妊婦は昆布を食べてもいい？妊娠中の昆布だしの注意点やヨウ素の摂取上限を解説

昆布にはヨウ素が多量に含まれているため、妊娠中は避けた方がよい食べ物です。

昆布出汁として料理に使う場合も、ヨウ素が高濃度で含まれるので、昆布だしもできるだけ避けた方がよいでしょう。

昆布に含まれる成分の中で妊娠中に注意が必要な成分が、ヨウ素です。

ヨウ素は、海藻類や魚介類に多く含まれるミネラルの一種です。日本人にとって身近な海藻や魚介類に多く含まれています。

体内にあるヨウ素の70～80%は甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンの材料となります。

甲状腺ホルモンは体温や心拍数の調整、また、自律神経を調節するなど、体の基礎的な機能に深く関わっています。

胎児の脳や骨格の発育にも深く関わるので、妊婦にとって重要な物質です。

日本では、海藻や魚介類を多く摂取する食習慣があるため、必要量に対して十分にヨウ素を摂取していると言われています。

妊娠中にヨウ素の不足を心配する必要はなく、むしろ過剰摂取に注意が必要です。

妊娠中、あるいは授乳中の母親によるヨウ素の過剰摂取が原因で、新生児もしくは乳児に甲状腺の機能低下が生じる可能性があるためです。

妊婦のヨウ素の耐容上限量は、1日2mgとされています。

耐容上限量とは、その量を超えて習慣的に摂取した場合に、健康に悪影響をもたらすリスクがゼロではなくなる量のことです。

つまり、妊娠中のヨウ素によるリスクを避けるためには、食事から摂るヨウ素の量を1日2mg以下に抑える必要があります。

昆布や昆布だしに含まれるヨウ素は、下記のように他の海藻と比べてもとても多いです。

昆布1g、昆布だし19gというとても少ない量でも、妊娠中の耐容上限量を超えるヨウ素を摂ってしまうことになります。

妊娠中には昆布を食べないようにする他にも、ヨウ素を摂りすぎないための工夫をしましょう。

出汁は日本食に欠かせませんが、妊娠中は昆布だしを避けてかつお出汁を選ぶようにしましょう。

出汁の旨味をうまく料理に取り入れれば、塩分の摂りすぎを避けて食事を楽しめますよ。

サプリメントにもヨウ素が含まれていることがあります。

成分表示でヨウ素は「ヨウ化カリウム」「ヨウ化ナトリウム」などの名前で表示されています。これらを含むサプリメントは避けるようにしましょう。

サプリメントには、妊娠中に要注意な成分が高濃度で含まれていることもあります。ヨウ素を含むかどうかに関わらず、サプリメントを服用する際はかかりつけ医に相談しましょう。

妊娠中に昆布をたくさん食べてヨウ素を摂りすぎてしまった場合でも、必ずしも胎児に悪影響が出るというわけではありません。

考えすぎるとストレスになってしまうので、あまり悩まず、気づいた時点からヨウ素を避けるようにしてください。

心配な場合は、健診などの際にかかりつけ医に相談するとよいでしょう。

妊娠中は、ヨウ素の摂りすぎを防ぐために昆布をできるだけ食べないようにしましょう。

生まれてくる赤ちゃんのためにも妊娠中の食事には気をつけてくださいね。

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