トモニテ
離乳食を食べる子ども

【管理栄養士パパに聞く】Q. 離乳食を終えたら、大人と同じ食事でOK?

A. 大人に合わせた食事ではなく、薄味で栄養の詰まった幼児食がベストです

 離乳食完了後は、大人と同じ食事ではなく、いわゆる幼児食が適しています。 ただ、同じ幼児食でも3歳頃までは奥歯が生え揃っていないので、噛みやすいものをあげる ことが大切です。この時期によく噛ませようと固い食べものを与えると、かえって丸飲みする、 与えても拒否するなどの悪い習慣がつくことも。繊維の気になる野菜はよく煮る、肉はやわらかい部位を選んで小さめにカットするなどのひと手間を加えてあげるといいでしょう。

 3歳以降は、大人とほぼ同じようなものを噛めるようになりますが、歯の生え方には個人差があるので注意が必要です。丸飲みしているように見えたら、成長に合わない食事が原因かもしれないので、歯の生え方を確認してみてくださいね。

 そして、栄養の観点からみても、大人とまったく同じ食事内容ではよくありません。左下の表のように大人と子ども(2歳児)の体重を比較すると、子どもは大人の2割程度。しかし、1日に必要とするエネルギー(カロリー)は大人の約4割、骨をつくるために必要なカルシウムは約7割、筋肉の材料となるたんぱく質は約4割の量が必要です。成長していく大事な時期ですから、身体を大きくするための栄養をたくさん摂る必要があるんですね。

大人と子どもの比較

 ところが、この時期の子どもは大人に比べて消化機能も十分ではありませんし、一度にたくさんは食べられません。だから、必要な栄養を補給させるためには、内容の詰まった食事にしてあげる必要があるのです。具体的には乳製品や緑黄色野菜、小魚や赤身肉などを取り入れ、消化によいようにしっかり火を通してあげましょう。また、味覚を形成するうえでも大切な時期ですから、濃い味に慣れてしまわないよう、大人と同じ味付けのものはあまり与えないようにしてください。

 ただ、食事は毎日のことなので、それほど手間をかけられない人も多いでしょう。献立は子どもを中心に考え、大人が合わせるというのも手かもしれません。そうすれば味付け前に取り分け、よく煮込むだけで子ども用の食事ができます。

写真提供:ゲッティイメージズ

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