生理(月経)は実は必要ないもの?【MAMADAYSお悩み相談室 生理編】 | MAMADAYS(ママデイズ)
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生理(月経)は実は必要ないもの?【第1回 MAMADAYSお悩み相談室】

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生理(月経)は実は必要ないもの?【MAMADAYSお悩み相談室 生理編】

「妊娠を望む人は別として、妊娠を望んでいない人は排卵をなくして生理(月経)を止めてしまっても問題はない」そう話すのは慶應義塾大学名誉教授で産婦人科医の吉村泰典(よしむら やすのり)先生。体に影響はないのか、そのようなことは可能なのか、吉村先生に話を伺いました。
「妊娠を望む人は別として、妊娠を望んでいない人は排卵をなくして生理(月経)を止めてしまっても問題はない」そう話すのは慶應義塾大学名誉教授で産婦人科医の吉村泰典(よしむら やすのり)先生。体に影響はないのか、そのようなことは可能なのか、吉村先生に話を伺いました。

産婦人科医が話す、普段なかなか聞けない話

実は生理(月経)は止めてしまっても問題ない

妊娠を望む人は別として、妊娠を望んでいない人は排卵をなくし、「生理(月経)※以下生理」を止めてしまっても問題はありません。

生理は毎月あるけれど、実は毎月あるということはかえって女性にとっては負担になっているのです。

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子どもを5〜6人産んでいた時代の女性は、若い頃からお産を経験していました。現代の女性は晩婚化や晩産化など様々な理由により1〜2人しか産まなくなったため、昔と比較するとお産の少ない状況にあります。

昔より圧倒的に多い 現代女性の生理の回数

昔の人は多産の場合、生涯の生理の回数は50〜100回でした。

妊娠期間中は、生理はありません。妊娠期間中と合わせて母乳を与える時期を1〜2年間経験したあと、再び妊娠。それを5〜6回繰り返します。

しかし現代の女性はお産の回数が昔と比較して少ないため、生理を大体400〜450回経験することになります(ピルなど飲んでいない場合)。

昔と現代では300回ほど生理の回数が違うのです。

昔に比べて生涯の生理の回数が増えたことで、「子宮内膜症※」など女性特有の病気が発症する確率が増えています。

※子宮内膜症:子宮の内側にある子宮内膜またはそれに似た組織が、子宮の内側以外の場所にできる病気のこと。病巣の中に液体として溜まったり、炎症を起こしたり、臓器同士がくっついてしまったりすることがあります。

生理とは

生理は女性の生理的機能です。約1ヶ月の間隔(多くは28〜30日)で起こり、数日経つと自然と止まる子宮内膜からの周期的な出血のことを指す。

子宮から内膜がはがれ落ち、血液と一緒に腟から排出されること。子宮が収縮する際に月経痛が起きます。

個人差はありますが、思春期に始まり閉経するまで約40年間続きます。

実際に生理で悩んでいる人は多い

MAMADAYS編集部ではMAMADAYSユーザーを対象に、2021年4月21日から22日にかけてMAMADAYSのInstagramのストーリー内で「月経(生理)についてのアンケート」を実施しました。「生理の悩みはありますか?」という問いに対し92件の回答があり「はい」と答えた人数は9割を超え、生理に悩んでいる人が多数という結果になりました。

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実際にどのようにして生理の悩みを解消すればいいのでしょうか。次で明らかになります。

生理はどうやって止める?

現在のファーストライン(第一選択)は「ピル」

昔は生理痛があると、鎮痛剤を飲んでいたんですけれど、最近は「ファーストライン」は初めから「ピル」ということになっていて、「ピルを飲むことで排卵を抑制することによって経血量を減らす」「ピルを飲むことによって月経痛がよくなる」という、根本を断つという感じになっています。

生理痛を解消するために「鎮痛剤を飲む」ということはあまり勧められないですね最近は。

それに、年齢が早いうちから飲むのが大切。たとえば25歳くらいになって生理痛が強いからピルを飲み出すとかじゃなくてですね、15〜16歳から生理痛があったら飲む。痛くなくても飲んでいいんだけど。

(※コラムの「低用量ピルの使用年齢について」を必ず確認してください)

初潮を迎えて、生理を3〜4回経験し、そのあとからはピルを飲んでも全く問題ない、というのが普通ですね。最近は。

2〜3回生理が来たら飲ませていいと言う先生もいるんですよ。

日本では通常、体の成長段階では勧めないが、月経痛や異常がある場合低用量ピルの処方をされます。それ以外で必要な場合は主治医と相談してください。

低用量ピルの使用年齢について

WHO適格基準によれば低用量ピル(低用量経口避妊薬)は初潮から閉経まで処方できると言われています。

日本の場合では主治医と相談のもとリスクとベネフィットを考え使用してください。

ピルによって生理を自分でコントロールするという選択肢も

妊娠をしたくないという状況であればピルを飲んでなんの問題もないです。

たとえば中学・高校など、生理痛で体育や水泳など休む子がいると思うんですよね。そういう子は早くからピルを飲むことで、自分で月経をコントロールして対処できるようになると思うんです。

「生理がつらいのは当たり前」「ピルは避妊薬」という考えを払拭(ふっしょく)してほしい

ピルで生理を止めても、女性の体に影響はないということは欧米で長い年月をかけて実証されてきました。

「生理は不必要」ということが医学界で定着したのは、約20年前の2000年くらいからです。欧米ではそれより前、約40年以上前から妊娠を望まない期間は、ピルを飲んで生理そのものを止めてしまうということが行われています。実際に欧米では性成熟期にある女性の半数ほどはピルを飲んでいます。

日本でピルの普及が遅れた原因

日本で「ピル」っていうと「避妊」というイメージがあるんですよ。

このイメージによって、「ピルを飲んでる」って周りに言うと、「ええっ!ピルを飲んでるの?」というふうな見方とかですね……。

「生理は耐えるものだ」「生理痛で苦しむなんて甘えてる」とかですね、そういった考えは日本の独特の考え方ですよね。

ですから、日本でピルを解禁したときに問題になったのは、「ピルを解禁すると性が乱れる」とかね。そういうこと言う人が必ずいるんですよ。

少なくとも欧米より日本は20年以上遅れているわけですけど、それはそういったところが非常に強いです。ピルに対する偏見ですね。

社会的偏見と、もう一つは副作用ですよね。「血栓症を非常に怖がる」というところがあります。

血栓症も、必ずピルの副作用としてはあるんですけど、非常に頻度も少なく、「リスク(副作用)」と「ベネフィット(効果)」を考えると圧倒的にベネフィットのほうが多いということから欧米ではピルを飲むことは当然の選択で、生理痛で苦しむということの意味がわからないわけですよ。

生理痛で苦しむなら痛みを取ればいいじゃないですかと。そして「QOL※」を向上したほうがいいんじゃないかという考え方ですね。

なかなか日本はそこまで行ってないですね。

※QOL(クオリティ・オブ・ライフ quality of life):生活の質

MAMADAYS編集部まとめ

ピルは選択肢の一つとして考えて

ここまで、生理の話を吉村先生にお伺いし、ピルを飲んで生理を止めても問題ないことがわかりました。

生理に毎月苦しんだり、つらい思いをしてストレスがある場合は、かかりつけの医師に相談してみましょう。

ピルは生理痛の強い味方としてとらえ、選択肢の一つとして考えてみてもいいかもしれません。

連載のご紹介

MAMADAYS編集部では、普段なかなか聞く機会のないドクターたちの話を伺うことのできる「MAMADAYSお悩み相談室」を立ち上げました。

今回は、慶應義塾大学名誉教授であり、3000人以上の不妊症、5000人以上の分娩など数多くの妊産婦の診療に関わる一方、第2次~第4次安倍内閣では「少子化対策・子育て支援担当」として、内閣官房参与も務めていた産婦人科医の吉村泰典先生にご協力いただき、MAMADAYSお悩み相談室の連載を開始します。

MAMADAYSお悩み相談室では先生にさまざまなお話を伺う予定です。

また、ユーザーアンケートを通してMAMADAYSユーザーの疑問や気になることなど、まとめて発信する予定です。

産婦人科医への質問アンケートは不定期でMAMADAYSの公式Instagram のストーリーズで配信予定です。

MAMADAYSお悩み相談室第1回は「生理(月経)」についてご紹介いたしました。

次回は「低用量ピル」についてご紹介します。

参考書籍:

メディックメディカ、「病気がみえるvol.9 婦人科・乳腺外科」、月経(P.20-21)

OC・LEPガイドライン2020年度版(P.Ⅲ、P.28)

写真提供:ゲッティイメージズ

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