【医師監修】妊婦は生卵を控えて!サルモネラ食中毒にならないためのポイントは? | MAMADAYS(ママデイズ)
【医師監修】妊婦は生卵を控えて!サルモネラ食中毒にならないためのポイントは?

【医師監修】妊婦は生卵を控えて!サルモネラ食中毒にならないためのポイントは?

妊娠中は、ママと赤ちゃんに必要な栄養をしっかり補給する必要がありますが、食べるのを避けたほうがよい食材もいくつかあります。「生卵」もその一つ。生卵を食べるとどんなリスクがあるのか、どのように調理すれば安全なのかご説明します。
妊娠中は、ママと赤ちゃんに必要な栄養をしっかり補給する必要がありますが、食べるのを避けたほうがよい食材もいくつかあります。「生卵」もその一つ。生卵を食べるとどんなリスクがあるのか、どのように調理すれば安全なのかご説明します。

妊娠中に生卵を食べてはいけないの?

妊娠中は、できるだけバランスのよい食事を心がけたいものですが、特に気をつけなければならない食品があります。避けておきたいのは「生」の食品です。

トキソプラズマ症の感染原因となる生肉のほか、加熱殺菌されていないナチュラルチーズや、生の魚介類、そして「生卵」は食べないようにしましょう。

妊娠中の生卵はなぜ避けなければならないの?

妊娠中のママは免疫力が低下している

妊娠中は、妊娠していないときと比べて、細菌やウイルスに対する免疫力が弱くなっています。それはママの体を守る免疫細胞が、赤ちゃんを「異物」とみなして攻撃しないための仕組みです。そのため、妊娠中のママは感染症にかかりやすくなってしまっています。

普段なら症状が出ないような感染症でも、妊娠中のママは重症化しやすいのです。

生卵とサルモネラ食中毒について

生卵は「サルモネラ」という細菌に汚染されていることがあります。
サルモネラは人のほか、牛や豚、にわとりなどの腸内や、川、下水などに広く生息している細菌ですが、一部は感染性があり、食中毒を引き起こすことがあります。

サルモネラによる食中毒はわずかな菌の量でも感染しやすく、症状は嘔吐や腹痛で始まり、38℃前後の発熱、下痢を繰り返します。

ただし、妊娠中のママがサルモネラ食中毒になっても、赤ちゃんに直接感染する可能性は低いです。しかし、感染により腸が炎症をきたし激しい下痢を認めると、その炎症が子宮に波及し子宮が収縮するため、流産や切迫早産となることもあるので注意が必要です。

サルモネラ食中毒を防ぐために気をつけることとは?

生卵による食中毒を防ぐために、気をつけるべきポイントをおさえておきましょう。

どんなことに注意したらいい?

サルモネラは10℃以上、特に20℃以上でよく増殖し、条件によっては30分に1回分裂をするほど、増殖力が強い細菌です。
しかし一方で熱に弱く、75℃以上で1分以上の加熱によって死滅します。
また、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤にも弱いので、卵を取り扱う前後など、手指をこまめに洗ったり消毒するのが有効です。

卵の保管は冷蔵庫で行い、しっかり加熱をして食べることを心がけてください。
卵によるサルモネラ食中毒の中には、卵かけご飯のように生卵を直接食べるもののほか、スクランブルエッグやポテトサラダ、パンに使われていた自家製マヨネーズ、ババロアなどを原因とするものがあります。
いずれも、加熱不足や、調理に使う器具の洗浄が不十分であったり、保管方法の不備で起きています。

妊娠中、生卵を食べてしまったら?

カルボナーラやウズラの卵入りのとろろなど、気がつかないうちに卵を生で食べていた、ということもあるかもしれません。
もし生卵を食べてしまっても、サルモネラに必ず感染するというものではないため、慌てずに様子をみましょう。サルモネラの潜伏期間は6~72時間です。
もし、吐き気や腹痛、下痢、発熱といった症状が出た場合は、早めに病院を受診しましょう。

卵の栄養と調理のポイントとは?

栄養豊富な卵を安心して食べるために、気をつけることは何でしょうか。

卵は栄養豊富な食品

ビタミンC、食物繊維以外のほとんどの必須栄養素が含まれているのが卵です。手に入りやすく、安価で調理しやすいため、妊娠中の食事にも上手に取り入れましょう。
卵は多くのたんぱく質を含みます。必須アミノ酸がバランスよく含まれており、動物性たんぱく質の中でも最も質がよいといわれています。
また、カルシウム、鉄、ビタミンなども多く含まれています。

卵を購入するときに気をつけることは?

卵を買うときには、ひび割れのない新しいものを選びましょう。持ち帰ったらすぐに冷蔵庫に入れ、菌が増えるのを防ぎましょう。

卵を調理するときに気をつけることは?

卵を調理するときには、使う分だけ割り、すぐに調理しましょう。割ったままの状態で放置していた間に細菌が増殖したケースがあります。
調理のときには、75℃以上で1分以上、加熱しましょう。

黄身も白身も固くなるまで加熱をした卵であれば、安心して食べることができます。

荒瀬先生からのひとこと

実際に妊娠中に食中毒をきたす症例はしばしばありますが、それにより流産や早産となる例は非常に限定的です。
少なくとも流産や早産の原因としては他の感染症や炎症性疾患の頻度が圧倒的多数となります。

また、「生卵を摂取している人のどの程度がそうなのか?」という具体的な数字も明らかとなっていません。

食中毒は、高齢者及び乳幼児がかかりやすい傾向にあります。
そのため、妊婦さんはもちろん、今いる幼い子のためにも注意しましょう。

サルモネラ菌は、適切に加熱すれば死滅します。卵を食べる際は、加熱調理をお勧めします。

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卵を生で食べる文化は日本独特のものです。日本の卵は、生食を前提にした衛生管理の下で生産され、出荷前には殻の洗浄・殺菌が行われています。
しかし、それでも食中毒のリスクがゼロではありませんので、妊娠中は生卵を食べるのを避け、加熱調理をしたものを食べるようにしましょう。

出典:

加熱調理と食中毒」(食品安全委員会)、2020年7月閲覧

食品衛生の窓 サルモネラ属菌」(東京都福祉保健局)、2020年7月閲覧

写真提供:ゲッティイメージズ

※当ページクレジット情報のない写真該当

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