【医師監修】産後の高血圧とは?二人目の妊娠時に気をつけることなど | MAMADAYS(ママデイズ)
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【医師監修】産後の高血圧とは?二人目の妊娠時に気をつけることなど

【医師監修】産後の高血圧とは?二人目の妊娠時に気をつけることなど

産後6〜8週間、ママの体は血圧が上がりやすい状態です。妊娠中の血圧が正常でも、産後に高血圧が続くことも。高血圧は命に関わる合併症を引き起こすことがあり、血圧の変化には注意が必要です。産後の高血圧への対処法や二人目の妊娠で気をつけたいこと等もチェックしましょう。
産後6〜8週間、ママの体は血圧が上がりやすい状態です。妊娠中の血圧が正常でも、産後に高血圧が続くことも。高血圧は命に関わる合併症を引き起こすことがあり、血圧の変化には注意が必要です。産後の高血圧への対処法や二人目の妊娠で気をつけたいこと等もチェックしましょう。

産後の血圧の変化について

血圧が上がりやすい状態にある「産褥期(さんじょくき)」

出産後、体が妊娠前の状態に戻るまでの6〜8週間を「産褥期」といいます。

産褥期は血圧が上がりやすい状態にあります。

出産時の出血で心臓を巡る血液量は減少しますが、産後は子宮が収縮することで子宮を巡っていた血液が心臓に戻ってくるため、再び血液量が増えます。このように、産後数日間は心臓に戻る血液量が大きく変化するため、血圧も不安定になりやすいです。

高血圧により、脳の血管が詰まったり破れたりする病気(脳卒中)になると、命の危険があるため、血圧の変化には注意が必要です。

妊娠中(妊娠前からの高血圧も含む)に高血圧状態になる「妊娠高血圧症候群」の場合、出産後には病状が良くなると考えられています。しかし、症状が重い場合などは、産後2日目までにけいれん発作(子癇・しかん)などの合併症の発症が多くみられます。そのため、産後3日間は特に、慎重な血圧管理が必要です。

産後の血圧が正常であっても、産後数日以降に血圧が再び上昇することもあります。これは、赤ちゃんの授乳やお世話で睡眠時間が少なくなったり、慣れない育児に伴う心身のストレスが高まったりすることなどで、血圧が上がりやすくなるためと考えられています。

産褥期、妊娠高血圧症候群について詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。

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妊娠高血圧症候群はママと赤ちゃんの生命にかかわる重大な病気で、かつては妊娠中毒症と呼ばれていました。誰でもかかる可能性がある病気ですが、どのような症状やリスクが伴うのでしょうか。今回は妊娠高血圧症候群についてお伝えします。

高血圧とはどのくらいの血圧?

正常な血圧の値と、高血圧といわれる血圧の値はどのくらいかを下記の表で見てみましょう。

産後 高血圧_高血圧とはどのくらいの血圧?

© every, Inc.

妊娠すると、心臓や血管に大きな変化が起こります。妊娠中に増える女性ホルモンには血管を広げる作用があり、妊娠成立後から血圧はゆるやかに下がります。しかし、妊娠後期には、出産に向けて妊娠前の血圧とほぼ同じか、やや高くなります。

妊娠前から自分の血圧がどの程度なのかを把握しておき、高めであれば血圧測定の習慣を身につけ、管理しておくことが大切です。

血圧が下がらないのはなぜ?

妊娠高血圧症候群の管理や治療として、安静、食事療法などがあります。ですが、授乳中はなかなか安静がとりにくく、食事療法も難しい場合が少なくありません。そのため血圧が下がりにくい状態になってしまうのです。高血圧が治らない場合、薬による治療が必要になることがあります。

産後の高血圧、どんな症状?

合併症が起こっていない場合は無症状

高血圧そのものは自覚症状がないことが多いです。ただし、高血圧により、けいれん発作(子癇)・脳卒中・心不全・肺水腫など重大な合併症に発展する場合もあり、産後の血圧管理はとても重要です。

こんな症状に注意

出産後に高血圧が続き、はじめて妊娠高血圧症候群と診断されることもあります。重症化するとけいれん発作(子癇)や脳出血、肝臓や腎臓の機能障害などの合併症を引き起こします。

合併症を引き起こすと、高血圧だけでなく、さまざまな症状があらわれます。

けいれん発作(子癇)の前兆としてあらわれる症状には、持続する頭痛、視覚異常(霞んで見える・チカチカする)、上腹部痛、吐き気や嘔吐などがあります。

ほかにも、合併症によって起こる症状には、下記のようなものがあります。

  • 呼吸困難感
  • 黄疸
  • 尿量減少
  • 紫斑
  • 粘膜出血症状

 など

合併症に先行しやすい症状として、急激なむくみ、倦怠感、不眠などもあります。

これらの症状がある場合には、すぐに医師に伝えるようにしましょう。

産後の高血圧、治療法は?

安静と食事療法(軽度の場合)

安静にすることや食事療法により血圧が正常に維持できることもあります。

たとえば、できるだけ睡眠をとるように心がけたり、心身に極力ストレスがかからないように過ごしたり、バランスのよい栄養摂取を心がけ、カロリーや食塩の摂り過ぎを避けることが大切です。

はじめは軽症でも、高血圧の病態が急激に悪化して入院が必要になる可能性もあります。主治医の指示のもと、適切な血圧管理を行いましょう。

授乳中でも高血圧の治療薬は飲める?

授乳中に薬を内服すると、多くの薬は母乳の中に移行するのですが、移行する量は非常に少ないことがわかっています。

授乳中に安全に使用できると考えられる降圧薬もあるので安心してください。

ただし、注意が必要な薬もあるため、必ず主治医の指示に従って内服しましょう。

産後の高血圧。二人目の妊娠時に気をつけることは?

出産後に自宅に戻っても、慣れない育児の負担や睡眠不足、ストレスなどにより血圧が悪化する場合があります。そのため、自宅でも血圧を測定し、血圧の上昇がみられた場合には受診して主治医の指導のもとでの血圧管理を受けることが大切です。

妊娠高血圧を発症した場合、次回の妊娠時の妊娠高血圧の再発リスクは、正常の妊娠と比較し、7.5倍であると報告されています(※1)。

また、妊娠高血圧腎症(高血圧と蛋白尿を認める場合)の再発率には、妊娠直前や妊娠中の体重が大きく関係しており、妊娠中の過剰な体重増加は再発率を上げるとの報告もあります。妊娠前、妊娠中の体重コントロールは再発をおさえる可能性があるのです。

体重を上手にコントロールするためには、食事と適度な運動が大切です。バランスのよい食生活と、医師と相談の上、体調をみながらこまめに体を動かすよう心がけましょう。

妊娠高血圧症候群の予防法については、こちらの記事も参考にしてください。

妊娠高血圧症候群はママと赤ちゃんの生命にかかわる重大な病気で、かつては妊娠中毒症と呼ばれていました。誰でもかかる可能性がある病気ですが、どのような症状やリスクが伴うのでしょうか。今回は妊娠高血圧症候群についてお伝えします。

※1出典 「妊娠高血圧症候群の診療指針2015」編集:日本妊娠高血圧学会

ママと赤ちゃんの健康のためにも、頑張り過ぎは禁物です。慣れないことに不安や焦りを感じてしまうこともあるかもしれませんが、周囲に協力してもらいつつ、無理のない範囲で実践していきましょう。

写真提供:ゲッティイメージズ

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