妊娠検査薬で着床出血は確認できる?着床出血や妊娠検査薬の仕組みとは
いつもとは違う出血があった場合、不安を感じる人が多いのではないでしょうか。妊娠検査薬を使用するか悩む人もいるでしょう。生理以外の出血には、妊娠超初期症状の1つである「着床出血」や、さまざまな要因で起こる「不正出血」があります。今回は、着床出血の症状や妊娠検査薬の仕組み、フライング検査について解説していきます。
いつもとは違う出血があった場合、不安を感じる人が多いのではないでしょうか。妊娠検査薬を使用するか悩む人もいるでしょう。生理以外の出血には、妊娠超初期症状の1つである「着床出血」や、さまざまな要因で起こる「不正出血」があります。今回は、着床出血の症状や妊娠検査薬の仕組み、フライング検査について解説していきます。
着床出血とは?
着床出血とは、受精卵が着床する際に起こる出血のことです。着床の際に子宮内膜の血管を傷つけてしまうために、少量の出血が起こるとされています。
着床出血は妊娠超初期症状の1つですが、妊娠したからといって必ずみられる症状ではありません。
出血のタイミングが生理予定日と重なることもあるため、生理と勘違いする人も多く、見分けることが難しいといわれています。
着床出血が起こるタイミングとは?
着床出血が起こるタイミングは、生理予定日とほぼ同じといわれています。
着床出血が見られる日は、具体的に次のように予想できます。
まず、妊娠した場合は最後の生理が始まった日(最終月経日)を「妊娠0週0日」と数えます。すると、排卵は「妊娠2週頃」、着床は「妊娠3週頃」となります。
着床出血は、着床から少し遅れたタイミングで見られるため「妊娠4週頃」に起こります。
このため、生理予定日とタイミングが重なりやすく、生理と勘違いする人が多いのです。
着床出血のほかに見られる妊娠超初期症状とは?
着床出血のほかに見られる妊娠超初期症状の例は次のとおりです。
着床出血のほかに見られる妊娠超初期症状
おりものの量が増えた
おりものの色がいつもと違う
体が熱っぽい(基礎体温の高温期が続いている)
食欲の変化がある(食欲がない・異様にお腹が減る)
匂いが気になる
下腹部痛
腹痛など、下腹部に違和感がある
便秘になる
眠気がある
めまいなやふらつきがある
胸が張る
乳首に違和感がある
気分にムラがある(いらだつ、落ち込むなど)
ほかにも体調や気分など、普段とは異なる点に気づくかもしれません。つわりのような症状が早くから出る人もいるでしょう。
妊娠超初期には生理時の症状と似ているものもあります。さまざまな症状や変化をヒントに、妊娠の可能性を考えてみましょう。
「着床出血」「生理」「不正出血」を見分ける3つのポイント
出血には「着床出血」のほかに、「生理」と「不正出血」があり、特徴がそれぞれ異なります。今回は①出血の色の違い、②出血量の違い、③腹痛の違いの3点に絞って、出血の傾向を解説します。ただし、自力で見分けるのは難しいので「いつもと様子が違うな」と思ったら、早めに病院を受診してください。
血の色の違い
1つ目のポイントは「血の色の違い」です。自分の出血がどのような色なのか確認してみましょう。
出血の種類ごとの血の色の違い
着床出血
生理
不正出血
出血量と期間の違い
2つ目のポイントは「出血の量と期間の違い」です。
出血の種類ごとの量と期間の違い
着床出血
生理
不正出血
腹痛の違い
3つ目のポイントは「腹痛の違い」です。
出血の種類ごとの腹痛の違い
着床出血
生理
不正出血
ここまで着床出血・生理・不正出血の見分け方を紹介しましたが、人によって症状や出血のしかたが違うので、上記にはない症状が現れることもあります。
また、不正出血の場合は子宮筋腫や悪性腫瘍などの病気の可能性もあるので注意が必要です。
自分で判断しようとせず、少しでも違和感を覚えたら病院で検査を受けましょう。
妊娠検査薬って何?
妊娠の可能性を確認する方法の1つに、妊娠検査薬があります。
妊娠検査薬は、指定箇所に尿をかけることで妊娠の可能性を判定するものです。手軽に使え、身近にあるドラッグストアやインターネットで500~2,000円前後で購入できます。
妊娠検査薬の精度や正しい使い方、使用時期もチェックしてみましょう。
妊娠検査薬は着床出血か見分ける際におすすめ
妊娠検査薬は、出血が着床によるものかを判断するために役立ちます。妊娠検査薬の場合は尿の中に含まれているhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)の濃度で判定するため、出血していても妊娠の有無を検査できます。
hCGは、着床時から分泌され始め、分泌量は次第に増えていきます。生理予定日から1週間ほど経過すると、hCGは妊娠検査薬で陽性反応を得るのに十分な量まで増えます。
このタイミングで妊娠検査薬を使用することで、精度高く妊娠の有無を判定できるでしょう。
妊娠検査薬の精度
正しく使用した場合の妊娠検査薬の精度は、99%以上といわれています。
ただし、妊娠検査薬で陽性判定が出たからといって、正常に妊娠しているかまではわかりません。子宮外妊娠など、正常妊娠でない場合でも、妊娠検査薬では陽性判定が出る場合があることを覚えておきましょう。
また、早く結果を知りたいからと早期に検査しても、正しい判定が出ないことがあります。妊娠検査薬の精度が99%以上というのは「正しい時期に」「正しい方法で」使用した場合に限られるのです。
妊娠検査薬の正しい使用時期
妊娠検査薬の正しい使用時期は、生理予定日から1週間後以降といわれています。
これは、生理予定日から1週間経過した頃に、尿中のhCGが検査薬で陽性反応を示すのに十分必要な量分泌されるようになるためです。
検査のタイミングが早すぎると、hCGの分泌量が足りず反応しません。また、多すぎても正確に判定できないことがあります。
hCGの分泌量は妊娠10週目以降にピークに達するといわれています。正しい結果を知るには、適切な使用時期を把握し、正しい検査を行うことが大切でしょう。
妊娠検査薬を選ぶ際のポイント2つ
出血があると「着床出血かも!妊娠しているか早く確認したい!」と考える人もいるでしょう。そんなときは、①早い時期から検査ができるものを選ぶ、②自分に合った使いやすいものを選ぶ、という2つのポイントを意識してみましょう。早期に検査したい場合には、早期妊娠検査薬を選ぶ必要があることに注意が必要です。
①結果を早く知りたいなら早い時期から検査できるものを選ぶ
1つ目のポイントは「早い時期から検査できるものを選ぶ」です。「結果を早く知りたい」という人には、妊娠超初期から検査できる早期妊娠検査薬がおすすめですよ。
早期妊娠検査薬は尿中に含まれるhCGの感度が高く、生理開始予定日から検査できます。ここでは早期妊娠検査薬を1つ紹介します。
【CHECK ONE FAST(チェックワンファスト)】
- hCGが25mlU/mL以上で反応する(通常の妊娠検査薬は50lU/Lで反応)
- 正確性は99%以上
- 判定時間は1分
- 検査過程が見え、結果もわかりやすい
- 初めてでも簡単で使いやすい形状
- 使用方法の動画あり(チェックワン ファスト 検査のしかた)
ただし、判定の正確性は通常の妊娠検査薬のほうが高いといわれています。「1日でも早く結果を知りたい!」という場合に、あくまで参考として使用するようにしましょう。
②自分に合った使いやすいものを選ぶ
2つ目のポイントは「自分に合った使いやすいものを選ぶ」です。
人によって重要視する点は異なるものです。妊娠検査薬の使いやすさの具体例には次のようなものが挙げられます。
- 近くで売っているなど、購入しやすいものか
- 購入しやすい価格か
- 使いやすいデザインか
- 判定結果はわかりやすいか
- 判定までに時間がかからないか
- 使い方の説明がわかりやすいか
これらのうちの何を重要視するのかによって、選ぶ製品が変わってくるでしょう。優先順を考え、自分に合った妊娠検査薬を選ぶのがおすすめです。
妊娠検査薬を使用するときの3つの注意点
使用する妊娠検査薬を選んだあとは、妊娠検査薬を使用する際の注意点もチェックしておきましょう。注意点は次の3つです。
妊娠検査薬を使用するときの注意点
フライング検査に気を付ける
蒸発線について知っておく
水分を取り過ぎないようにする
注意点を理解して使用すれば、より正しい判定結果を得られるでしょう。
①フライング検査に気を付ける
1つ目の注意点は、フライング検査に気をつけることです。
フライング検査とは、通常の妊娠検査薬で検査可能としている生理予定日1週間後以前に検査することをいいます。
検査のタイミングが早いと尿中のhCG量が基準値にまだ達しておらず、正しい結果を得られないことがあります。
結果を少しでも早く知りたいなら、早期妊娠検査薬を使用しましょう。早期妊娠検査薬なら生理予定日ごろから検査できるので、「1日でも早く妊娠しているかを確認したい!」という人は使ってみてください。
②蒸発線について知っておく
2つ目の注意点は、蒸発線について知っておくことです。
蒸発線とは、妊娠検査薬の判定時間を過ぎてしばらくたった頃に現れる薄い線のことです。これは、妊娠検査薬に染みこんだ尿の水分が蒸発し、尿中の成分濃度が上がったことで表れるものとされています。
薄い色の線が出ていても、判定時間をしばらく過ぎている場合は、陽性反応ではなく蒸発線の可能性があることを覚えておきましょう。妊娠検査薬の取扱説明書をよく読み、正しいタイミングで判定を確認することで、蒸発線と陽性反応の線を区別しやすくなりますよ。
③水分を摂りすぎないようにする
3つ目の注意点は、妊娠検査薬を使用する前は、水分を摂りすぎないようにすることです。
水分を大量摂取すると尿の量が増え、尿中のhCGの濃度が低くなる場合があります。このタイミングで検査を行うと、hCGの量が陽性の基準値を下回り、正しい判定結果が得られないことがあるのです。
検査前はいつもどおりの水分摂取を心がけ、コンディションを整えましょう。
『妊娠検査薬』についてQ&A
「人に聞くほどではないけれど気になる」「こんな時にはどうしたらよいの?」など、妊娠検査薬についての疑問がある人もいるでしょう。ここでは、妊娠検査薬についてよく聞かれる疑問を解説します。ぜひ参考にしてみてください。
妊娠検査薬以外で着床出血と生理を見分ける方法はありますか?
出血量を確認したり、基礎体温を測ったりすることで見分けやすくなります
妊娠検査薬以外で着床出血と生理を見分ける方法としては、出血量の確認や基礎体温の測定もあわせて参考にしてみましょう。一般的に、妊娠の可能性がある際に見られる着床出血の出血量は少なめです。色もピンク色や茶色、鮮やかな赤色が多いでしょう。また、基礎体温は基本的に、妊娠すると低温から高温に変わります。排卵日から2週間過ぎても生理が来ず、基礎体温の高い「高温期」が21日続いている場合は妊娠の可能性が高いといえるでしょう。
妊娠検査薬を使用したところ、薄い線で陽性反応が出ました。妊娠していますか。
妊娠の可能性はありますが、数日後に再検査するのがベターです
妊娠検査薬の陽性反応の線が薄くても、妊娠している可能性はあります。妊娠検査薬は、尿中に含まれるhCGによって妊娠の有無を判定します。正しく検査をしていれば、線が薄くてもhCGは検出されます。線の濃さはhCGの濃度に関係しているため、妊娠初期の場合は薄い線が出てしまうケースが珍しくありません。日数の経過とともにhCGの濃度は高くなっていくので、再度検査する場合は、数日から1週間程度間を空けるのがおすすめです。
妊娠検査薬は陰性だったのに生理が来ません。腹痛がありますが妊娠の可能性はありますか。
検査薬が陰性でも妊娠している可能性はあります
妊娠検査薬で陽性反応が出なくても、生理が遅れて腹痛がある場合などは、妊娠の可能性があります。妊娠検査薬は尿中に含まれるhCGを検出して判定するため、妊娠初期の場合、hCGの濃度によっては陽性反応が出ないこともあります。ほかにも、ストレスによるホルモンの変動、疾患などが原因となり、うまく判定がでないこともあります。そのため、妊娠検査薬で陽性反応が出なくても妊娠している可能性があることも想定しておきましょう。
こんなときは病院に相談しよう
出血の種類や妊娠超初期の症状、妊娠検査薬を使った判定など、妊娠している可能性があるのかを知るためのヒントは数多くあります。
ただし、自分の状況と照らし合わせることはできても、最終的に妊娠の有無を判断できるのは医師だけです。そのため、妊娠についての診断のほかにも、次のような気になる症状がある場合は、早めの病院受診がおすすめです。
- 生理痛とは違う激しい腹痛がある場合
- 生理とは違う出血が続く場合
生理痛とは違う激しい腹痛がある場合
1つ目のケースは「生理痛とは違う激しい腹痛がある場合」です。
妊娠超初期症状にも下腹部腹痛などの症状がありますが、一般的な着床痛は痛みが軽く、1~4日程度で終わるといわれています。
「日常生活を送るのに支障が出る」「痛みに波があり、痛みが激しいときもある」など、強い痛みが伴う場合は、着床痛以外に下記のような疾患の可能性も考えられます。
- 子宮体がん
- 子宮筋腫
- 子宮線筋腫
- 子宮内膜炎
- 排卵出血(中間期出血)
- ストレスなどが原因のホルモンの乱れ
子宮疾患の場合は腹痛以外の症状が見られることもあるため、受診の際には詳細をしっかりと伝えましょう。
生理とは違う出血が続く場合
2つ目のケースは「生理とは違う出血が続く場合」です。
出血の理由が妊娠超初期の着床出血である場合も考えられますが、着床出血は出血量や色に特徴があります。
「通常の生理期間より長く出血している」「出血の量や色が違う」など、生理と違った出血が続く場合には、下記のような疾患が隠れている可能性があります。
- 子宮体がん
- 子宮頸がん
- 子宮筋腫
- 子宮頚管ポリープ
- 子宮線筋症
- 子宮内膜炎
- 子宮膣部びらん
- クラミジア感染症
- 膣炎
- 外陰炎
- 排卵出血(中間期出血)
- ストレスなどが原因のホルモンの乱れ
出血以外の症状も併せて、一度病院に相談してみるとよいでしょう。
出血や体調の変化があったら産婦人科を早めに受診しよう
出血には、妊娠の可能性があるものや生理のほかに、疾患が隠れているものがあります。
また、出血以外で妊娠の可能性を知るには、妊娠超初期症状の特徴を把握することも大切です。体調の変化が気になる際には、妊娠検査薬を使用してもよいでしょう。妊娠検査薬は、フライング検査に気を付けて正しく使用することで、99%の精度を得ることができます。妊娠しているかを手軽に判定できるのは嬉しいですね。
妊娠について正しい知識を身につけ、体調の変化に早めに気づけるようにしましょう。
- 着床出血は受精卵が着床する際に起こる
- 生理予定日とほぼ同じタイミングで着床出血が起こりやすい
- 着床出血・生理・不正出血は、血の色や量、出血期間などに違いがある
- 妊娠検査薬で妊娠の可能性を検査する場合は、適切なタイミングで使用する
- 出血が続く場合や体調に異変がある場合は病院を早めに受診しよう
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