【専門家監修】医療費控除で出産費用の負担が軽くなる? | MAMADAYS(ママデイズ)
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【専門家監修】医療費控除で出産費用の負担が軽くなる?

【専門家監修】医療費控除で出産費用の負担が軽くなる?

出産費用は、平均すると約51万円くらいかかります。そして子どもを育てるには、もっとお金がかかります。
そのため出産費用の負担を少しでも減らす工夫が必要になります。
今回は負担軽減の工夫の1つになる、税金の額を減らす効果が生まれる医療費控除について紹介します。
出産費用は、平均すると約51万円くらいかかります。そして子どもを育てるには、もっとお金がかかります。
そのため出産費用の負担を少しでも減らす工夫が必要になります。
今回は負担軽減の工夫の1つになる、税金の額を減らす効果が生まれる医療費控除について紹介します。

医療費控除とは税金を安くする制度

出産費用の医療費控除を理解するには、「出産費用」と「医療費」と「控除」の3つの知識が必要になります。
こちらでは、出産費用、控除、医療費の順番に説明して、そのあと、「出産費用の医療費控除」について解説します。

出産費用とは

分娩料、入院料、検査・薬剤料、処置料などを含むお金を、出産費用といいます。
出産は病院、診療所または助産所で行うと思いますが、それらの施設に支払うお金が出産費用です。
公益社団法人国民健康保険中央会によると、2016年度の出産費用の全国平均は約51万円です。

控除とは

控除とは、一定の金額を差し引くことです。差し引くことによって税金を安くすることができる方法です。
税金のしくみはまず、原則を決めます。多くの人は原則ルールにしたがって税金を支払います。
しかし、さまざまな事情から、原則ルールで決めた税金額では不平等、不公正になることがあります。
そこで、事情がある人にだけ控除という仕組みを適用して税金の額を減らして税の公正性を維持します。

控除は「差し引く」という意味でしたね。たとえば所得税の額は「課税対象になる所得」に「税率」をかけて算出します。
そこで、課税対象になる所得から一定額を差し引いて、所得税を安くします。この「課税対象になる所得から一定額を差し引く」方法を、所得控除といいます。

医療費とは(ルールが複雑、注意を)

医療費とは、病院や診療所などで診療をしてもらったときに支払うお金のことです。
健康保険などの公的医療保険を使うと、患者さんの自己負担は3割(1割、2割あり)ですみます。では残りの7割は誰が負担しているのかというと、公的医療保険制度です。
たとえば病院が、患者さんに1万円分の医療費をかけて診療を提供したとすると、患者さんの自己負担は3千円、公的医療保険の負担は7千円になります。
このとき「普通の医療費」は、1万円のことを指しますが、「出産費用の医療費控除で使われる医療費」は、意味が違ってくるので注意してください。

医療費控除で使う医療費は「実際に支払ったお金」になります。つまり、公的医療保険を使って受診したら3割負担になるので、ここでは3割負担の金額が「医療費」となります。
そして出産費用は原則、公的医療保険が使えないので、10割が(つまり、妊婦さんが病院などに支払う出産費用の全額が)「医療費」になります。

出産費用の医療費控除とは

医療費控除は、次のように計算していきます。

© 2015 every, Inc.

No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)』(国税庁)を元に作成

税金の額は、課税対象になる所得に税率を掛けて算出するので「(A-B-C)×税率」分だけ、本来の税金の額より安くなります。
そして、医療費控除には上限があり、その額は200万円です。つまり「A-B-C」が200万円を超えると、医療費控除の額(差し引く額)は200万円になります。

出産費用のうち、次の費用は医療費控除の「医療費」になります。

  • 分娩費、入院費
  • 妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用
  • 妊娠と診断されてからの通院費用
  • 出産で入院する際に、電車、バスなどの通常の交通手段によることが困難なため、タクシーを利用した場合のタクシー代
  • 病院に対して支払う入院中の食事代

次の費用は医療費控除の「医療費」になりません。

  • 実家で出産するために実家に帰省する交通費
  • 入院に際し、寝巻きや洗面具など身の回り品を購入した費用
  • 入院に際し、ほかから出前を取ったり外食したりしたときの費用

出産費用の医療費控除の計算方法

出産費用の医療費控除の計算方法を整理して解説します。一部重複している箇所もあります。

計算式は次のとおりです。

© 2015 every, Inc.

※1:出産費用を含む支払った医療費の合計

出産費用を含む支払った医療費の合計を算出するときに、その他の病気の診療で支払った医療費(自己負担分のみ)も加算してください。『出産費用を含む支払った医療費の合計』の額が多くなるほど、税金が安くなります。

また、『その他の病気の診療で支払った医療費』は、納税者本人だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族の医療費も対象になります。

※2:生命保険などの給付金

生命保険の給付金以外にも、健康保険などで支給される高額療養費、家族療養費、出産育児一時金も対象になります。この金額が増えると、減税効果が薄まってしまいます。

出産育児一時金については、以下の記事で解説しています。

お金のことは気になるけど、給付金や助成金などの制度は難しくてよく分からない…。
知らないと損する「届け出だけでもらえるお金」を分かりやすく解説。
今回は「出産育児一時金」についてご紹介します。

※3:10万円

この計算式で10万円が差し引かれているのは、税金のルールです。
所得の合計額が200万円未満の人は、『所得の合計額の5%』が適用されます。
したがって『支払った出産費用の合計-生命保険などの給付金』の額が10万円以下になると、医療費控除の額が0円またはマイナスになるので、医療費控除は利用できません(減税効果は生まれません)。

医療費控除を使うには確定申告が必要

医療費控除を使って減税効果を得るには、納税者自身が、確定申告という手続きを税務署で行なわなければなりません。
医療費控除の手続きは、翌年の2月中旬から3月中旬となります。たとえば、2020年中に出産費用を支払ったら、2021年の2月中旬から3月中旬までに手続きをします。
『確定申告書』と『医療費控除の明細書』に必要事項を記入して、税務署に提出します。
医療費の領収書は、自分で5年間保存しておく必要がありますが、税務署に提出する必要はありません。

医療費控除で家計を助ける

『確定申告は大変』と感じて、出産費用の医療費控除の利用を断念しないようにしてください。妊娠も出産も子育ても、お金がかかります。医療費控除は家計の助けになります。
そして、医療費控除だけなら、確定申告はとても簡単なので上手く活用しましょう。
もし不安なところがある場合は、お近くの税務署で相談してみてもいいかもしれません。

写真提供:ゲッティイメージズ

※当ページクレジット情報のない写真該当

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