【小児科医ママに聞く】Q. 直接母乳をあげようとすると嫌がります | MAMADAYS(ママデイズ)
母乳を嫌がる赤ちゃん

【小児科医ママに聞く】Q. 直接母乳をあげようとすると嫌がります

A. 直母を嫌がる場合は自発的に吸うよう促し、 哺乳瓶を嫌がる場合は乳首のタイプを変えてみて

 乳房から飲むのと哺乳瓶から飲むのだと、赤ちゃんにとってどんな違いがあるでしょうか。 まず、感触や匂いが違います。次に、乳房の場合、赤ちゃんが吸い始めて1分くらい経ってから『射乳反射』が起こって乳汁が出てきます。それまでの1分間は、何も出ていないのです。 それに比べて、哺乳瓶だと初めから粉ミルクが出てきます(※1)。また、吸啜に必要な力も違います。哺乳瓶のほうが強く吸わなくてもたくさん飲めてラクなのです。

 乳房と哺乳瓶にはそういった違いがあるために、赤ちゃんが混乱してしまい、どちらかからしか飲まなくなるのではないかと言われています。しかし、実際のところ、どうして乳頭混乱が起こる子と、どちらからでも抵抗なく飲める子がいるのか、その理由ははっきりしていません。

 ただ、母乳がよく出ていて射乳反射がすぐ起これば、あまり混乱はないようです。そして、 あまり母乳が出ないのに乳房を押しつけられたりすると嫌がる、拒否するようになりやすいといわれています。逆に、乳房からしか飲まなくて、哺乳瓶を受けつけないということもありますね。どちらからも飲めるという子のほうがずっと多いのですが、いずれかを拒否されると大変です。完全に拒否するようになる前に、いろいろと試してみましょう。

〈直母を嫌がる場合〉

 まず、赤ちゃんが眠いときやお腹がへって泣き叫んでいるときは難しいので、静かに起きているときやお腹がすきすぎていないときにあげてみてください。優しく声をかけたり、なでたり、小さく揺らしたりなどすると、赤ちゃんもリラックスします。

 また、授乳姿勢を見直してみましょう。母子ともにリラックスした姿勢で、 赤ちゃんをお母さんの乳房のあいだに抱っこして、赤ちゃんが見つけやすいように頻繁に乳首を近づける、赤ちゃんの口に直接少しずつ搾乳する、赤ちゃんとの肌の触れあいをできるだけ長くすると、自発的に吸う行動を誘いやすいという説もあります(※2)。

 そして、母乳の出が悪くなるといけないので、赤ちゃんがうまく吸えないあいだは、なるべく搾乳しておきましょう。母乳は吸いとられたぶんだけ、また作られます。 一方、おしゃぶりを使うと、乳首を適切にくわえることが難しくなり、母乳育児が阻害されることが多くの研究でわかっています。おしゃぶりを与えるのは悪いことではありませんが、 直母を嫌がる場合は与えないほうがいいかもしれません。

〈哺乳瓶を嫌がる場合〉 

 一番多い理由は、母乳だけで満足しているということです。母乳が順調に出るようになって、 赤ちゃんも上手に飲みとれるようになると、吸われるたびに適量が分泌されるので、乳房が張っている感じがしなくなるため、足りていないのではと心配するお母さんもいます。でも、1日に7回前後のおしっこが出ていれば、母乳は足りています。健診で赤ちゃんの体重増加はどうでしたか? 母子手帳には成長曲線がありますからプロットしてみましょう。体重が順調に増加していれば、哺乳瓶を使わなくてもいいかもしれません。

 母乳が足りないようだったり、ほかの事情があったりして搾乳した母乳や粉ミルクを与えたいのに哺乳瓶を嫌がるという場合は、乳首を変えてみるといいでしょう。シリコン製ではなくゴム製にしてみると、感触が違うので飲むかもしれません。乳首の形状が違う哺乳瓶にしてみるのもいいかもしれません。母乳のように少しずつしか出ない穴の小さいタイプの哺乳瓶(乳首)もあります。それでも哺乳瓶を嫌がって、体重増加が不安なときには小児科医に相談してくださいね。

※1 水野克己『周産期医学』2012 vol.2増刊 p138 

※2 柳澤美香『母乳育児支援スタンダード 第2版』日本ラクテーション・コンサルタント協会編医学書院2015 p217

写真提供:ゲッティイメージズ

※当ページクレジット情報のない写真該当

連載の目次

  • 出典

    新装版 産婦人科医ママと小児科医ママのらくちん授乳BOOK
    宋美玄・森戸やすみ著、内外出版 ※情報は掲載時のものです
    https://www.naigai-p.co.jp

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