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妊娠の安定期はいつからいつまで?

【医師監修】妊娠の安定期はいつからいつまで?

「安定期に入るまでは気をつけないとね」「安定期に入ったらひとまず安心ね」などよく耳にする「安定期」。いつからを安定期と呼ぶのか、安定期に入ったら何が安定するのかを知っておきましょう。
「安定期に入るまでは気をつけないとね」「安定期に入ったらひとまず安心ね」などよく耳にする「安定期」。いつからを安定期と呼ぶのか、安定期に入ったら何が安定するのかを知っておきましょう。

「安定期」とはいつから?

自然流産が多いのは妊娠3ヶ月までなので、妊娠4ヶ月以降は「安定期」と呼ばれます。また妊娠16週目(妊娠5ヶ月)頃になると胎盤が完成し、胎児がおなかの中で動く、いわゆる胎動の自覚がでるためママの安心感にも繋がります。ママのつわりもおさまってきて体調が安定してきます。妊娠4-5ヶ月頃からは「妊娠中期」と呼ばれ、いわゆる「安定期」にはいります。

「安定期」のママの体の状態

この頃のママの体の状態はどのようになっているのでしょうか。
ママの体調や体の状態には個人差がありますので、目安にしてください。

体調

胎盤が完成し、ママの体調も赤ちゃんの状態も安定してきます。妊娠初期に悩まされたつわりも、安定期に入るとおさまってくる人が多くなります。ただし、つわりには個人差があり、5ヶ月頃を過ぎても続く人もいます。

つわりがなくなると、気分もよく、食べ物がおいしく感じられて食欲が旺盛になりますが、体重の増えすぎには気をつけましょう。

ちょうどつわりで減った体重が20週ごろまでに元に戻ります。また、20週以降は赤ちゃんの成長に伴いどうしてもママの体重も増えます。もしも食べつわりなどで体重がすでに増え気味の人は、なるべく妊娠前の体重と大きく差が出ないような体重をキープできるように心がけましょう。

遅くても20-21週ごろまでには赤ちゃんの胎動を感じ始めます。
まるで赤ちゃんがあなたに話しかけてきているようですね。赤ちゃんがおなかの中にいることを今まで以上に実感できるようになります。
パートナーや家族におなかを触ってもらって一緒に胎動を感じたり、話しかけたりして、おなかの赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しみましょう。

見た目

ママの体全体に皮下脂肪がついてきて、ふっくらと丸みのある体つきになります。おなかのふくらみも少しずつ目立つようになってきますが、洋服によってはあまりわからない人もいるでしょう。

バストも大きくなってきます。普段よりも1カップ以上大きくなるママもいるので、体にあったマタニティーブラジャーを使うようにするとよいでしょう。また、バストは前へ前へと大きくなるわけではなく、乳房の下半分から脇へと大きくなります。そのため、同じカップサイズでも妊娠前とは見た目も変わってきます。乳輪も大きくなり、また色素沈着がおこるため濃い色にかわります。へそ下に縦に線がでてきたり(ホルモン変化による色素沈着のためで、出産後はまたもとに戻ります)、体毛が濃くなったりします。副乳といって乳腺の名残がホルモンの影響をうけてわきの下などに触れる方もいるかもしれません。すべて妊娠に伴う自然な変化ですので心配いりません。

この時期の過ごし方のポイント

体調がよくなってくると、気持ちや時間にも少し余裕がでてくることでしょう。出産に向けた準備を少しずつ始めておきましょう。

食事

おなかの赤ちゃんが元気に育つため、また、ママが健康でいるためにも妊娠中の食事は大切です。つわりがおさまってきたら、食べられるものを食べるだけでなく栄養バランスも意識した食事をとるようにしましょう。

妊娠中期に特に気をつけてとりたい栄養成分は、鉄と葉酸です。鉄は貧血予防に、葉酸は赤ちゃんの成長に欠かせないビタミンとして、妊娠前よりも多めにとる必要があります。

一つの食品ばかりを取り続けることの無いように、三大栄養素であるたんぱく質、糖質、脂質をさまざまな食品からバランスよくとるようにしましょう。味付けはいつもよりやや薄めを心がけるとよいです。

いずれ赤ちゃんの離乳食を作ることになります。「生まれたらこんなものを食べさせてあげたいな」と考えながらおなかの中にいる今から準備してみましょう。

運動

妊娠中に運動を始めるときは、必ず医師に相談し、許可を得た上で行うようにします。

妊娠中期からは妊婦体操やストレッチ、散歩などで体を動かし、ストレスを発散するのもおすすめです。マタニティー向けのスイミングやヨガなどの有酸素運動も適しています。ただし、過度の運動はまだNG。おなかの張りや疲れを感じたら、すぐに横になって休むようにしましょう。

妊娠中の運動や、妊婦体操についてはこちらの記事を参考にしてみてください。

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お出かけ

安定期に入ったからといって、油断は禁物です。お出かけの際は、ママと赤ちゃんの安全を第一に考え無理のないスケジュールを組むように意識しましょう。疲れたり、おなかが張ったりしたときはすぐに休むようにします。ママが楽しく、気持ちがいいと感じられる範囲でお出かけするようにするとよいでしょう。

飛行機での旅行や帰省の際には、自分が一般の妊婦より流産早産などにリスクが高いかどうか、また自分は気にしていなかったけど実は産科的なリスクが有るのかどうかをかかりつけの医師に相談するのがベストです。

旅行やお出かけ、日常から離れた場合の対処を考えて。

旅行や移動自体が問題になるというわけではありません。

妊娠中、どこにいても出血は起きうるのですが、通常の生活であればすぐに病院に行くという対処が可能です。いつもと違う状況では対処に困り、本来不必要な不安が増えてしまかもしれません。出かけた先で、出血などの症状が出た場合の対応も考えておくと安心できますね。

妊娠中期頃から自治体や病院での「両親教室」や「母親教室」が行われますが、コロナの流行のため今は開催困難となっているところも多いでしょう。パートナーに妊娠・出産について理解してもらうことで、さまざまなことを相談・サポートしてもらいやすくなります。両親教室などに行けない時は一緒にMAMADAYSを覗いたり、妊娠出産についての本などを見ることで自分で説明しにくい体調や気持ちの変化を客観的に解説したり、理解してもらいやすいことでしょう。そんなふうに話しているうちにいっしょに赤ちゃんを育てていく準備を始められると、ママもより安心できますね。

注意するべきこと

妊娠22週未満で痛みと出血のあるおなかの張り、おりものの異状を感じる場合には、切迫流産・流産の可能性があります。周期的な張りや痛みのある張り、粘り気のあるおりものや血の混じったおりものがあるなど、気になる症状がある場合には早めに受診しましょう。

_______   

安定期と呼ばれる時期でも、完全にリスクがなくなったわけではありません。ママと赤ちゃんの安全を第一に考えながら、無理のない範囲で運動やお出かけなどを楽しみましょう。

参考:

・医療情報科学研究所(編)、『病気がみえる vol.10 産科 第4版』、株式会社メディックメディア、2018年

・武谷雄二・上妻志郎・藤井知行・大須賀穰(監修)、「第3版プリンシプル産科婦人科学②産科編」、メジカルビュー社、2017年

・「妊娠中・産後のママのための食事BOOK」(厚生労働省 平成29年度子ども・子育て支援推進調査研究事業) 

・「最新版 はじめての妊娠・出産 安心百科」(主婦と生活社)

・「妊娠・出産・子育て期の父親の役割」(厚生労働省)

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写真提供:ゲッティイメージズ

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