【症状】首の筋肉のしこりのせいで同じほうを向く
首の筋肉にしこりができて、いつも同じ方向を向いている状態です。しこりができる時期は、生後間もなくです。耳の後ろから鎖骨に向かって走っている胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとっきん)の一部がかたくなり、だんだんと大きくなっていきます。しこりのために筋肉が引っ張られるので、いつも、しこりがないほうばかりを向くようになるという特徴があります。
筋性斜頸のしこりは、片側だけにできるのが一般的です。難産など出産時のトラブルが原因とされます。
【治療】ほとんどは1歳ごろまでに自然に消える
ねんねの時期の赤ちゃんは、筋性斜頸でなくても向きぐせがあることはふつうです。ただし、首にしこりがある場合は筋性斜頸を疑い、受診しましょう。
その後は、経過を見ながら、首のしこりが消えるのを待ちます。ほとんどは徐々に小さくなっていき、1歳ごろまでには自然に消えるでしょう。しこりをほぐすためにマッサージをするのはよくありません。自然に消えるのを待ちましょう。なお、1歳半を過ぎてもしこりが残っている場合は、手術が必要となります。
向きぐせはそのままでは直らないので、いつもと反対の方向にも顔を向けるように働きかけてあげてください。向きにくい側から呼びかけたり、おもちゃなどを使って反対側を向くように促すなどするといいでしょう。背中に丸めたタオルなどを入れて、反対側を向くように促すのもひとつの方法です。

耳の後ろから鎖骨に向かって走っている筋肉にしこりができ、首がいつもしこりのある側に傾きます。首を手で触ると、しこりが確認できます。/ イラスト:浅羽ピピ
写真提供:ゲッティイメージズ
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