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分担できていますか?共働き夫婦の家事問題

分担できていますか?共働き夫婦の家事問題

共働き夫婦とは、夫婦ともに働いている状態にあるので、本来は家事も分担しなければなりません。
しかし国などの調査ではまだまだ妻が家事を担うケースが多いとされています。
どのように家事分担を実現したらよいのでしょうか。
共働き夫婦とは、夫婦ともに働いている状態にあるので、本来は家事も分担しなければなりません。
しかし国などの調査ではまだまだ妻が家事を担うケースが多いとされています。
どのように家事分担を実現したらよいのでしょうか。

共働き夫婦の家事の実態

共働き夫婦の家事の分担方法を解説する前に、家事分担の実態を確認しておきます。

「夫1割、妻9割」が1位

内閣府の調査によると、夫婦ともに正規従業員の世帯で、家事の分担割合が最も多かったのは「夫1割、妻9割」(夫回答24.7%、妻回答25.0%)でした。
2位の回答は「夫2割、妻8割」(夫回答23.4%、妻回答20.7%)でした。
「夫5割、妻5割」の男女平等家事分担は、5位に低迷しています(夫回答12.0%、妻回答9.9%)。
共働き夫婦でも、家事は妻が負担している夫婦が多いようです。

出典
平成21年度 インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査 最終報告書 第2章 4.(4)夫婦の家事・育児の分担割合 」(内閣府)、2020年8月閲覧

夫は満足しているが、妻は満足度が低い

では、そのような状況について、共働き夫婦はどのように感じているのでしょうか。
夫婦ともに正規従業員の夫は、家事について「満足している」21.1%、「どちらかといえば満足」57.7%、「どちらかといえば不満」18.0%、「不満である」3.2%と回答しています。
夫婦ともに正規従業員の妻は、家事について「満足している」20.4%、「どちらかといえば満足」38.5%、「どちらかといえば不満」30.9%、「不満である」10.2%でした。
夫は満足の割合が高く、不満の割合が低い傾向が見えます。
妻は満足の割合が低く、不満の割合が高くなっています。

出典
平成21年度 インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査 最終報告書 第2章 4.(5)家事・育児の分担の満足度 」(内閣府)、2020年8月閲覧

まず、家事の種類を確認する

ここからは、家事の分担ができてなく、妻に家事の負担が多くなってしまっている共稼ぎの夫婦が、家事の負担を平等にしていく方法を考えていきます。

夫婦ともにビジネスパーソンなので、家事を業務として考えてみるのも一つの方法です
例えば職場に2人のスタッフがいて、合わせて10の仕事が課せられていたとします。このとき、片方が9の仕事をこなし、他方が1しかしていなかったとします。
この状態を改善するには、まずはどのような仕事があるのか確認するはずです。
それと同じことを、家事分担でも行ないます。まずは家事の種類を確認しましょう。

家事の第1分類と第2分類

家事には例えば、次のようなものがあります。

  • 料理・掃除・洗濯・買い物・家計・住居関連・育児・近所づきあい・イベント

これらは一般例なので、これ以外にも家庭独自の家事があれば付け加えてください。
家のなかで家族が家族に提供するものは、すべて家事によって成り立っています。そのすべてを洗い出すのがポイントです。

そして、これを書き出したらまずは第1分類が完了。これではジャンルが大きすぎるため、次に具体的な家事の作業を思い浮かべるための分類をします。
例えば「料理」なら、朝食準備と夕食準備があります。
そこで、この第1分類を元に第2分類をつくっていきます。

<家事の第1分類と第2分類>

  • 料理:朝食、夕食など
  • 掃除:居間、寝室、トイレ、風呂、玄関、ゴミ出しなど
  • 洗濯:洗濯機、干す作業、クリーニングなど
  • 買い物:食材、衣類、雑貨など
  • 家計:家計簿、預貯金、投資など
  • 住居関連:家具、設備、庭など
  • 育児:学校、塾、勉強、部活など
  • 近所づきあい:町内会、ボランティアなど
  • イベント:キャンプ、スポーツ観戦など

もし第2分類でもジャンルが大きければ、必要に応じて第3分類をつくってください。
家事の「洗い出し」は夫婦で話し合って、1つ漏らさず、そして細かく挙げるようにしてください。

作業量を量って、分担表をつくる

家事の種類をすべて挙げることができたら、次はそれぞれの作業量を量ります。
なぜなら、家事の負担の大きさは、数ではなく作業量で決まるからです。
なので夫婦で家事の作業量を吟味して数値化していきます。
数値化とは例えば「朝食の準備(2)」「夕食の準備(5)」「トイレ掃除(5)」「風呂掃除(2)」といったようにしていきます。

作業量を算出したら、次に分担表をつくります。
例えば、以下のように分担してみましょう。

夫:朝食の準備(2)、トイレ掃除(5)、クリーニング(2)
妻:夕食の準備(5)、風呂掃除(2)、洗濯機・干す作業(7)

このわけ方では、夫9、妻14なので、妻の負荷が大きくなっています。したがって、風呂掃除は夫が担当してもよいかもしれないと検討することができます。
作業量を数値化したことで、分担表をつくったときにすぐに負担割合がわかるようになります。

家事を楽にこなす方法

妻の家事の負担量が多い場合、夫婦で均衡化するには、夫に家事を振るだけでなく、家事そのものを減らす方法があります。

例えば、家計に余裕があれば外注も良いでしょう。夕食づくりの負担が大きければ、ミールキットの宅配サービスを使うと楽になります。
先ほど、夕食の準備の作業量を5と評価しましたが、ミールキットを導入すれば献立の検討も買い物も野菜のカットも不要になるので3にすることができます。
また最近は家事代行サービスが普及しているので、掃除を家事代行業者に依頼すれば家事が減ります。

もう1つ、家事を楽にする方法があります。それは、夫婦が自分の得意分野を担当する方法です。
先ほど、家事の一種として次のものを紹介しました。

  • 家計:家計簿、預貯金、投資など

もし、妻が勤務先で経理を担当していたら、家計簿はお手の物のはずです。夫が営業職であれば、夫にとっては作業量6の家計簿づけでも、妻には3になるかもしれません。
家事には「得意分野の作業量は減る」という原則があります。庭いじりを趣味にしていれば、庭の雑草取りという家事の作業量は実質的に0になります。
夫も妻も、積極的に自分が得意な仕事を引き受けるようにしましょう。

家事は大変な作業です。
お互いに不満を抱えずに夫婦で協力できるよう夫は積極的に家事を引き受け、妻は積極的に家事を夫に任せましょう。

参考

平成21年度 インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査 最終報告書」(内閣府)、2020年8月閲覧

写真提供:ゲッティイメージズ

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