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赤ちゃんの歩行器 実は使用しない方がいい理由

【専門家監修】赤ちゃんの歩行器 実は使用しない方がいい理由

歩行器はあくまでも歩行をサポートするためのおもちゃです。子どもが遊んだり、離乳食のテーブル代わりに使ったりすることができます。昔からの定番の育児用具で、現在も使用されている歩行器ですが、実は使用しない方がよいという話も。今回は専門家の田宮先生に伺いました。
歩行器はあくまでも歩行をサポートするためのおもちゃです。子どもが遊んだり、離乳食のテーブル代わりに使ったりすることができます。昔からの定番の育児用具で、現在も使用されている歩行器ですが、実は使用しない方がよいという話も。今回は専門家の田宮先生に伺いました。

歩行器とは(ベビー用)

歩行器とは、穴の開いたテーブル部分の下に、足を入れる釣り椅子があり、器具の下側のリングにキャスターがついたものです。

ひと昔前は、赤ちゃんのいるご家庭の多くに歩行器が置いてあるのを見かけました。しかし最近では赤ちゃん用の歩行器を見かける機会は、非常に減ったように思います。

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幼児用歩行器の使用が減っている理由

事故が多発した

歩行器の使用が減った理由の一つに、過去に相次いで歩行器による事故が起こったことがあげられるでしょう。

歩行器を使用することで、広範囲へ速く移動できるようになり、事故に遭遇しやすくなりました。さらに歩行器のまま、階段や玄関から落下する事故も起こっています。

これらのことから、アメリカ小児学会は、販売禁止を推奨し、カナダでは発売が禁止されています。

股関節や腰への負担がある

足の裏をしっかりと床に着けず、つま先で床を蹴って移動することにより、股関節や腰への負担がかかり、発育の妨げになることが懸念されます。

歩行器を使うと楽に歩くことができるため、歩行器を頼ってしまい、下半身の筋肉を鍛える機会も減ってしまいます。

「一人歩きへの意欲」や「転び方の学び」を妨げる

赤ちゃんは、見える物や聞こえるものに興味を持ち、「触れてみたい」「移動してみたい」という好奇心が湧き、それが、伝い歩きや一人歩きへの意欲となります。

その好奇心や欲求が歩行器で満たされてしまうと、結果として一人歩きが遅くなってしまう可能性があります。

また、歩行器を使うことで一般的な歩行までの成長過程である「ハイハイ」や「伝い歩き」の経験が少なくなることから、腕や胸の筋肉、肺機能の順調な発育の妨げになったり、バランス感覚や安全な転び方なども身に着きにくくなったりすることが懸念されます。

歩行器使用のメリット

ここまでお伝えしたように、歩行器は危険なだけでなく、子どもの成長・発育の妨げになる要因が多く、使用はお勧めできません。

ですが次のような場合は、歩行器を使用するメリットもあるでしょう。

たとえば、ママ・パパが家事などで手が離せないときに使用することです。

歩行が完全でない赤ちゃんは、伝い歩きで転倒して頭などを打つリスクがあります。

ママ・パパが食事の準備をしているときや、洗濯物を干しているときなど、ちょっと目を離した隙にも事故は起こります。

家事で手が離せないときは歩行器のキャスターをロックし、目の届くところに歩行器を置いて使用することで、転倒を防ぐことが出来ます。

上の子がいて、小さなおもちゃを出して遊んでいるとき、赤ちゃんがおもちゃを誤飲してしまう心配があります。そのようなときも、片づける間に歩行器で赤ちゃんを遊ばせておくのもよいですね。

ここでは歩行器使用のメリットをお伝えしましたが、「家事で手が離せない」「おもちゃの誤飲の心配がある」などのような場合、ママ・パパのお役立ちアイテムとして、歩行器を使用するのはよいかもしれませんね。

では次に、歩行器を使用するときの注意点をお伝えします。

歩行器を使用するときの注意点

歩行器を選ぶときは転倒防止機能が付いているものや、ストッパーなどのセーフティー機能が付いていると安心です。また体重制限・月齢制限など、使用上の注意を守り、そして使用中は目を離さないようにしましょう。

※歩行器の購入前には歩行器の使用目的について検討し、安全面に配慮された製品に貼付するSGマークが付いているか、月齢にあったものかなど確認し、できる限り安全性の高いものを選ぶようにしましょう。

いつから:腰が据わる頃から

歩行器の対象月齢や年齢はおおむね「生後7か月頃から」となっておりますが、赤ちゃんがお座りできないうちは腰への負担も大きいため、使用することはやめましょう。

対象年齢が生後7~8ヶ月頃と商品に記載があったとしても、赤ちゃんの成長・発達には個人差があるため、月齢だけでなく赤ちゃんの状況を見て使用するかどうか判断してください。

生後8ヶ月、9ヶ月頃になるとお座りが安定してきます。

両手を床について支えたりしないお座りで、座ったまま振り向くことができる頃、サポートがなく座れるようになる生後8~9ヶ月頃から使い始めるのが安心です。

いつまで:ひとりで歩けるようになるまで

赤ちゃんの成長・発達には個人差がありますが、赤ちゃんがひとりで歩けるようになる1歳3ヶ月頃が歩行器卒業のタイミングです。

一人歩きが始まっていない場合でも歩行器は体重制限があるので、転倒などの事故を防ぐためにも説明書など必ず確認するようにしてください。

赤ちゃんが歩行器を使える期間を見てきましたが、使用する場合は、1日のうちどのくらいの時間使ってもよいものなのでしょうか?

歩行器使用時間の目安は「1回20分」「1日1〜2時間」

歩行器を使用する場合は連続使用するのではなく、1回の使用は20分以内を目安にしましょう。そして合計で、1日に1~2時間くらいと考えて使用するように心がけましょう。

歩行器を使用せざるを得ない場合、注意を守り上手に活用しよう

歩行器を赤ちゃんのおもちゃとして使う場合、子どもに与えるのなら、もっと安全性が高く、成長発育にもよいおもちゃが多くあります。そのような中で敢えて歩行器を与えることはお勧めできません。

しかし、親の手が離せないときなど、使用上の注意を守り使用することで、お役立ちアイテムになるので、上手に活用しましょう。

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写真提供:ゲッティイメージズ

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