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【医師監修】妊娠初期の出血:量や色で原因はわかる?

【医師監修】妊娠初期の出血:量や色で原因はわかる?

妊娠したかと思った矢先、腟から出血があり心配になっていませんか? 赤ちゃんに何かあったのではないかと不安を感じますよね。実は妊娠初期の出血は、よくみられる現象です。この記事では、妊娠初期にみられる出血の色や量について解説します。
妊娠したかと思った矢先、腟から出血があり心配になっていませんか? 赤ちゃんに何かあったのではないかと不安を感じますよね。実は妊娠初期の出血は、よくみられる現象です。この記事では、妊娠初期にみられる出血の色や量について解説します。

妊娠初期に出血して大丈夫?

妊娠初期に起こりやすい症状のひとつに出血があります。

妊娠したかと思った矢先、腟から出血があると、「おなかの赤ちゃんに何かあったのではないか」と大きな不安を感じますよね。

実は妊娠初期の出血はすべての妊娠の40%程度にみられるとされており、出血自体は決してめずらしい症状ではありません。

しかし、ただ一口に出血と言っても、その量や色などの程度は原因によって異なります。

妊娠初期に出血の原因となる病気は様子をみてよいものから、緊急手術が必要となるものまでさまざまです。

出血の量や色でどんな原因か区別はできる?

出血の量や色の状態を見ただけで、一般人が原因を判断することはできません。あくまでも可能性があるだけで、同じ原因でも症状には個人差があり、原因自体も不明なものも多くあります。

ただ、出血が少ない場合は、様子をみて安静にしていればよいと医師から言われることがあります。しかし、どの程度の量や色ならば「少ない」のか、「安静にしていれば大丈夫」な状態なのか、は自分だけで判断するには難しいでしょう。

一般的に様子を見るよう言われる出血の状態は、以下の通りです。

  • 量がティッシュでぬぐって付着する程度
  • おりものに混じる程度
  • 期間が2~3日で収まる程度
  • 色が赤、茶、薄いピンクなどである

この場合であれば、少ないと言ってよい状況として様子をみることが可能な場合が多いです。

注意が必要な出血

茶色は出血の始まりから時間が経過していることを意味します。

逆に、量がふだんの生理の多い日と同じ程度か、それを超えていて、色が鮮やかな赤である場合には、出血があきらかに多い状況ですから、早めに診察を受けるべきです。

腹痛とともに、赤黒いレバーのような塊の出血があれば、子宮の中に溜まっていた絨毛膜下血腫が腟へ出てきたことが考えられ、流産が心配されます。

いずれにしても、自己判断は危険なので、心配であれば一人で悩まず医師に相談するようにしましょう。

急いで受診した方がよい出血は?

以下の場合には、絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)や流産、異所生妊娠(いしょせいにんしん)などの病気が疑われます。

緊急の対応を要する可能性があるので、早めに診察を受けてください。

①まだ産婦人科を受診していない場合

②産婦人科を受診しているがまだ子宮の中に赤ちゃんの袋(胎嚢:たいのう)が確認されていない場合

③強い腹痛を伴っている場合

④出血が多い場合

妊娠初期の出血の場合に考えられる原因

経過観察が可能である病気

・着床出血(ちゃくしょうしゅっけつ)

受精卵が子宮の中に着床する時に起きる出血で、すなわち妊娠による生理現象です。

通常、出血は少なく、2〜3日程度で収まるのが特徴です。

・子宮腟部びらん(しきゅうちつぶびらん)

子宮腟部という子宮の一番下の部位がただれること(=びらん)で、妊娠する年代の女性でみられます。妊娠していない時でも出血しやすく、性交渉や内診の刺激で出血することもあります。

・子宮頸管ポリープ(しきゅうけいかんぽりーぷ)

子宮頸管という子宮の入り口にできるイボのようなもので、多くの場合、良性で無症状です。しかし妊娠すると出血しやすく、細菌感染から流産・早産の原因になることもあるので、大きさや場所によっては妊娠中にイボを切除されることもあります。

・絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)

子宮の中の血腫、すなわち血が溜まる病気で、胎盤(たいばん)の一部が剥がれてしまうことによる出血と考えられていて、流産を心配する症状のひとつです。

時に大量の出血を起こしますが、多くの場合、安静で血腫は少しずつ小さくなり、やがて出血も止まります。腹痛もある場合には、入院治療が必要となることがあります。

検査や治療が必要となる病気

・流産

腹痛とともに大量の出血が起きることがあります。

手術などの、早急な治療が必要となる可能性があります。

・異所性妊娠(いしょせいにんしん)

以前は子宮外妊娠といわれ、

子宮の中ではない部位に受精卵が着床し、妊娠が進んでしまう病気のことをいいます。

出血は少ないことが一般的ですが、妊娠部位である卵管(らんかん)が破裂することがあり、その場合には強い腹痛が現れます。

ママの命に関わる可能性がある病気なので、妊娠検査薬で妊娠を確認したら、早めに産婦人科を受診し、超音波検査で子宮の中の妊娠かチェックを受けることが大切です。

最後に

妊娠初期の出血の原因はさまざまです。

出血があったとしても、それが必ずしもおなかの赤ちゃんに影響しているものとは限りません。出血の経験がある人でも、赤ちゃんに問題なく出産された人も多いです。

出血自体に不安を覚えるかもしれませんが、まずは慌てずに、量や色、腹痛があるかないかなどを確認し、医師に症状を正しく伝えられるようにしましょう。

参考:

増崎英明・吉田敦、『周産期医学 Vol.45 No.11 特集 周産期の電話相談〜テレフォントリアージ〜
産科編 妊娠12週未満 出血したのですが』p1519-1520、東京医学社、2015年11月10日

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写真提供:ゲッティイメージズ

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