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【助産師監修】母乳育児・正しい授乳の姿勢は?抱き方の種類とコツ

【助産師監修】母乳育児・正しい授乳の姿勢は?抱き方の種類とコツ

母乳育児中のママのなかには授乳するときの姿勢について悩んでいる人もいるかもしれません。授乳は1日に何度も行うため、「上手く授乳できない」「肩や腰が痛い」などの悩みがあると辛いですよね。この記事では、授乳姿勢や赤ちゃんの抱き方の種類やコツなども解説します。
母乳育児中のママのなかには授乳するときの姿勢について悩んでいる人もいるかもしれません。授乳は1日に何度も行うため、「上手く授乳できない」「肩や腰が痛い」などの悩みがあると辛いですよね。この記事では、授乳姿勢や赤ちゃんの抱き方の種類やコツなども解説します。

母乳育児の授乳のポイント

母乳育児で授乳するときは、赤ちゃんが母乳を飲みやすく、ママが楽な姿勢をとれることが大切です。ここでは、授乳の4つのポイントについて解説します。

ママと赤ちゃんが快適と感じる授乳姿勢を見つける

授乳は、母子ともにリラックスした姿勢で快適に授乳できると、ママの体への負担が軽減し赤ちゃんも母乳が飲みやすくなります。

授乳にはさまざまな姿勢がありますが、どの姿勢を快適と感じるかは個人差があります。そして、赤ちゃんの体格や、ママの乳頭の形などによっても、授乳しやすい姿勢は異なります。色々な方法を試してみて、自分と赤ちゃんに合った授乳姿勢を見つけましょう。

授乳するときには、ママの背筋が丸まらないように注意しましょう。

赤ちゃんを覗き込み、「しっかり飲めているかな?」と確認しているとついつい背筋が丸まり、肩に力も入りがちになります。背筋が丸まった状態が続くと、肩や腰に負担がかかりやすくなります。

悪い授乳の姿勢が原因で、腰痛や肩こりなどに悩まされることもあるため、肩の力を抜いて、背筋をまっすぐ伸ばすよう心がけましょう。

授乳の正しい姿勢については、こちらの記事に、動画で詳しく解説されています。ぜひ参考にしてくださいね。

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乳輪までしっかりくわえさせる

赤ちゃんが上手くおっぱいに吸い付けないと、授乳がスムーズにいかないことがあります。特に、授乳をはじめて間もないママの場合は、乳頭が十分に伸びないために、赤ちゃんが上手く吸い付けないこともあるのです。

授乳のときには、乳首だけではなく、乳首の根本である乳輪部分まで赤ちゃんにくわえさせるよう意識しましょう。赤ちゃんの唇や頬を優しく刺激し、口をしっかりと開けてから、乳輪をくわえさせるのもよい方法です。

赤ちゃんが上手におっぱいをのめているか心配なときは、以下のことを確認してみましょう。

  • 赤ちゃんの唇が内側に巻き込まれた状態でおっぱいを吸っていないか?
  • 赤ちゃんの顎がママのおっぱいから離れていないか?
  • 赤ちゃんがおっぱいを飲むときに「チュパチュパ」というような音がしないか?
  • 授乳しているときに乳頭に痛みはないか?

もし一つでも当てはまることがあれば、赤ちゃんが乳輪をしっかりとくわえられていないかもしれません。赤ちゃんの口の端からママの指を入れ、乳頭を一度離させて、深くくわえられるようにやり直してみましょう。

授乳時にクッションを使う

無理な姿勢で授乳すると、赤ちゃんがしっかりとおっぱいに吸い付けず、上手く母乳を飲めないことがあります。乳頭に負荷がかかって傷ができたり、乳腺炎の原因になったりすることもあるため注意が必要です。

できるだけ楽な授乳姿勢をとるために、授乳クッションなどのサポートグッズを使うのもよいでしょう。授乳クッションを使用すると、リラックスした授乳姿勢を取りやすく、ママの腕や腰にかかる負担を軽減してくれます。

授乳クッションがない場合には、折り畳んだ座布団やクッションなどを使ってみるのもよいですね。

授乳クッションについては、こちらの記事も参考にしてください。

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授乳の姿勢の種類

授乳中の赤ちゃんの抱き方には、さまざまな種類があります。ここでは5つの授乳方法と、そのコツについて解説します。

横抱き(クレードル)

産院などで最初に教わる授乳姿勢といえば、赤ちゃんを横抱きにして授乳する方法かもしれません。横抱きは、授乳中の赤ちゃんの姿勢を安定させやすい方法です。

赤ちゃんをママの胸の高さで横抱きにして、ママと赤ちゃんのおなかが向き合うような姿勢で授乳します。

横抱きで授乳するときのコツは、赤ちゃんの首だけを横向きにするのではなく、赤ちゃんの頭と体が一直線になるように抱くことです。

交差横抱き(クロスクレードル)

交差横抱きは、体が小さめな低出生体重児の赤ちゃんや、おっぱいを上手く吸えない赤ちゃんに向いている授乳方法です。

赤ちゃんを横抱きにしたら、授乳したいほうのおっぱいとは反対側の手で、赤ちゃんの後頭部と首をしっかり支えます。そして、授乳するほうの手でおっぱいを支えながら、赤ちゃんの口に乳輪を含ませるようにします。

この授乳姿勢をとるときには、クッションなどを使って赤ちゃんの体を支えると、ママの腕の負担が少なく授乳しやすいでしょう。

縦抱き

縦抱きは、赤ちゃんを縦に抱っこした状態で授乳する方法です。

まず、授乳するおっぱいと同じほうの太ももに、赤ちゃんをまたがせるように抱っこします。このとき、赤ちゃんの股関節の角度に注意しましょう。足を無理に開いたり伸ばしたりすると、赤ちゃんの股関節が脱臼してしまう恐れがあります。

赤ちゃんの姿勢を整えたら、授乳するおっぱいと反対側の手で、赤ちゃんの首と背中をしっかりと支えておきましょう。

そして、授乳するほうの手で、おっぱいを下から持ち上げるように支えて、胸を張るように意識しながら授乳します。

この授乳姿勢のコツは、赤ちゃんのおなかをしっかりとママのほうに引き寄せて、赤ちゃんのあごを自然な上向きにすることです。

赤ちゃんが軽く上を向いた状態で、下顎が乳輪の一番下の部分と重なるように調整して、上唇で乳輪を上から覆うようにくわえさせると、赤ちゃんがしっかりとおっぱいに吸い付けます。

首や腰がすわっていない赤ちゃんは、縦抱きにすると姿勢が不安定になりやすいため、しっかりと体を支えてあげましょう。

縦抱きの詳しい方法については、こちらの動画でわかりやすく解説しています。

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添い乳・添え乳

ママが横になったまま授乳する方法は、「添い乳」や「添え乳」と呼ばれています。帝王切開後などに起き上がって授乳するのが難しいときや、夜間授乳するときなどにとることが多い姿勢です。

この授乳姿勢のコツは、ママのおなかと赤ちゃんのおなかを合わせて、ママが胸を突き出すような姿勢で授乳することです。ママの頭や背中を枕で支えたり、ひざの間にクッションを挟んだりすると、楽な姿勢で添い乳ができます。

添い乳をするときには、赤ちゃんの呼吸に注意が必要です。添い乳をしながらママが寝てしまうと危険なため、授乳が終わったら赤ちゃんをおっぱいから離して、仰向けに寝かせるようにしましょう。

また、授乳後にげっぷをせずに寝かせると、母乳を吐き戻すことがあります。嘔吐も窒息の原因になるため気を付けましょう。

添い乳をするのは、ママが眠かったり疲れていたりして、授乳するのが大変なときが多いかもしれません。アラームをセットしておいたり、家族に声をかけておいたりして、寝落ちしないような対策をとると安心です。

添い乳の方法については、こちらの動画で詳しく解説しています。

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レイドバック

レイドバックとは、ママがソファなどに頭までもたれかかり、赤ちゃんをおなかにのせて縦抱きで授乳する方法です。

体全体でもたれかかれるクッションや座椅子などを使用することで、ママの背中や腰にかかる負担を少なくできます。この授乳姿勢のコツは、おっぱいをあげるときに、赤ちゃんの首が横を向いてしまわないようにすることです。

レイドバック法は、フィットする角度が人によって違います。少しづつ角度を変えて、丁度いい体勢を見つけましょう。赤ちゃんによってはこの体勢が好きではないこともあります。様子を見て、赤ちゃんが好む体勢を探しましょう。

授乳中、赤ちゃんがむせるのはなぜ?

赤ちゃんが授乳中にむせて、心配になった経験があるママもいるのではないでしょうか。赤ちゃんは、大人に比べて咽頭(いんとう)が小さく、飲み込む力も弱いため、授乳のときにむせこむことがあります。咽頭とは、鼻の奥から食道の入口あたりまでの部分のことで、空気や飲食したものの通り道です。

ママの母乳がたくさん出ている場合などにも、赤ちゃんが母乳を飲み込みきれず、むせてしまうことがあります。母乳が出過ぎて赤ちゃんがむせているときは、レイドバックで授乳してみましょう。

赤ちゃんの体をママのほうへ傾けて、うつ伏せに近い姿勢で授乳すると、飲み込みきれない母乳が口の隙間からこぼれて、赤ちゃんがむせにくい状態になります。

また、授乳のときにむせるような姿勢を取らないことも大切です。赤ちゃんの顎が上がり過ぎていると、母乳が空気の通り道である気管に入り、むせやすくなるため注意しましょう。

脇抱き(フットボール抱き)

脇抱きは、帝王切開後で傷の痛みがある場合でも、授乳しやすい姿勢です。

まず、赤ちゃんを授乳するおっぱいのほうの脇に抱えて、赤ちゃんの頭と首をしっかりと手で支えます。赤ちゃんがママの体に密着するように、脇を軽くしめましょう。

そして、反対側の手でおっぱいを支えながら授乳します。授乳クッションなどを使って、赤ちゃんの体を支えると授乳しやすいでしょう。

いつも同じ抱き方で授乳していると、乳頭の一部分にだけ圧がかかって、傷や水ぶくれができるなど、おっぱいのトラブルにつながることがあります。

「いつも同じ姿勢で授乳している」というママは、時々別の姿勢で授乳してみるのもよいでしょう。

よくない授乳姿勢とは?

授乳の姿勢は、赤ちゃんとママがリラックスでき、母乳をしっかりと飲める姿勢であることが大切です。「今の授乳姿勢で大丈夫かな」と不安になったら、以下のことをチェックしてみましょう。

赤ちゃんの首がねじれた状態になる

赤ちゃんの顔と体が違う方向を向いていて、首がねじれたような状態になっているのは、よくない授乳姿勢です。

赤ちゃんの顔だけをママのおっぱいのほうに向けるのではなく、赤ちゃんの頭からお尻までが一直線になるよう、授乳姿勢を整えましょう。

赤ちゃんとママの体に距離がある

赤ちゃんとママの体の間に距離があると、赤ちゃんがおっぱいを深くくわえられず、上手く母乳を飲めないことがあります。ママの乳首を痛める原因にもなるため、赤ちゃんとママの体をしっかりと密着させるような姿勢をとりましょう。

赤ちゃんへの上手なおっぱいの与え方については、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

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ママと赤ちゃんにとって快適な授乳の姿勢を見つけよう

授乳はママと赤ちゃんにとって、とても大切な時間です。

できるだけリラックスした状態で授乳できるよう、色々な方法を試しながら、快適な授乳姿勢を見つけましょう。

授乳のことで悩んだときには、病院の母乳外来や助産院、親子広場など助産師のいるところでも、実際にあって相談できるのでお勧めです。ママと赤ちゃんにあった授乳姿勢や、授乳のコツなどを教えてもらえます。

自治体の新生児訪問や乳児健診などで相談してみるのもよいでしょう。

  • 快適な授乳姿勢には個人差があるため、色々な抱き方を試してみるとよい
  • 抱き方に関わらず、赤ちゃんの体はまっすぐにして、ママの体と密着させる
  • 特に添い乳をするときには、赤ちゃんが窒息しないように注意する
  • 快適な授乳姿勢を整えるために、授乳クッションや枕などを活用するとよい

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