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【管理栄養士監修】離乳食のまぐろ|いつからはじめる?

【管理栄養士監修】離乳食のまぐろ|いつからはじめる?

まぐろは高たんぱく・低脂肪でDHAやEPA、鉄分などを含む食材です。手に入りやすく調理も簡単なので、離乳食に取り入れたいと考えるママ・パパも多いのではないでしょうか。
この記事では離乳食のまぐろはいつから与えられるのかや、下ごしらえのコツなどを紹介します。
まぐろは高たんぱく・低脂肪でDHAやEPA、鉄分などを含む食材です。手に入りやすく調理も簡単なので、離乳食に取り入れたいと考えるママ・パパも多いのではないでしょうか。
この記事では離乳食のまぐろはいつから与えられるのかや、下ごしらえのコツなどを紹介します。

離乳食のまぐろはいつから食べられる?

モグモグ期・離乳中期(生後7~8ヶ月頃)から|必ず加熱調理してから与えて

まぐろは離乳中期の生後7〜8ヶ月頃から与えられます。

まぐろを離乳食に使う場合は脂の少ない赤身を使用します。

赤身はたんぱく質が多く、水分が少ないため、加熱すると身が固くなるので、やわらかい白身魚に慣れてから与えるようにしましょう。

また、赤ちゃんは消化機能が未熟なため、消化・吸収しやすくする目的と、衛生面への配慮から、まぐろは生では与えず、必ず加熱しましょう。

ヒスタミンによる食中毒について

まぐろは鮮度が落ちると、食中毒を引き起こす「ヒスタミン」が生成されている可能性があります。

離乳食に使うまぐろを選ぶとき、表面は鮮やかな赤色が強めで透明感と艶があるかをよく見ましょう。

赤身から水分が出ているものは、鮮度が落ちている可能性があるので避けましょう。

ヒスタミンは、調理時に加熱しても分解されないので、鮮度のよいものを購入し、購入後はすぐに使い切るようにしましょう。

離乳食で使えるまぐろの種類

離乳食には「脂肪が少ない赤身部分」を使用

離乳食で使うまぐろは脂肪が少ない部位や食品を選びましょう。

刺身に入っているまぐろの「トロ」はもちろんのこと、離乳食に使いやすそうな「まぐろのたたき」も、脂肪の多いトロなどを混ぜているものもあるため控えましょう。

脂肪分は、消化機能が未熟な赤ちゃんにとって負担になるので、離乳食に使うならまぐろの刺身の中でも赤身を選ぶようにしましょう。

缶詰は「オイル」ではなく「水煮」のものを使用

離乳食のまぐろとして「ツナ缶」を使う場合も種類に注意が必要です。

オイル入りのツナ缶は脂肪が多いため、離乳食にはまぐろの「水煮缶」を使いましょう。

離乳食のツナに関してはこちらの記事を参考にしてください。

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赤ちゃんに必要な鉄分を

赤ちゃんは生後6ヶ月頃から、鉄を補う必要があります。

胎児期に体内に蓄積されていた鉄が生後5ヶ月頃(早産時や低出生体重児は生後3〜4ヶ月頃)から少なくなり始め、母乳育児の場合、母乳中に含まれる鉄も少ないため、不足する可能性があります。

離乳食に鉄の多い食材を取り入れたり、育児用ミルクやフォローアップミルクなどを使って補給するよう心がけましょう。

まぐろは鉄が豊富に含まれるため、離乳食に使う食材としておすすめです。

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どのぐらいの量を与えたらよい?

離乳食用スプーンのひとさじから始め、徐々に量を増やしていきましょう。

はじめて与える場合は、少量をほかの食材と混ぜずに与えます。

特にまぐろは、先述のとおりアレルギーと似た症状の「ヒスタミン食中毒」を起こすことがあります。

様子を見ながら少量ずつ与えましょう。

まぐろの固さや大きさの目安

子どもの成長に合わせて、食材の大きさや固さを変えます。

時期別のまぐろの大きさ・固さの目安

まぐろの時期別の大きさ・固さの目安

© every, Inc.

下ごしらえのコツは?

離乳食に使うまぐろの下ごしらえ

臭みのもとになる血合いや、口に残る白いすじを取り除きます。

その後、まぐろを薄切りにして調理します。

魚臭さが気になる場合

塩を軽くふり、少しおいてからキッチンペーパーでふき取る、もしくは熱湯で洗い流してから調理します。

管理栄養士からのワンポイントアドバイス

スーパーなどで手に入りやすい刺身用の切り身を使うと、下ごしらえの手間が省けて便利です。

赤ちゃんに合わせて、すりつぶしたり、細かくして、少しずつ大きいサイズにしていきます。

まぐろは加熱すると身が固くなり、食感がパサつきます。

とろみをつけるとパサつきがなくなり、赤ちゃんが食べやすくなりますよ。

調理方法

時期ごとの調理方法をご紹介します。

過去に、MAMADAYSで紹介した離乳食の作り方動画もぜひチェックしてくださいね!

ゴックン期・離乳初期(生後5~6ヶ月頃)

この時期の赤ちゃんには、まだ与えません。

モグモグ期・離乳中期(生後7~8ヶ月頃)

  • きほんの離乳食 赤身魚-まぐろ-(生後7〜8ヶ月頃から)

離乳食のまぐろは、中期の赤ちゃんにはじめて赤身の魚を与える場合にぴったりです。

たんぱく質や鉄が豊富に含まれ、脂質が少ないので、消化機能が未熟な赤ちゃんにおすすめの食材です。

はじめは粒のあるジャム状を目安にして、慣れてきたらみじん切りくらいの大きさにしましょう。

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モグモグ期になると食べられる食材が増えてきて大人の食事から取り分けることも多くなってきますよね。
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そのままでは食べにくければ食べ慣れている食材に混ぜてみてください。

カミカミ期・離乳後期(生後9~11ヶ月頃)

  • きほんの離乳食 赤身魚-まぐろ-(生後9〜11ヶ月頃から)

離乳後期の赤ちゃん向けの、歯ぐきでつぶせるくらいが目安の調理方法です。

大きさは6~8㎜角に切る。フードプロセッサーで粗みじん切り状にしてもOK。

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カミカミ期にぴったりの簡単なアレンジメニューも!
鉄分を多く含む食品なので、ぜひカミカミ期に取り入れてみてください。

パクパク期・離乳完了期(1歳~1歳6ヶ月頃)

やわらかくゆでたあと、約1cmにほぐして与えます。

まぐろの保存方法

冷蔵保存

当日中に食べきりましょう。

食べる前に電子レンジまたは小鍋などで再加熱してから与えましょう。

冷凍保存

1週間以内を目安に食べきりましょう。

食べる前に電子レンジまたは小鍋などで再加熱してから与えましょう。

(記載の期間は目安となっております。環境によって保存期間に差が出る場合があります。

匂い、味、色、食感が少しでもおかしいと感じたら廃棄してください。)

まぐろの水銀について

おなかの中にいる赤ちゃんは、体に入ってきた水銀をうまく排泄することができないため、妊娠中はまぐろを食べる量に注意が必要でしたが、生まれてきた赤ちゃんは、水銀を体の外に排泄することができるので、過剰に心配する必要はありません。

ただし、まぐろばかりに偏らないように、いろいろな種類の魚を取り入れるようにしましょう。

まぐろの食物アレルギーについて

まぐろは、まれに食物アレルギーを発症する危険性があります。

そのため、初めて食べる際は少量から始めましょう。

また、万が一食物アレルギーを起こした場合すぐに病院へ行けるよう、平日の午前中など医療機関を受診できる時間に与えるようにしましょう。

まぐろを使った簡単アレンジレシピ

まぐろを使った後期・完了期向けレシピです。

この頃には、いろいろな食材が食べられるようになってきます。

レパートリーが増えますので、ぜひ参考にしてくださいね。

カミカミ期・離乳後期(生後9~11ヶ月頃)のレシピ

  • 魚臭さを感じにくい まぐろのみぞれ煮(生後9〜11ヶ月頃から)

電子レンジですぐできる、簡単レシピです。

まぐろにはたんぱく質や鉄分など、成長に欠かせない栄養素が含まれています。

みぞれ煮にすることで、パサつきや魚臭さを感じにくく、食べやすくなっていますよ。

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パクパク期・離乳完了期(1歳~1歳6ヶ月頃から)

  • 赤身魚で鉄分たっぷり! まぐろステーキ(1歳〜1歳6ヶ月頃から)

不足しがちな鉄を離乳食で補うまぐろステーキを紹介します。

電子レンジで簡単に作れる野菜ソースをかければ、魚のパサつきが気にならずに食べやすくなりますよ。

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まぐろなどの赤身魚には吸収されやすい鉄分が多く含まれていておすすめです。
刺身用のまぐろを使えば、少量からでも使いやすく、骨や皮も無いので離乳食づくりにぴったりですよ。
  • パクパク期に食べさせたい 豆腐入りまぐろハンバーグ(1歳~1歳6ヶ月頃から)

鉄分を多く含むまぐろに豆腐を合わせた、食べやすいまぐろバーグを紹介します。

味噌で味付けをすることで魚の臭みも軽減できますよ。

大人のまぐろの刺身を取り分けてぜひ作ってみてくださいね。

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注意事項

食材は、特定のアレルギー体質を持つ場合に、アレルギー反応を引き起こすおそれがあります。

初めての食材を食べる子どもには十分注意が必要です。様子を見ながら少量から食べさせてください。

[特定原材料] えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生

[特定原材料に準ずるもの] アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

離乳食を調理する前に、「料理を楽しむにあたって」の「乳幼児への食事提供について」を事前にご確認の上ご利用をお願いいたします。

料理を楽しむにあたって

誤飲や誤嚥による事故を予防するポイント

  • 離乳食は月齢の目安のサイズを参考に、食べやすい大きさにして与えましょう。
  • 一口の量は子どもの口に合った無理なく食べられる量にし、自分で手づかみ食べや、スプーンで食べる場合は、量が多くないか、咀嚼して飲み込んでいるか、様子をみましょう。
  • ミニトマト、豆類は、そのままの大きさだとのどに詰まる危険があります。カットして安全な大きさにしましょう。のどに張り付く餅、噛むことが難しいこんにゃくや野菜、固い食材も飲み込むことが難しくなります。
  • 誤って気管支に入りやすいピーナッツなどの固い豆・ナッツ類は、5歳以下の子どもには与えないでください。
  • りんご・梨・柿は喉に詰まりやすい食材です。完了期までは生では与えず、すりおろしたものを加熱して与えましょう。
  • 年長の子どもが、乳幼児にとって危険な食品を与えないよう注意しましょう。
  • 離乳食のまぐろはモグモグ期・離乳中期(生後7~8ヶ月頃)から
  • 離乳食で与える場合は、生ではなく必ず加熱調理をする
  • 部位や缶詰の種類によって脂質が多いため注意が必要
  • 離乳食に使うまぐろは赤身の部分や水煮のツナ缶などがおすすめ
  • ヒスタミン食中毒を起こす可能性があるため、新鮮なものを選ぶ

写真提供:ゲッティイメージズ

※当ページクレジット情報のない写真該当