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兄弟喧嘩に親はどう対応する?メリットや理由、減らす方法も解説

兄弟喧嘩に親はどう対応する?メリットや理由、減らす方法も解説

兄弟喧嘩が多いとママやパパはうんざりしたりイライラしたり、ストレスがたまりますよね。兄弟喧嘩をする理由を理解すれば、兄弟喧嘩は減らせるかもしれません。子どもの兄弟喧嘩に親はどう対応するのがよいのか、兄弟喧嘩の対処法をお伝えしていきます。
兄弟喧嘩が多いとママやパパはうんざりしたりイライラしたり、ストレスがたまりますよね。兄弟喧嘩をする理由を理解すれば、兄弟喧嘩は減らせるかもしれません。子どもの兄弟喧嘩に親はどう対応するのがよいのか、兄弟喧嘩の対処法をお伝えしていきます。

兄弟喧嘩はなぜ起こる?

小さい子ども同士のきょうだい喧嘩の理由は、単純で些細なことが多いものです。

  • おもちゃをとられた
  • おもちゃを貸してくれない
  • 自分の座りたい場所にきょうだいがいた
  • 独り占めしたいおやつを分けないといけない
  • いっしょに遊びたいのに構ってくれない
  • 一人で遊びたいのに邪魔をされる

自分の思い通りにならないところで自分の要求を通そうとしたり、自分がやりたいことを邪魔されたりするために起こることがほとんどです。

兄弟喧嘩で子どもが学ぶもの

きょうだい喧嘩はママやパパにとってはストレスになるものかもしれませんが、子どもにとっては悪いことばかりではありません。

きょうだい喧嘩には、社会性やコミュニケーション方法を学ぶという面でメリットがあるといわれています。

折り合いつける・譲り合いの精神

遊びたいおもちゃをきょうだいが使っているからあとで遊ぼう、一人で全部食べたいけどはんぶんこしよう、というように、喧嘩の中で、折り合いをつけることや譲り合いの精神を学びます。

相手の要求と自分の要求が衝突したときに、どう妥協すれば解決するのか、お互いが納得できる方法を考えられるようになります

また、こっちのおもちゃを貸してあげるからそのおもちゃを貸して、など条件を出して相談する・調整するやりとりもみられるでしょう。自分の要求を通さずに、ときには相手の要求を優先してあげる譲り合いが必要なことも学びます

きょうだい喧嘩を通して、なんでも自分の思い通りにはいかないこと、譲り合ったり折り合いをつけたりすることで解決できることを学んでいきます。

相手の気持ちを想像する力

きょうだいがいると、同じ目線で一緒に遊んだり、競争したり喧嘩をする中で、自分と違った考えの他人という存在を認識するようになります。

どんなことを言ったら相手が怒るか、どんな行動をしたら相手が傷つくのか、どうすれば相手の気持ちがおさまるのかも考えるようになります。

さらには、喧嘩をしないためにはどうしたらいいのか、仲良くするにはどうしたらいいのかも考えられるようになっていきます

相手の気持ちを想像し、良いこと・悪いことを考えながら行動することを学びます。

集団の中で自分はどういう立ち位置でどういう行動が求められているか、空気を読んだり場の雰囲気を読み取る力にもつながるでしょう。

力加減

小さい子どもは喧嘩になると言葉よりも先に手が出ることもあります。

叩かれたり突き飛ばしたりする中で、叩かれたら痛い、強く押したら相手は倒れて危ない、といったことを学びます。

痛みや小さい怪我を経験することで、力加減を学んでいきます。力加減を学ぶことで、自分より小さい子には優しくしなければいけない、相手を大切にしなければいけない、という学びにつながるとされています。

兄弟喧嘩に親はどう対応する?

子どものきょうだい喧嘩の対処法がわからず、怒っていいの?止めた方がいいの?と悩むママやパパもいるでしょう。

状況により柔軟な対応が求められますが、きょうだい喧嘩に対応するときのポイントを紹介していきます。

基本的には止めない

子どもにはきょうだい喧嘩をする理由があります。「◯◯したい!」という欲求があり、欲求を通そうとして喧嘩が起こります。

相手にも自分にも考えがあり、それを解決するにはどうすればいいのかを考えるきっかけになるのがきょうだい喧嘩。

親が仲裁をしなくても自分たちで喧嘩を終わらせることもできるようになっていくので、基本は介入せず見守ってみましょう

しかし、見守ることと、ほっとくことは違います。子どもが解決の糸口がみえていない場合は、ママやパパが「どうしたの?」と声をかけ、何が起きたのか、どうしたいのか聞き、子どもが仲直りするヒントをあげましょう。

暴力はとめる

きょうだい喧嘩では手が出ることもありますが、怪我でもしたら大変と心配になりますよね。

押した、突き飛ばした、叩いたなど、手が出る行為は、子どもが手加減を学ぶために必要な経験でもあり、状況をみながらある程度は見守った方がよいこともあります

何度も手をあげたり、あまりに一方的だったり、怪我につながりそうな場合は止めるなど、きょうだいの年齢差や状況なども考慮しつつ止めるラインを判断しましょう。

また、暴力をともなう喧嘩の場合、最終的にはママやパパが間に入り、子どもに暴力を問題を解決する手段にしてはいけないことを学ばせることも大事です。

話をするのは落ち着いてから一人ずつ

子どもの話を聞くときは、冷静に一人ずつ、できれば喧嘩相手がいない別の部屋に連れていって聞いてあげるのがよいでしょう。

話を聞くときは、「何があったの?」「どうしたの?」と聞いてあげましょう。「なんで◯◯したの?」と聞いてしまいがちですが、子どもは責められている気分になり話しづらくなってしまうので注意が必要です。

喧嘩を見つけたときは、大人も落ち着いて対応することが大切です。自分がイライラしているときに喧嘩が起きると、「喧嘩しないの!」と怒ってしまいがち。また、子ども同士が納得・理解していない状態で、強制的に喧嘩を止めることも避けましょう。

まずは子どもも親も冷静になって、話をすることが大切です。

子どもの気持ちに共感する

子どもが話してくれた喧嘩の内容については、まず「嫌だったんだね」「かなしくなったんだね」と気持ちの部分を大事にして共感してあげましょう

共感し安心させた上で、相手はどう思っていたのか、どうすればよかったのかを考えるサポートをしてあげましょう。

上の子ばかりを叱らない

お兄ちゃんだから、お姉ちゃんだから、という理由で上の子を叱るのはNGです。

ママやパパは中立な立場で喧嘩の状況を把握し、どうすれば問題が解決するかを考えることが大事です。

叱るのであれば、悪いことをしたほうを、なぜ悪いのかの理由を説明しながら叱ります。下の子に非があれば、上の子をかばうことも必要です。

どっちもどっち、お互い様な喧嘩もあるので、話を聞いた上での喧嘩両成敗という対応もあるでしょう。

兄弟喧嘩を減らすためにできること

毎日のようにきょうだい喧嘩があるとママやパパはイライラしてストレスがたまるものです。

ここではきょうだい喧嘩を減らすために日常生活でできることを紹介します。

叱るより褒める

気が弱く喧嘩では負かされてばかりの子には、「自分の思うことをはっきり伝えなさい」と伝えるよりも「我慢してあげて強いね」「やり返さなくてえらいね」といって認めてあげましょう。

その子の個性を短所ではなく長所として、自覚できるように伝えてあげることも大事です

普段きょうだい仲良くしているときに「いっしょに遊んで楽しいね」「仲良く遊んでくれてママは嬉しい」と伝えるのもよいでしょう。

叱る言葉よりも、褒める言葉のほうが子どもには響くことも多いものです。

兄弟で比べない

単純に違いを見ているだけでも、子どもは比べられていると感じることもあります。

きょうだい間で比較されて感じた劣等感は、子どもの自己肯定感に大きなマイナスの影響を与えることが指摘されています。投げやりな言動をしたり、物事をまっすぐに見れなくなったりすることもあるようです。大人なってもコンプレックスとして残ることも。

競争心は自分の心に芽生えるものであり、親がたきつける必要はありません。きょうだいの比較にメリットはないので注意しましょう。

それでも兄弟喧嘩をするときは

きょうだい喧嘩をゼロにすることは難しいものです。どうしても喧嘩をしてしまう場合、ママやパパとしてできることは何でしょうか。

ルールを守らせる

喧嘩が始まりヒートアップしているときは、いくら注意しても子どもの耳には届きません。

あらかじめ喧嘩をするときの最低限のルールを決めておきましょう。

◼︎ルールの例

  • 噛まない
  • 物で叩かない
  • 頭や顔を叩かない
  • 首をしめない
  • お腹をなぐったり蹴ったりしない
  • 髪の毛を掴んでひっぱらない
  • 物を投げない、壊さない

喧嘩をしてしまうこともあるという前提で、子どもに対して危険なこと・もの、やってはいけないことを伝えておきます

ある程度の危険を最初から回避しておくことで、子どもも学び、親も喧嘩を見守ることができるでしょう。また、ルールを破ったときには迷わず叱ることもできます。

喧嘩には仲直りが必要と教える

喧嘩と仲直りはセットです。喧嘩のあとは仲直りをすることを教えましょう。

なぜ仲直りをするのか、どうしたら仲直りができるのかは、親が教える以外にも、喧嘩や仲直りを題材にした絵本や動画で考えさせるのもよいでしょう。

絵本や動画では、ごめんねの言い方を学ぶだけでなく、喧嘩のときの相手の気持ちを想像する練習にもなります。

兄弟喧嘩は必要なこと!大人は見守ろう

喧嘩は子どもにとって社会性やコミュニケーションの力を身につけるために必要なことの1つです。

ママやパパは心配したり、イライラしたりもしますが、必要以上に介入せず子どもの成長・自発性を促すために見守ってあげることも大切です。

子どもの気持ちを大切にして、寄り添った対処をしてあげましょう。

参考:

諸富 祥彦 『ひとりっ子の育て方』、WAVE出版、2013年

柴田利男 北星学園大学社会福祉学部北星論集第47号「きょうだいとのコミュニケーションが幼児の社会的認知の発達に及ぼす影響」 2010年

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  • きょうだい喧嘩から子どもが学ぶこともたくさんある
  • 喧嘩の度合いをみながら見守ることも大切
  • 親は子どもに寄り添って思いやりの心を伝えよう

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