トモニテ
お産に際しての処置

お産に際しての処置

 妊娠中は健康に過ごしていても、出産の直前や出産の最中に異常が生じて、母体と赤ちゃんのために何らかの医療処置が必要になることがあります。また、妊娠中から予測される危険を避けるために、必要な治療を受けることもあります。いずれも、母子ともに安全な出産ができるためです。

必要に応じて行われる処置

施設によっては、出産を安全にスムーズにするために行うものです。

浣腸

 直腸に便がたまっていると産道が圧迫され、赤ちゃんの頭が下りてきにくくなります。浣腸すると陣痛が強くなり、お産が進むという効果もあります。

 また、直腸に便がたまっていると、赤ちゃんといっしょに便が出てくることも。便が赤ちゃんやママの陰部にくっつくと、細菌感染をすることもあるため、それを防ぐ意味もあります。

剃毛

 陰毛や毛根についた細菌が、会陰切開の縫合部から入ってママに感染しないように、陰毛が多い場合は会陰部の肛門寄りの陰毛を半分くらい剃ります。

導尿

 膀胱に尿がたまっていると、陣痛が弱くなったり、赤ちゃんが下がりにくくなったりすることが。自然排尿できない時、導尿カテーテルを使います。

点滴

 陣痛により、十分な量の水分を補給できていないママに、水分と栄養を補給するために行います。

赤ちゃんが出てこないときに行う処置

子宮口が全開しても赤ちゃんがなかなか出てこない場合に行います。

会陰切開

 赤ちゃんの頭やからだが大きいことで強い力がかかり、放っておくと自然に大きく裂けてしまうことがある時、切開して会陰を保護します。

 出口のところで赤ちゃんにストレスがかかっている時や、赤ちゃんの心拍数が低下している時、会陰ののびが不良な時には麻酔のうえ、切開することがあります。縫合の際には、麻酔をするので心配ありません(会陰切開しないで自然に大きく切れた場合は回復に時間がかかってしまうことがあります)。

鉗子出産

 赤ちゃんをすぐに出したほうがよい時や、陣痛が弱い時などは鉗子で赤ちゃんの頭をはさみ、子宮収縮発作に合わせて赤ちゃんを子宮の外に誘導します。

吸引出産

 鉗子出産と同じ理由で行われます。金属製またはシリコン製の直径5cmくらいの椀型のカップを赤ちゃんの頭にあて、子宮収縮発作に合わせて誘導します。

写真提供:ゲッティイメージズ

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