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【医師監修】排卵日付近に下痢をしてしまう。原因は?

【医師監修】排卵日付近に下痢をしてしまう。原因は?

毎月訪れる排卵日。排卵日には、排卵痛や性器からの出血などいくつかの症状が見られる場合があります。また、下痢になりやすいという場合もあります。
排卵日あたりに下痢になりやすいのはなぜでしょうか?原因や対処法などについて見てみましょう。
毎月訪れる排卵日。排卵日には、排卵痛や性器からの出血などいくつかの症状が見られる場合があります。また、下痢になりやすいという場合もあります。
排卵日あたりに下痢になりやすいのはなぜでしょうか?原因や対処法などについて見てみましょう。

排卵日の女性の体。下痢などの不調との関係は?

月経(生理)と次回の月経の間あたりの時期に下痢になるのは、もしかしたら排卵日前後の可能性があります。

排卵日とは

排卵日は排卵が起こる日のことをいいます。排卵は、卵巣内のある程度の大きさに育った卵胞(卵子の入った袋)が破裂し、中の卵子が卵管に向けて飛び出す現象です。

正常な月経周期であれば、前回月経が始まった日からおよそ2週間後が排卵日になります。この排卵日前後は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)、2つの女性ホルモンが大きく変化します。このホルモンの変動が、女性の体を支配しており、さまざまな症状に関係してくるのです。

卵日前後に下痢になるのはなぜ?

月経周期の中で最もホルモンの変動が激しい時期が、排卵日前後の時期です。
このホルモンの変動が、排卵日前後の不調の一因と考えられます。

特にエストロゲンは自律神経に影響を与えるといわれていて、吐き気や下痢、便秘といった症状が出やすくなります。この影響の程度は個人差が大きいため、症状の出方や種類は人それぞれです。そのため辛さを共有しにくく、ひとりで悩まれている方も少なくないでしょう。

排卵日近辺の下痢、対処法は?

排卵日あたりの下痢は時期を予測できます。どんな対処法があるかを知っておくと安心ですね。

自分でできる対処法をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

安静にする

下痢は腸の働きが異常になっているため、腸を休ませてあげることが大切です。おなかや下半身を温め、できるだけゆっくり過ごしましょう。

食事は消化によいものを取る

消化によい食事を摂りましょう。消化によいメニューの一例を紹介します。

  • おかゆ、雑炊
  • 煮込みうどん
  • 煮魚、焼き魚
  • シチュー、ロールキャベツ
  • 湯豆腐、納豆
  • 味噌汁
  • 野菜の煮物 など

胃腸への刺激が強い食事を避ける

濃い味付けの食べ物やアルコール、香辛料などの刺激物はできるだけ避けましょう。また、熱過ぎるものや冷たいものは避け、人肌程度の温かい食べ物を取ることがおすすめです。

水分をしっかり取る

下痢が続くと体内の水分や電解質が失われます。それにより脱水症状を引き起こすことがありますので、経口補水液やスポーツドリンクを飲み、失われた水分や電解質を補いましょう。冷た過ぎる飲み物ではなく、常温程度の飲み物を飲むようにしましょう。

排卵日周辺の下痢、薬を飲んでもいい?

下痢がひどい場合や何日も続く場合は、病院やクリニックを受診し、医師の診察を受けることが大切です。処方を受けたら薬を内服し、安静にするようにしましょう。
市販の下痢止め薬を自己判断で飲む前に、医師や薬剤師に相談できると安心できますね。

こんな下痢に注意

排卵日周辺に起こる下痢の原因がすべて、ホルモンの変動による影響というわけではありません。食中毒やほかの病気という可能性もあります。

下痢とともに下記のような症状がある場合は、速やかに病院を受診しましょう。

  • 激しい腹痛をともなう
  • 吐き気・嘔吐をともなう
  • 食事や水分が摂れない
  • 発熱している
  • 便に血液が混じっている
  • 便が白い液状になっている

_______

排卵日周辺はホルモンの変動により下痢や便秘などが起きやすい状態です。排卵の時期は予測できますので、この時期にはできるだけ予定を詰め込みすぎず、家でゆっくり過ごす時間を取れるといいですね。

自身のバイオリズムを知り、上手に付き合っていきましょう。

参考:

・医療情報科学研究所(編)、『病気がみえる vol.10 産科 第4版』、株式会社メディックメディア、2018年

・「身健康科学 2019 年 15 巻 1 号 p. 37-41 特別講演 ライフサイクルと心身の健康—女性ホルモンに着目して—」(鍵谷 方子)、2020年10月閲覧

・「調子が悪いときの食事」(国立がん研究センター がん情報サービス)、2020年10月閲覧

・「下痢~がんの治療を始めた人に、始める人に~」(国立がん研究センター がん情報サービス)、2020年10月閲覧

写真提供:ゲッティイメージズ

※当ページクレジット情報のない写真該当