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離乳食のだしはいつから?レシピや使える市販品を紹介【管理栄養士監修】

離乳食のだしはいつから?レシピや使える市販品を紹介【管理栄養士監修】

今回は、離乳食でだしが使える目安の時期や種類について知りたいママ・パパの疑問にお答えします。昆布やかつお節などのだしは、赤ちゃんの味覚を育むためにおすすめの食材です。市販のだしを離乳食に使う場合の注意点についても紹介しますので、ぜひご活用くださいね。
今回は、離乳食でだしが使える目安の時期や種類について知りたいママ・パパの疑問にお答えします。昆布やかつお節などのだしは、赤ちゃんの味覚を育むためにおすすめの食材です。市販のだしを離乳食に使う場合の注意点についても紹介しますので、ぜひご活用くださいね。

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離乳食に出汁はいつから使える?

離乳食のだしはいつから?レシピや使える市販品を紹介【管理栄養士監修】

離乳食のだしは、種類によっては離乳食初期から使えます。

離乳食を始めてすぐの場合、味付けがなくても食べるなら無理にだしを使う必要はありません。赤ちゃんの味覚は敏感で、素材本来の味で味覚を育てることも大切です。

赤ちゃんの将来の健康のためにも離乳食は基本薄味にして、健全な味覚や好みを育みましょう。

なかなか食べてくれないときは、これから紹介する内容を参考に離乳期に合わせた種類のだしをアクセントとして活用してみてくださいね。

昆布出汁や野菜出汁は離乳食初期から

だしには色々な種類がありますが、植物性の「昆布だし」や野菜のゆで汁で作った「野菜だし」は離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)から使うことができます。

初めて与えるときは、食物アレルギーの可能性も考慮して離乳食用スプーン1さじからスタートし、赤ちゃんの反応を見ながら徐々に量を増やしていきましょう。

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ただし、昆布だしを使うときに気をつけたいのが昆布に含まれているヨウ素です。

ヨウ素は1日の摂取量に目安があります。大人用の昆布だしから使用する場合は、ヨウ素の濃度が濃いため、必ず5~10倍に薄めます。離乳食に使う昆布だしの量は、大さじ1杯程度までにしましょう。

また、ヨウ素など栄養素の摂りすぎを防ぐためにも、1種類のだしを繰り返し使うのではなく、離乳食の進み具合に合わせて色々な種類のだしを使うとよいでしょう。

離乳期別の使える出汁の種類

離乳食にだしを使う場合は、赤ちゃんの体に負担をかけないようにその時期にあったものを選んであげることが大切です。

以下の時期を目安にしてみてください。

■離乳食初期(生後5~6ヶ月頃・生後7〜8ヶ月頃から)

  • 野菜だし
  • 昆布だし(5~10倍程度に薄めてから大さじ1杯以内を目安に少量のみ使う)
  • 干し椎茸だし
  • かつおだし(昆布だしなど植物性のだしに慣れてから)

■離乳食後期(生後 9~11ヶ月頃から)

  • 煮干しだし
  • あごだし
  • 鶏ガラだし

離乳食初期のだしは植物性の昆布だしや野菜だし、干し椎茸のだしなどからスタートします。

植物性のだしに慣れてきたら、動物性のかつおだしも使ってみましょう。

「煮干しだし」はえぐみが強く、「あごだし」は青魚であるトビウオが由来のだしです。「鶏ガラだし」は、鶏肉が食べられるようになる頃が目安の時期になります。これらは離乳食後期以降を目安に、魚や肉など色々な食材の味に慣れてきてから活用するようにしましょう。

出汁を使うときは、食物アレルギーに注意

だしの種類によっては、まれに食物アレルギーを発症する可能性があります。

はじめて使用するときは少量ずつ、様子をみながら与えましょう。

また、万が一食物アレルギーの症状が出た場合すぐに病院へ行けるよう、平日の午前中など医療機関を受診できる時間に与えるようにしましょう。

離乳食に使える基本の出汁の取り方

離乳食で使えるだしの取り方について、種類別に紹介します。

だしは初めての人でも簡単に作ることができます。ぜひ目安の離乳期に合わせた種類のだし作りにチャレンジしてみてくださいね。

昆布出汁

昆布だしは、昆布から抽出しただし汁で、離乳食初期(5~6ヶ月頃)より、使用できます。

アミノ酸系の旨味成分であるグルタミン酸を多く含み、素材のおいしさを引き出すのに欠かせません。

ただしヨウ素が多く含まれるため、赤ちゃんに与える場合は薄めてから使用しましょう。

詳しくは動画付きで、こちらの記事で紹介しています。

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昆布だしは、昆布から抽出した、だし汁のこと。
アミノ酸系の旨味成分であるグルタミン酸を多く含み、素材のおいしさを引き出すのに欠かせません。
今回は、離乳食の昆布だしはいつから与えられるのか、下ごしらえのコツやおすすめのレシピをご紹介します。

野菜出汁

野菜だしは離乳食初期(5〜6ヶ月頃)から使用できます。

キャベツやにんじん、玉ねぎなどを細かく刻み、弱火で鍋で煮るだけで簡単に作ることができます。

離乳食の時期に合わせて食べられる食材を選んでくださいね。

残った野菜はペースト状にしたり刻んで与えることもできますよ。

詳しくはこちらの記事で紹介しています。保存の方法も詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

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椎茸出汁

椎茸だしは、離乳食初期(5~6ヶ月頃)より使用できます。

椎茸だしはいわゆる、「干し椎茸のもどり汁」のことです。

だし汁の作り方は簡単です。ぜひ、活用してみてくださいね!

<椎茸だしの作り方>

  1. 干し椎茸を軽く水洗いする。
  2. 容器に椎茸を入れてかぶるくらい水をいれ、ふた(ラップでも可)をする。
  3. 半日ほど置き、完成。

※注意:椎茸だしは高温で抽出すると苦味が出ます。だしを取るときは冷水を使用しましょう。また、干し椎茸本体は繊維質が多いため、1歳以降を目安に与えるのがおすすめです。

かつお出汁

かつおだしは、離乳食初期(5~6ヶ月頃)から使用できます。

旨味成分であるイノシン酸を豊富に含んでいるため、風味や旨味が増して素材の味が引き立ちます。

詳しくは動画付きで、こちらの記事で紹介しています。

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煮干し・あごだし

煮干しだし・あごだしを使う目安の時期は、離乳食後期(9~11ヶ月頃)を目安にしましょう。

煮干しはカタクチイワシという、青魚に分類される魚です。

同様に、あごだしは青魚に分類されるトビウオのだしです。

そのため、青魚を食べ始める目安の時期であり、白身魚や赤身魚などの魚を食べ慣れてきた頃が目安になります。

<だし汁の作り方>

  1. 頭とはらわたを取り除き、水に30分ほど浸す
  2. 火にかけ、10~15分ほど煮だし、魚を取り出し完成

鶏ガラ出汁

鶏ガラだしは離乳食後期(9~11ヶ月頃)を目安に使用しましょう。

鶏肉自体を食べ始める目安の時期が離乳食中期(7~8ヶ月頃)であること、鶏ガラだしには独特の臭みや脂肪分が含まれるため、色々な食材を食べ慣れてくる離乳食後期(9~11ヶ月頃)が目安になります。

<鶏ガラだしの作り方>

  1. 鶏ガラは水で洗い、血合いをしっかり洗い落とす。
  2. 臭みを取るために、青ネギなどを水と一緒に鍋に入れ、強火にかけ、アクをしっかりと取り除く。
  3. 沸騰したら弱火で2時間ほど煮だす。
  4. ざるにキッチンペーパーなどを敷いて、だしをこして完成。

鶏ガラだしを煮出すのは手間がかかるので、市販品を活用するのもおすすめです。

ただし、市販品を活用する場合は注意点があります。最後の章で説明していますので、使用する前にぜひご一読くださいね。

「雑節だし」について

「雑節(ざつぶし)だし」とは、サバ節・いわし節など、かつお節以外の素材から取っただし汁を指します。

離乳食に使用する場合は、どの魚が原料なのかを確認する必要があります。

青魚が原料になっている場合も多いので、離乳時期に合わせて活用するようにしましょう。

離乳食の出汁は、まとめて取って冷凍保存すると便利

だし汁を手作りする場合、一度にまとめて作っておき、冷凍保存しておくと便利です。

冷凍保存する場合は、小分けトレーや製氷皿に分けて保存しておくと、使いたい分だけ取り出して使うことができますよ。

冷凍保存した場合は、1週間を目安に使い切りましょう。

※1週間は目安なので、環境によっては保存できる期間に差が出る場合があります。

匂い、味、色など少しでもおかしいと感じたら廃棄してください。

冷凍した離乳食を解凍するときは、食べる分だけ取り出し、必ず電子レンジや小鍋などで離乳食全体がしっかりと温まるまで再加熱しましょう。再加熱することで熱に弱い細菌を殺菌し、食中毒の予防につながります。

自然解凍は解凍中に細菌が繁殖する可能性があるので避けましょう。

離乳食|出汁を使ったレシピ

離乳食にだしを使ったレシピの例を動画付きで紹介します。

離乳食初期は野菜ペーストやおかゆなどをのばすときにだしを使います。離乳食が進んできたら、煮物の煮汁やスープなどにも使うことができます。

こちらの動画を参考にしてみてくださいね。

離乳食初期|生後5〜6ヶ月頃から

離乳食初期は、野菜などペースト状にした離乳食を伸ばすときに水の代わりに加えて使います。

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離乳食中期|生後7〜8ヶ月頃から

離乳食中期では、とろみの素を作るときに水の代わりにだし汁を使用することもできます。

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離乳食に慣れてきてから、少量ずつはじめられます。小麦粉が含まれているので食物アレルギーに注意しましょう。
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離乳食後期|生後9〜11ヶ月頃から

離乳食後期は、だし汁をスープとして活用しましょう。レシピの幅が広がるので色々と使用してみてくださいね。

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離乳食に市販の出汁パックは使えるの?

離乳食に市販のだしパックを使うことはできますが、塩分や旨味調味料などの添加物を使用していない商品を選びましょう。

赤ちゃんの味覚は敏感なので、大人向けに調味料が追加され味がととのえられた商品は不向きです。

パッケージの裏面に記載してある原材料の表示を確認し、赤ちゃんの離乳期にあった食材のだしであることを確認し、塩分や旨味調味料などの添加物が入っていない商品を選びましょう。

また、離乳食用の市販だしが販売されていることもあります。

離乳食用として売られている市販だしは、赤ちゃんの味覚が考慮されているので、こちらを活用するのもおすすめです。

最近では、粉末状や袋にジッパーがついているタイプのものなどがあり、使いたい分だけ取り出したり、保管がしやすいパッケージになっているものもあるので、自分にあったタイプのものを使うのもよいですね。

商品によっては離乳期の目安を表示しているものもありますが、離乳食の進み具合には個人差があります。商品を選ぶときは、赤ちゃんの現状に合わせた素材のものにし、パッケージの裏面に記載してある原材料の表示は必ず確認しておきましょう。

レンジで簡単にだしが取れる容器もあるのでぜひ活用してみてもいいかもしれません。

使い方はこちらの動画を参考にしてくださいね!

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離乳食の出汁は離乳期に合ったものを使いましょう

離乳食のだしは、種類によっては離乳食初期から使えます。

赤ちゃんの味覚は敏感なので、味付けをせずとも離乳食を食べてくれる場合には無理にだしを使う必要はありません。

離乳食を食べてくれない場合や、離乳食の段階が進み、色々な食材を食べれるようになってきた頃にアクセントとして使ってみましょう。

手作りは手間や時間がかかるため、無添加のものや離乳食用として販売されている市販のだしパックを使うのもおすすめです。

状況に合わせて、上手に活用してみてくださいね。

  • 昆布や野菜のだしは、離乳食初期から使うことができる
  • 離乳食用のだしはまとめて作って冷凍保存すると便利
  • 市販品を使う場合、添加物・食塩不使用のものや離乳食用のものがおすすめ

写真提供:ゲッティイメージズ

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