛行機に乗っても大丈夫」とは言い切れないのです。

ただし一般的には、体調が安定しやすいといわれる「妊娠16週頃〜27週頃まで」が飛行機の搭乗に適しているといわれています。妊娠後期に入るとおなかが大きくなってくるママが多く、長時間狭い座席に座ることを大変に感じる可能性があるからです。またおなかで血管が圧迫され、血流が悪くなって脚がむくみやすくなってしまう場合も。

「妊娠後期はつわりが終わって体調が落ち着いているから大丈夫だろう」と自己判断せず、飛行機に乗る前には主治医に確認をとるようにしましょう。

また航空会社によっては、妊娠後期の妊婦が搭乗する際は妊娠していることを申告する必要があります。その際は医師の診断書の提出を求められるケースもあります。

飛行機に乗って里帰り出産を考えている場合

飛行機に乗って実家に帰り、里帰り出産をしたいと考えるママも多いようです。妊婦が飛行機を利用して里帰りをする場合に注意したいポイントがあるので、一緒にチェックしていきましょう。

「里帰り」は妊娠37週頃までに帰ることをイメージしているママも多いかもしれませんね。しかし飛行機を利用しての里帰り出産を控えている場合、できる限り早めに帰ることが望ましいとされています。

妊娠後期は状況が変わりやすく、いつ何が起きてもおかしくない時期ともいえるでしょう。できれば妊娠32週くらいまでに里帰りするスケジュールで準備を進めるのがよいでしょう。「仕事があってどうしても難しい」という場合は、産休に入る妊娠34週を目安に里帰りの準備をするのがいいですね。

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妊婦が飛行機に乗るリスクは?

妊娠中に飛行機に乗る際のリスクが気になるママも多いようです。妊婦が飛行機に乗るリスクとして「エコノミークラス症候群」と「気圧の変化による体調不良」が挙げられます。それぞれについて詳しくお伝えします。

エコノミークラス症候群

エコノミークラス症候群は「旅行者血栓症」ともよばれています。

長時間脚を動かさないことによって血流が悪くなると、血管の中に血のかたまりができてしまう場合があります。この血のかたまりが肺の動脈に詰まってしまうと、胸に激しい痛みが走ったり、呼吸ができなくなったりする症状につながります。

妊娠していない人でも、長時間座った姿勢をとり続けるとエコノミークラス症候群になるリスクがあるといわれています。妊娠中はもともと血が固まりやすくなり、しかも大きなおなかが静脈を圧迫して血行が悪くなりやすい状態になっています。そのため脚の血流も悪くなりやすい傾向にあり、妊娠中のママはエコノミークラス症候群のリスクが高まると考えられています。

エコノミークラス症候群の予防のためには、次のようなことを心がけましょう。

  • 足首を回す
  • ふくらはぎを軽めに揉む
  • こまめに水分を補給する
  • ゆったりとした服装を選ぶ

体を動かす際はママの体と赤ちゃんに負担がかからないよう、無理のない範囲でおこなってください。

参照:エコノミークラス症候群の予防のために|厚生労働省

気圧の変化による体調不良

飛行機内の気圧が変化することによって、体調不良が起こるリスクも考えられます。

基本的に飛行機には気圧をコントロールする仕組みが備わっていますが、少なからず気圧の変化を体感する人も多いようです。妊婦の場合、気圧の変化がつわりの悪化の原因になることも考えられます。ほかにも子宮が圧迫される感覚がしたり、トイレが近くなったりする可能性もあります。

気圧の変化による体調不良の対策をご紹介しますので、準備の際の参考にしてみましょう。

  • 体を締め付けない服装にする
  • トイレに近い席を予約する
  • エチケット袋を持参する

妊娠中の飛行機の利用は赤ちゃんに影響する?

妊娠中に飛行機に乗ることで、赤ちゃんに影響があるのかは気になるポイントです。基本的には「妊娠中に飛行機に乗ることが、赤ちゃんに影響を与えることはない」といわれています。

ボディスキャナーや金属探知機の影響はないの?

飛行機に搭乗する前の「ボディスキャナー」や「金属探知機」が気になる妊娠中のママもいるかもしれません。金属探知機やボディスキャナーで照射されるのは、微弱な電波です。放射線の照射はされませんので、赤ちゃんに悪影響を与えるとは考えられていません。

それでも気になる場合には、検査員に妊娠中であることを伝えることで、別の方法で検査してもらえる可能性もあります。安心して飛行機に乗るためにも、気になった際は遠慮せずに伝えてみてくださいね。

参照:ご妊娠中のお客様の保安検査について - 国土交通省

気圧の変化による影響はないの?

「気圧の変化」が赤ちゃんに及ぼす影響を気にされる妊娠中のママも多いようです。

たしかに飛行機で空高く飛ぶと、客室内の気圧が下がることがあります。気圧が低い場所では体の中のガスが膨張し、呼吸のしづらさを感じる場合が見受けられます。しかし、飛行機に乗っているときの気圧の変化も、大きな影響を与える要因にはなりにくいようです。健康状態に問題がなければ、妊娠中であっても心配しすぎる必要はないでしょう。

ただし持病がある方や妊娠の経過で気になる点がある方、何か症状がある方などは、飛行機に乗る前に必ず主治医に相談しましょう。

一部妊婦の搭乗制限がある

航空会社によっては、妊婦に対して飛行機への搭乗制限を設けている場合もあります。搭乗制限の条件は航空会社ごとに違いがあります。直前になって慌てることがないように、飛行機を利用する前には条件をきちんとチェックしましょう。

ここでは、国内線の場合と国際線の場合にわけてご紹介します。

国内線の場合

ANA・JALでは以下の規制が定められています。

  • 出産予定日から28日~8日以内:産婦人科医による診断書の提出
  • 出産予定日から7日以内:産婦人科医による診断書の提出と医師の同伴

診断書についての条件は以下です。

搭乗日を含めた7日以内に発行されたものであること

「お客様が航空旅行をおこなわれるにあたり、健康上支障がない」という旨を医師が明記したもの

国際線の場合

国際線の妊婦に対する搭乗規制に関しては、航空会社によって大きな違いがあります。

利用したいと思っている航空会社に電話で問い合わせたり、公式サイトを見たりして情報を得ておきましょう。

妊婦が飛行機に乗るときのポイント

ここからは、妊婦が飛行機に乗るときに心がけたいポイントを3つにわけてご紹介します

母子手帳を持参する

1つめのポイントは、必ず母子手帳を持参することです。

母子手帳には妊娠の詳しい経過や、通院中の医療機関といった情報が記載されています。急な事態や想定外の出来事が起こったときには、母子手帳が大切な情報源になるはずです。飛行機に乗る際も忘れずに持っていき、すぐに取り出せる場所に入れておきましょう。あわせて保険証や緊急連絡先を記載した紙も持っておくと、さらに安心できます。

ゆったりとした服装を選ぶ

2つめのポイントは、服装です。

締め付けの少ないゆったりとした洋服を選びましょう。飛行機では長時間座席に座ることになる可能性があります。同じ姿勢をとり続けていると、血のめぐりが悪くなる原因になってしまいます。血流を妨げないような格好を意識しましょう。ワンピースのような服装であれば、おなかの締め付けの軽減にもつながります。

座席選びに注意する

最後のポイントは、座席の場所選びです。

座席の位置は、妊婦が飛行機に乗る際に特に意識したいポイントのひとつです。妊娠中の場合、飛行機に乗っている最中に気分が悪くなったり、トイレが近くなったりする可能性もゼロではありません。そうした事態に備えて、通路側の座席やトイレに近い座席を選んだりするのもよいです。

主治医に確認してから飛行機を予約しよう

妊婦が飛行機に乗る際は、事前に主治医に確認してから飛行機の予約をとるようにしましょう。「妊娠中は飛行機に乗ってはいけない」という決まりはありませんが、何よりも優先すべきはママと赤ちゃんの体調です。妊娠中は予期せぬ体調の変化があることも。「体調がいいから大丈夫だろう」と自己判断せず、医師に相談し指示に従って飛行機に乗るようにしてください。そのうえで、ご紹介したような工夫を意識しながらフライトの準備を進めましょう。

  • 妊婦は飛行機に乗る前に、主治医に確認をとる
  • 航空会社によっては搭乗制限があるため事前にルールを確認する

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写真提供:ゲッティイメージズ

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