MAMADAYS(ママデイズ)
予防接種する子ども

【小児科医ママに聞く】Q. 子どもにインフルエンザワクチンは効果あるの?

A. 重症化した場合のリスクを考えると、 接種したほうがいいのでは

 インフルエンザの予防接種に効果があるかないかということについては、今でもさまざまな意見があります。

 しかし、近年、インフルエンザワクチンには効果があるという研究結果が続々と報告されています。子どもにインフルエンザワクチンを打つと家族内で打たなかった人もインフルエンザ にかかりにくいとか、インフルエンザワクチンを打った集団と別のワクチンを打った集団とでは、インフルエンザ罹患率で明らかに差があるといったものです。

 小さい子どもがインフルエンザにかかると重症化しやすく、まれにインフルエンザ脳症になることも。これは1〜3歳の子どもが発症しやすい急性の脳障害で、死亡率も後遺症が残る確率も高いのです。そのためアメリカでは、2004年から6〜24か月の子どもに対してインフ ルエンザを定期接種にし、日本小児科学会からもワクチンをすすめる見解が出ました。 もしもインフルエンザかなと思ったら、発熱から8時間以上が経ってから、病院で検査を受けましょう。早くに検査すると、インフルエンザにかかっていても陰性になってしまいます。 鼻ぬぐい液、鼻腔吸引液を使って15〜20分で結果が出ます。ただし、お子さんの様子がおかしいときは、すぐに病院を受診してください。

 インフルエンザと診断されたら、発症後の5日間、解熱後の2日間(小学生未満は3日間) は外出禁止です。通院などの場合は、咳が出るときは口に手をあてるなどし、病院の受付ではインフルエンザであること、熱が高くインフルエンザの疑いがあることを伝えてください。

 おうちでは、風邪のときと同じように、充分な休息と水分補給を心がけ、症状をやわらげるための必要最低限の薬を飲ませましょう。インフルエンザウイルスに対する薬は、インフルエンザA型、B型、新型に効果があるタミフルだけでなく、吸入薬であるリレンザ、イナビル、 点滴薬のラピアクタなどがあります。こういった薬は重症のときのみ使い、ほかは対症療法だけ行うことが増えてきました。

インフルエンザ予防接種

写真提供:ゲッティイメージズ

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